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T006
■ テナントミックス: 2003/09/03(Wed)
TMOは中心市街地に立地する商業集積(つまり商店街、商業ビルなどですね)をまとめて一個のショッピングモールと見なし、テナントミックスを管理する、一言でいえば「中心市街地活性化法」による中心市街地活性化の方向と方法はここに尽きています。

ショッピングモールとそのテナントミックスは中心市街地活性化の成否を左右する大切な概念ですが、はたしてその内容はどのように理解されているか?

郊外のSCをはじめテナントを抱え込んでいるいわゆる大規模小売店舗がテナントミックスをきちんと理解し、管理していると思ったら大間違いです。我が国の百貨店はエルメスやらルイ・ヴィトン、シャネルにグッチその他名だたるブランドをテナントにしながら、別の階では、GAPやらユニクロ、はては百均まで入れますからね。これは業態・テナントミックス理論を冒涜する(w行為、ちゃんと理論を理解していれば絶対に出来ないことであります。

どうして出来ないかといえば、これはもちろん商売に並々ならぬ影響を及ぼすからですね。ひょっとしたらブランドの路面への脱出にも幾ばくかは影響しているかも知れません。みなさんがスーパーブランドの店長だったとして、おなじ店舗にGAP、ユニクロ、百均などが出店すると集客力が強化される、うちの顧客から見た店舗の来店魅力が向上する、と思われますか?

まぁ、極論すれば我が国の百貨店のテナントミックス理解がこのレベルだということは、これは企業としての根幹に関わることですね、だって、自分の商売の本質を理解していない、ということを内外に広く知らしめているんですから。

それにしても経営理論というのは恐ろしい。理解しているといないとでは、月とすっぽん、雲と泥くらいの差があります。

あらためて、「テナントミックス」について考えてみたいと思います。その前にショッピングモールの理解はOKですよね?
■ SMの場合: 2003/09/04(Thu)
> あらためて、「テナントミックス」について考えてみたいと思います。その前にショッピングモールの理解はOKですよね?

ショッピングモールについては、サイト内検索でチェックしてください。


テナントミックスをしっかり理解するために、SM=スーパーマーケットの場合を考えてみます。

SMは、スタート時点では生鮮三品とグロサリーという商品構成で、「家庭での献立材料がワンビジットで買い物できる」という業態でした。業態とはお客の買い物行動に合わせた商品構成・販売方法を採っている小売業のあり方です。

スーパーマーケットのお客は、その商品構成から「家政婦」あるいは「家政婦という業務を担っている時の主婦」という客相を対象にしています。「客相」にご留意。今日では一人の女性が、女性・主婦・妻・母親・就業者・趣味者などなど多様な顔(異なった生活局面)を持っており、顔が変わると価値観や行動が変わる、という特色を持っています。(ご承知のとおり「客相」は当社の造語です。念のため)

スーパーマーケットの客相を「ハウスキーパー」としましょう。家庭という生活単位を取り仕切る、という役割を果たす人ですね。
はじめ、食料品のワンストップという品揃えからスタートしてSMはやがて、ハウスキーパーのための「ワンビジットで必要な商品がすべて手に入る」という商品構成になり、やがて「SMに出掛けたときに一緒に済ませた方がよい買い物・用事がすべて果たされる」場所へと進化していきました。総菜、クリーニング、生花、DPE、美容院、ATMなどです。いずれもハウスキーパー客相に対応した業種・業態です。
ニーズ充足機能を充実させる過程でSM企業は、自社で対応できない分野については、他の業者の協力を仰ぎました。これがテナントミックスの始まりです。

SMの場合、テナントミックスに先立って、「当商業施設は・だれの・どのようなニーズに・どのように対応するのか」ということが決まっていましたから、テナントミックスは足し算的に充実させることが出来ました。この充実のプロセスが「集積間競争」です。
競争は、単に売り場面積の大小が決め手になるものではない、ということがここからも理解されます。

さて、SMの場合は業態としてのコンセプトが明快であり、テナントミックスも計画しやすいのですが、SM以外の商業施設・集積の場合、自分が「だれの・どのようなニーズに・どのように対応するのか」を決めることが必要です。これがコンセプトであり、来店目的・デスティネーションということですが、本来、自店が充実させたい顧客から見た来店目的が明確にされていないと、充実すべき機能が分からない、集めるべき機能が分からない、ということになります。

テナントミックスとは、商業施設全体が対応しようとするお客の来店目的を充足するための戦略です。自社だけでは十分対応できない場合に、より専門的な能力を持つ企業が結集、相互に力を寄せ合ってトータルでの来店目的を実現する訳です。
したがって、テナントミックスに先だって、集積のコンセプトをしっかり作ることが必要です。コンセプトは、業種や商品構成だけではなく、そこで入手できる商品やサービスの質までも規定します。
テナントミックスを計画するということは、当該商業施設でお客(特定の客相)が入手できる商品・サービスの質を決める、ということであり、従って同時に集積に参加させたい企業の業種・業態・質についての選考基準となるわけです。
テナントミックスは、商業集積全体の集客力そのものですから、計画するに当たっては慎重に計画することが必要です。

テナントリクールト:テナントミックスを実現するためにテナントとして参加させる企業の調査・選定・交渉・契約のことです。(たぶん、当社の造語、リクルートは、どうしても欲しい業容の企業が無い場合には創業もあり得る。)
テナントリクルートの場合、選考の基準は集積全体のコンセプトの充実に貢献する業容であること、に尽きます。
個別業態としての集客力がいかに優れていても、集積のコンセプトと異なるベクトルの店舗をテナントにすることは、目的に反しています。

たとえば、百貨店がいくら集客力があるからと言って衣料スーパーをテナントにするということはあり得ません。もっとも我が国の「テナントミックス」ではテナントミックスの本来の目的が理解されていればとうていあり得ないだろうと思われることが平気で行われているというのが現状ですね。ご存じのとおり。

テナントミックス、SCなどの実務では「テナントリーシング」と呼ばれていますが、似て非なるものであることが、言葉の定義とSCの「テナントミックス」の実態から理解されることと思います。

郊外型SC相互で繰り広げられている「集積間競争」、同質微差のテナントミックスならぬテナントリーシング体質ではもっぱら店舗(テナント)数、店舗面積で勝負する以外に方法がない、ということになります。この「大きいことはいいことだ」路線はどこに至るのか、そのゆくてについてはあらためて予測します。
■ ワンストップ&ワンビジット 2003/09/08(Mon)
ワンストップはともかくワンビジットという「商業経営用語」は、当社のオリジナルです。用語集に載せていなかったので、ここでちょっ説明しておきます。

「ワンストップ」はもともとスーパーマーケット用語です。
カートで主通路を回遊、今夜の献立材料として必要なアイテムをピックアップしたら次は中央のグロサリー部門で必要な材料の補充ピックアップ、レジで支配を済ませて帰路につく、という流れです。
もともとワンストップとは、「SMのレジで一度支払いを済ませば来店目的が完了する」という仕組みのことです。

店づくりも、「家庭内食事の献立材料調達プラス」という来店目的に過不足合わせることが必要です。「ワンストップ」は、「献立材料の調達プラス」という来店目的がレジで一度支払えば達成される、ということを意味しているのです。ちなみに「プラス」とは、メインである献立材料調達という恒常的な来店目的と「一緒に済ませた方がお客から見て合理的な買い物・用事」対応のことです。
お客にとってなにが「プラス」であるかは日によって異なります。
今日はDPEだったり、明日は美容室かも知れません。それぞれのお客の状況によって変わりますが、いずれも「献立購入と一緒に済ませるのが便利」という性格の買い物・サービスです。

ところが省思考を旨とするどこかの業界では、そんなことはお構いなし、お店が一カ所に集まってさえいれば、内容不問で「ワンストップ」ということになっています。「ワンストップ}=クルマが駐車場にワンストップとでも定義しているのでしょうか。もしそうなら特に商業に限る必要はない訳ですし、もちろん「相乗効果=来店目的(デスティネーション)強化ということとも関係ありません。スーパーで献立材料を買うことと、ファッションのショッピングを「ワンストップ」でやりたいという人はきわめて限られていますからね。
ワンストップ=いろんな購買目的に対応する店舗が雑多に集合していること、多ければ多いほど来店目的が強化される、というのが省思考派=既存流通業界・同コンサルタントさんたちの「ワンストップ」理論です。これはお客を「客層」ではなく「客相」で見るという立場からははっきり間違いです。

ワンビジットとは。
こちらはワンストップの「レジ」という場所での行動ではなく、ビジットつまり特定の場所へ出掛けることを意味しています。この場合の行き先はもちろん商業集積です。「ワンストップ=レジ」、「ワンビジット=集積」と覚えましょう。
ワンストップの場合、来店目的は様々です。当社が提唱する購買基準=コンビニエンス、コストコンシャス、ラグジュアリィのどの場合にも当てはまります。ワンビジットとは、一度出掛けたら、今必要な・同じ購買基準の買い物が・おなじ集積内で済まされる、ということです。ある特定の目的で買い物に出掛ける場合、多くの場合、お目当てのお店がすでにあります。そのお店プラスついでによって下見・冷やかし・ショッピングが出来るおなじタイプの購買基準の店づくりのお店が集積されている、ということです。

コンビニエンス型SCの場合、核であるスーパーマーケットはワンストップですが、集積全体はワンビジットということになります。

ワンストップとワンビジット、この使い分けが分からないと商業集積のテナントミックスは不可能なのですが、どういう訳か、すいすい出来上がっているのが我が国の関係業界、これで売り上げ不振と悩むのは、昔町内マラソンでは知ったことがあるからといって、世界大会にエントリーするようなものです。もの不足&同業横並び時代はそれでもよかったのですが、もの余り&異業態間競争が当たり前の時代にはペケですね。

ラグジュアリィモールのテナントミックス、もちろんワンビジットを目指すわけですが、百貨店や再開発ビル、はては量販店撤退後の空き店舗等々、大型店舗は中味に関わらずみんな核店舗、という省思考列島の常識では、中心市街地のテナントミックスは不可能です。
■ ちなみに「核店舗」: 2003/09/09(Tue)
> ラグジュアリィモールのテナントミックス、もちろんワンビジットを目指すわけですが、百貨店や再開発ビル、はては量販店撤退後の空き店舗等々、大型店舗は中味に関わらずみんな核店舗、という省思考列島の商業理論では、中心市街地のテナントミックスは不可能です。

「核店舗」とは、商業集積が標的にしている購買目的を1店舗で体現する力を持っている店舗です。たとえば、コンビニエンス型SCの場合はスーパーマーケットが「核」になります。これはもちろん集積で占めているスーパーマーケットの売り場面積によって決まっているのではありません。
スーパーマーケットが核である、ということはスーパーマーケットが存在する限り、その集積が対応している「来街目的」は不変だということになります。核店舗が「アンカー(錨)ストア」と呼ばれるゆえんです。

かっての中心商店街では百貨店や量販百貨店が核の機能を果たしていました。現在ではどうでしょうか。
■ ついでに「百貨店」: 2003/09/10(Wed)
> かっての中心商店街では百貨店や量販百貨店が核の機能を果たしていました。現在ではどうでしょうか。

百貨店、つまりデパートメントストア、広義のファッション(ファッション&身辺雑貨)とインテリアの「二貨店」になって久しいものがあります。

取扱商品はラグジュアリィ系ですが店づくりはというとこれがラグジュアリィとはほど遠い。地下鉄の階段を上って入店する、売り場(買い場にはほど遠い)を見て回り、しかるべき買い物をする、店から出る、地下鉄の階段を下る・・・、というプロセスで腰を下ろすことが出来るのは運が良ければ地下鉄で、というのが百貨店でのお買い物、椅子一つない、お茶一杯でない、というのが百貨店が「提供」している「買い物の場」です。あきれますね。

いろいろお為ごかしをいっておりますが、高い家賃に見合った売り場効率を実現するために、細切れ売り場に商品をギューギュー詰め、お客は売り場の中ではすれ違うことも出来ない、という環境ですね。売り上げも坪効率も鍵は商品の回転度数ですからね。もっとゆとりのある店づくりを心がけないと、ラグジュアリィモールの核店舗になれません。  

別になろうとは思っていない?
それで結構ですが、それでは肝心の売り上げが作れないでしょ?
銀座と新宿、駆け足で見てきましたが、いやはや、百貨店の店づくり、ラグジュアリィにはほど遠い環境ですねぇ。これで「売り上げ不振」はないでしょう、どうせいうなら「店づくり不振」といわなきゃ(W。
■ おまけ・「百貨店」が: 2003/09/10(Wed)
お客にアピールしていること。

うちのお店で買い物したかったら・・・
1.JR、地下鉄乗り継いでおいで(座れたらラッキ−)
2.階段の登り降り、めげんるじゃないよ。
3.人混み、信号待ち、なんだそれしき、さっさとおいで。

入店したら・・・
4.入店しても一息入れたりさせないからね。
5.さっさと目当ての売り場に移動移動。
6.さ〜、いろいろあるからね、よく見るとお目当てがあるはずだよ。
7.無かったら次の売り場に移りなさい。なるべく休まず売り場回ってね。
8.休憩?お茶? ありますよ、有料ですけどね。

ショッピングが終わったら・・・
9.さ〜、買い物終わったら来たときの要領で帰ろうね〜。
10.これに懲りずにまた来るんだよ〜。

如何ですか。都心百貨店の商売って概ねこういうことですよね。

ところで、あなたのお店のご商売はどんな具合でしょうね?
■ デパートメントストア: 2003/09/14(Sun)
> 如何ですか。都心百貨店の商売って概ねこういうことですよね。

これは百貨店の現状での業態としての収益構造を大きく反映している訳ですが、これから中心市街地の商業機能の核を担おうとするならば(それ以外に生き残る方法はない)、ハードの店づくりも大きく転換しなければならない。

もちろん、躯体は変える必要はないが、個々のテナントの店づくりは大転換が必要です。

この際百貨店は、「デパートメントストア」というおのれの名称をもう一度熟読玩味、何をなすべきかを考えて見ることが大切、テナント一個一個が百貨店全体のコンセプトのデパートメントを担当する、というあり方を実現するということ。品揃えはもちろんですが、売り場のあり方(つまり「内装」)も大転換が必要です。




> ところで、あなたのお店のご商売はどんな具合でしょうね?
■ 松阪屋岡崎店: 2003/10/31(Fri)

> この際百貨店は、「デパートメントストア」というおのれの名称をもう一度熟読玩味、何をなすべきかを考えて見ることが大切、テナント一個一個が百貨店全体のコンセプトのデパートメントを担当する、というあり方を実現するということ。品揃えはもちろんですが、売り場のあり方(つまり「内装」)も大転換が必要です。

東海の雄松阪屋。
本拠地に進出した高島屋を迎撃、本店を増築・店舗面積日本一にしました。他方、関西では不採算店を閉めるなど話題に事欠かない状況です。

話題の岡崎店は商都岡崎の中心市街地・中心商店街の真ん真ん中に位置しています。岡崎市には一昨年、西武百貨店とジャスコが核で3層2核ワンモールの郊外型SCがオープン、その影響で量販店、ショッピングビルが軒並みアウトになっています。
松阪屋周辺は大型店の残骸の山。

そうした中で松阪屋は減収増益ということでにわかに注目されています。
機会があって見てきましたが、その話はまた今度と言うことにして、聞いた話。

同店では「高齢者向けの専門店の集合体」というテーマのもと、エスカレーター周りはもちろんのこと、できるところは売り場の中にまでお客用の椅子テーブルを配置しています。「商店街の中の個店のつもりで」運営することを心がけているそうです。

昔、「商店街は横の商店街になるべきだ」と提言される先輩がありましたが、今日ではなんと百貨店が「縦の商店街」を目指しているわけです。
■ 商店街のテナントミックス: 2003/09/11(Thu)
テナントミックス、これまで商店街で言われてきたのは、「欠業種の補充」と言うことでした。

「商店街診断」などでは既存店の業種を把握、不足している業態を見つけて誘致を勧告することが定法だったと思います。省思考の常、業種とは何か、ということはまったく考えの及ばないところでした。言うまでもなく業種と言う概念には取扱商品のお客からみた意味特性などはまったく考慮しないレベルで成立する概念です。
商店街の店揃え、このレベルで考えていては何の効果もありません。事実、「欠業種の配置」という課題は、掲げられこそすれ本気で取り組まれた形跡はほとんどありませんね。

商店街のテナントミックス、本気で考えられたことが無いために、当今流行の空き店舗活用事業でも「テナントミックスの充実」という視点で取り組まれる例はきわめて限られていると思います。
テナントミックスは、来街目的対応力を強化して、お客の来街を空振りさせない、来街目的必達を通して固定客を作っていくための必要不可欠の仕事です。これをさぼりながら、手荷物預かり所、託児所、託老所などの設置に走るのは、本末転倒です。

あのですね、商店街はお客の買い物動機を満足させることが存在理由ですからね、買い物で満足させてくれない商店街に誰が・どうして枝葉末節の施設の利用に来るんですか?
きたついでに買い物してくれる? そんなことは絶対にありません。

テナントミックスは、既存の概念による「業種店」の数やその過不足に関わる概念ではありません。お客の買い物目的を達成させる品揃え、ということですから一義的には店舗の数や業種店の過不足などは関係ないのです。品揃えの基本は、お客の来街目的を基準にして「買いたい商品がそろっており、見ると欲しくなる商品・楽しい商品がそろっている」ということです。つまり、来街目的について空振りをさせない、元々の目的以上のショッピングが体験できる、という品揃えを商店街全体で実現する、それがテナントミックスのねらいです。
中心商店街のデスティネーション: 2003/09/14(Sun)
> 商店街のテナントミックス、まずは街全体が「ショッピングモールに転換する」という大方針を掲げることから始まることは言うまでもありません。

一応、これまで当サイト特に講義室にアップしているところを踏まえてテナントミックスについてもう少し考えてみましょう。

「ショッピングモール」については後回しにして、もう少し前の段階から考えてみましょう。テナントミックスを決定すると言うことは、街区に立地する業種業態の店舗全体で対応しようとする「お客の買い物目的」=デスティネーションを決定する、ということです。つまり、中心商店街が対応するのはどのような買い物か、ということを決めりわけですね。これを決めないと、既存の個店が活性化に向けて転換して行くべき方向、空き店舗などを利用した新しい店舗誘致の方向が定まりません。すなわち、中心市街地の集積全体で実現・充実を目指すお客から見た「わざわざ買い物に出掛ける理由」が作れませんね。

もちろん、どういう買い物に対応する商業集積を目指すか、ということはカラスの勝手、好きにしてよいわけですが、この決定は商業集積空白地帯で行われるわけではありませんから、いろいろ考えておいた方がよいことがあります。これらについて、ほとんどの「基本計画」、「TMO構想」は、まったく・何の検討も加えていないと思います。すでにこの時点で中心市街地活性化がなかなか実現できない理由がある訳ですね。
と、いったことはあらためて検討するとして。

第一に、自分たちの力プラス外部からの応援で作り出せる集積であること。
自分たちの力とは、既存の個店群およびその潜在的な能力のことであり、外部からの応援とは新規委出店です。そうそう、タウンマネジメント(テナントミックスマネジメント)能力についても自力プラス外部支援です。間違ってはいけないこと=可能性を見誤らないこと。現状を静態的にとらえてマイナスよりに評価しがちな例が多いと思いますが、いつも申し上げているように、評価の基準を確立する=戦略を立てることで評価は変化します(このことが理解できなかったらレスしてください・説明します)。

第二に、中心市街地に立地する商業以外の商業(W、ややこしいですが、1.郊外型商業集積、2.住宅地立地の商業との関係をどう考えるか、ということがあります。
中心市街地、これらの集積との関係をどうするのか、ということがしっかり決定されることが必要です。カラスの勝手、とはいうものの実際にどこに買い物に行くか、ということはお客が決めること、
こちらの事情を理解して協力してくれることはありませんから、お客から見て「いろんな集積があるなかでわざわざ中心商店街まで買い物に行く」という理由を作りあげなければいけません。

方向としては3つ考えられます。
第一に、中心市街地以外の商業については無視する。第二に、競争していく。第三に、うまく立ち回ってなるべく競争せずにお客を吸引する。もっと他にも選択肢があるかも知れませんが、とりあえず以上にしておきましょう。

いずれかの方向を選んで「基本計画〜テナントミックス計画」が出来上がっていると思いますが、このとき忘れてはならないことは、選択の結果を判断する=最終評価を下すのはお客だ、ということです。いくら実施する側が「カラスの勝手」を並べても、実際にそのとおりに業績が実現するかどうかは「お客の勝手」にかかっている訳です。
3つのうちどれを選ぶにせよ、「いろいろ集積があるけれどもこれで間違いなく中心商店街にお客が来てくれる」という集積全体のあり方を決定しなければならない。
■ SC理論はもってのほか: 2003/09/15(Mon)
中心商店街のコンセプトを決定するにあたって、ふる〜いショッピングセンター理論などに依拠したりすると、とんでもないことになります。

この時期、中心市街地活性化とりわけその戦略要地である中心商店街活性化を導く理論とは、理論と名が付けば何でもよい、ということではありません。その理論を理解すれば商店街の現状がどういうプロセスでもたらされたのか、ということが理解され、さらにどうすれば現状を突破し、将来にわたって繁栄し続けるための実現可能な方向が明らかになる、何をなすべきか分かってしまう、ということでないと意味がありません。

世上流布している(していた、というほうが妥当かも)SC理論とは、SCを「テナントミックスの来店頻度」によって分類するものです。近隣型(NSC)/地域型(CSC)/(RSC)広域型という分類が一般的ですが、論者によっては広々域とか超広域といった概念を持ち出す人もいて、なかなか大変です。
で、それぞれ毎日型/週間型/季節型という購買行動に対応しているのだそうです。昔米国で考案された分類ですが、当時はパワーセンターもアウトレットモールもありませんでしたからね、そうそう肝心のショッピングモールも。
こういう集積は、「SC理論」ではどう分類されているんだか・・(W

それに日本のショッピングセンターは集積と言うよりも集合といった方がぴったり、「通行人が多いところが好立地」という考えに凝り固まっている企業の。

言われているようなSC類型に合致するSCは存在しない、というのが「量販百貨店」という独自業態を生み出した我が国の小売業界の現実です。

シーラカンス的SC理論で中心市街地のショッピングモールを「RSC」を目指す、などと考えたらとんでもないことになりますからね。たとえばRSCといえば「核」は百貨店&GMSですね。中心市街地といえば百貨店、GMSが郊外SCに敗北・撤退した古戦場ですからね。今さらここで「RSC」というお話は出来ません。

ショッピングモールは昔のSC理論とは無縁だと考えることが大切です。
■ ショッピングモールというSC類型: 2003/09/26(Fri)
これは新しく登場した商業集積でありまして、もちろん米国直輸入・解釈デタラメのNSC、CSC、RSCという類型分類にはありません。つまり、このような類型でSCが説明されていた時代には存在しなかった商業集積がショッピングモールなのです。
もちろんこれはショッピングセンターの元祖兼トップランナー、米国の話ですが。

ご承知のとおり、「中活法」のスキームでは「中心市街地に立地するすべての商業集積を(まとめて)一個のショッピングモールと見なして運営する」ことが想定されています。
じゃ、ショッピングモールって何だ?というのが関係者に真夏の入道雲のごとくむくむくとわき起こる疑問ですね。だって商業集積関係の参考書にはショッピングモール=「ショッピングセンターの専門店ゾーン」的な説明しかありませんからね。とても中心市街地に立地する全焼業を網羅的に定義した「モール」とは似ても似つきません。

中心商店街の業種構成の特徴は、えいやっとひとくくりにすれば「RSC」に近い。百貨店が核で専門店だサブテナントという訳です。こういう単純な理解に立てば、中心市街地活性化とは、都心型RSCvs郊外型RSCの競争という図式における競争戦略の話になります。

え〜っ、そんなことでいいのぉ、といわなければならない。

第一に、我が国でRSCといわれているものは、中心市街地では手狭になった量販百貨店が郊外に移動、テナントを集めて集積を作った=人工商店街です。他方、都心は自然発生的商店街のままですね。ここでいう商店街とは「他店の集客力をあてに立地した店舗の集合」ということ、そういう集積の性格としては都心もRSCもおなじですが、立地・アクセス条件で「人工」に軍配が挙がるのは全国的にご覧のとおり、これはやむを得ません。

このような状況で「都心型RSCを目指し、郊外型RSCを撃滅する」というのが古いSC理論に基づいた中心市街地活性化論の主張です。RSC立地として見た都心vs郊外の優劣はここではこれ以上申し上げません。興味のある人は別にスレッドを立ててください。

中心商店街をRSCに見立てれば、既存個店群はそのテナントということになります。郊外と戦うためには、これらの個店群をテナントらしく仕立てていかなければならない。これは時間がかかるし第一、既存各個店をどう改革するのか、方向も方法も出てきません。

郊外のRSCは出店時点ですでに大枠完成、補強はテナントミックスでやっていく、という体制が確立されています。この完成されたSCに中心商店街がRSCとしての完成度を巡る競争を挑む?まったくなんのこっちゃ、といわざるを得ません。

RSC志向のみなさんは、自らが信奉するSC理論においてショッピングモールがどのように定義されているか、胸に手を当てて思い出してみるべきです。そうすると自分の思考の枠組みに「中心市街地に立地する商業集積を総括する」概念としてのショッピングモールという範疇は装備していなかった、ということに気付くはずです。

RSCとはどのような購買目的に対応した商業集積なのか、ということを教科書の「買い物頻度」などというデタラメとは無縁のレベルでよく考えたうえで、果たして中心市街地の店舗群をひとまとめにして目指す活性化(つまり将来にわたって存続させる、ということです)の方向として(RSCをめざすことが)万に一つも可能性があるのか?ということを考え抜いていただきたい。

ショッピングモールとは何か?
街がショッピングモールを目指すなかで既存個店は何をなすべきか?まさか、新・都心型RSCの「核店舗」の充実強化をあてにもうしばらく辛抱しときなさい、と他力本願を目指している訳ではないですよね?
そうであれば是非とも「ショッピングモール」の定義をきちんと考えていただきたい。その定義は、既存個店群とモールとの関係、個店はどのようなスタンスを取ればこの活性化への取り組みに参加し、その成果を享受することが出来るのか、ということも明らかに出来るレベルで考えないといけません。

というのが既存あるいはかって大規模小売店だった空き店舗を核に中心市街地をRSCに見立てた「活性化計画」への感想です。

このあたり、RSC路線を採用しているところは、計画作成時点で支援を受けた専門家にあらためて問い合わせてみられたらいかがでしょうか。
■ 商店街のテナントミックス?: 2003/10/08(Wed)
先だってあるTMOのみなさんとの会議の席で出たことです。

街ぐるみでショッピングモールへ転換する、という方向で活性化の
実現に取り組むにあたって、

1.個店はラクジュアリィ志向のお店へ「店づくり」を転換する
2.空き店舗などにはモールにふさわしいテナント企業を誘致する

という2つに平行して取り組む、これを総称して「テナントミックス」と呼んでいるわけですね。jこの呼称は幾分かは国の「TMOの主要業務=テナントミックス管理」という位置づけと「街ぐるみ転換」の整合性?を考慮しているものです。

協議ででたことは、再開発ビルの純正?テナントミックス業務も持っている、それよりなにより、既存個店の転換と空き店舗へのテナント誘致をテナントミックス管理とひとくくりにするのはおかしいのでは、という意見です。本当にそのとおりだと思います。TMOではテナントミックスという言葉は使わない、ということに決まりました。

当社も「テナントリクルーティング」などの怪しげな造語を考えたりしていたところです。
新しい呼び方はどうなるのか、いいアイデアはありませんか。



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