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S101-2■「商店街商業」から脱却せよ!(2)2004/03/24(Wed)

S101-1■「商店街商業」から脱却せよ!(1)


●問題は明白になった

商店街商売とは。
@古き良き時代、ライバルは街区内の同業者、お客は生活経験乏しく・かつ・商品知識乏しく、経済状態も発展途上、という時代、

A「モノを買いそろえる」と言うことが生活の課題であり・楽しみであり、個店のショーウインドは、消費生活の目標を提案する坂の上の雲、商店街はショッピング&レジャーの究極のデスティネーション。

Bとおりに溢れているのは、心の中は欲しいモノばかり、財布のなかはそれほどは・・、という人たち。

という「立地」&「客相」で成立する商売でありまして、

@店頭のお客を如何に店内に誘導するか
A店内での「商品と流動性の交換の促進(つまり販促)」のためのあれこれの工夫
が商売の秘訣、

@買ってくれたお客は次に「買い物客」になるには時間がある
A次の機会には同業他店に行くかも知れない
ということで、もちろん、販売が終わったときにはお客はお客でなくなっており、お店の心はすでに店外に向いている。

次のお客、早く入って来い(w

一方、流動性と商品、指導助言の元に取り替えて帰宅したお客はこれからが本番、商品を生活という「景」にはめ込んでみます。上手くいけばOK、上手くいかなかったら反省・・。何しろ虎の子の流動性と引き替えに手に入れた商品ですからね、しっかり吟味するのは当然です。ついでにお店の店づくり・指導助言も吟味される。
こうして生活・ショッピング経験の乏しい、「赤子の手をひねるも同然」、扱いやすかったお客はだんだん一筋縄ではいかなくなる。

他方、お店の方では「次のお客・早く来い」と新規来店客のことばかり考えていますから、「進歩」がない(w

もちろん、これは極論であります。
「お客様は神様だ」という説もありまして顧客満足・愛顧客づくりに邁進するお店もありましたが、土台はやはり店前通行量でした。

以上、簡単にまとめてみましたが、改めていちいち指摘するまでもなく、商店街商売が成立する条件はことごとく消滅しています。
他方、商店街に立地しているお店の方は、もとより、もはや店前地位考量には頼れない、と百も承知の上ながら、「店づくり」は旧態依然の店前通行量依存型、共同事業も無意識のうちに「店頭通行量増大策」になっている・・・、というのが今日の商店街の実態ありのままではないでしょうか。

売れない原因はあなたの頭のなかにある。
我々がやっているのは、昔は良かった・商店街商売、一方、お客のほうは当時の買い物事情のことはきれいさっぱり忘れてしまい、買い物についての関心といえばもっぱら今日から先の生活をどう作るのか、ということだけです。
このミスマッチは、半端なことでは解消できません。

解消に取り組まなければならないのは、お客ではなくてこれからも商売を続けたい・お客の流動性と商品を交換しないと商売が成り立たないという立場の皆さんですね。お客の方は比較的条件が整っているお店を探して「買い場」を変えれば済むことです。
リアルで難しかったら、通販、テレビ、インターネットという手もあります。

お客さんたちからみれば、「商店街商売」の時と場所=<昭和の商店街>はもはや買い物の場所ではありません。「昔」を懐かしむためなら「○○市・昭和の商店街」などに出掛けるわけでありまして、我がまちの「昭和の商店街」には目もくれない(W。

新しいカタチの「一見(いちげん)ショッピング」の受け皿=新しい露店型商売の立地はショッピングセンターである、ということもこれまでに検討してきたところから疑問の余地なく理解できたことと思います。

商店街商売からの脱却=ショッピングモールへの転換が中心市街地・商店街活性化の唯一の方向・方法だということを改めて確認できました。
いつも申しあげていることですが、当方は、「店づくり」転換に向けた提言をしているつもり、皆さんに理解・納得・実践していただかないと、肝心の「中心市街活性化への道」を切り開くことが出来ません。



●脱却の方向と方法


> 「脱却」について展開します。

方向はもちろん、「ショッピングモールへの転換」
方法はもちろん、「既存個店群の店づくりの転換」
であり、これについては、
皆さんは聞き飽きた
こちらは言い飽きた という状態ですから、話題はもちろん他のことです。

繁盛したいがこのままでは無理、という原点に立ち帰りまして、なぜ脱却への行動がスタートできないのか?
あらためて環境与件を確認することから「やるっきゃない」決意を固めていただきたい。

問1.商店街の最盛期、立地しているほとんどのお店が繁盛できたのはなぜだったか?

お客はどういう人たちだったか?
競争条件はどうなっていたか?
お店はどんな努力をしていたか?

改めて考えてみることからスタートです。



●理論の転換

> お客はどういう人たちだったか?
> 競争条件はどうなっていたか?
> お店はどんな努力をしていたか?


お客:商店街全盛時代の街の写真を見ていただきたい。
善男善女が屈託のない笑顔で写っています。
今では見られない人たち、笑顔です。
あのころのお客はいなくなった。

競争条件:最大のライバル・隣接商店街は消滅した。
郊外SCは、商店街の得意技=店前通行量商売が抜群に上手。
(SCの販促、商店街の一発芸と本質的に一緒ですね)
隣接商店街向け競争手段は何の効き目もなくなっているが・・・

お店の努力:当時の店前通行量商売としては、我が街が地域一番だった・・・。
うちの店もその一員として頑張り・業績を残した。
今のご時世に通用しないことは分かっているが、それかと言って他に出来ることもない・・・。

というようなことが分かるのは、商店街を一覧しただけで分かるような気がしますが、これは小さいながらコロンブスの卵、観察しただけで分かることではありません。実はこういうことが分かるのは「理論」の力なんですね。

理論は物事を理解するために役立ちます。
何をなすべきか、も、理論を仕えって考えます。
我々のものの見方・考え方は「理論」を用いていますから、理論が変わらないとものの見方・考え方は変わりません。

ところが、「よし、今日から理論を変えるぞ」といったからといって、たちまち、ものの見方・考え方の全体が変わる、という訳にはいきません。

自分の利害に大きく関わる分野の理論の場合はなおさらです。
実地に小規模かつ漸進的に用いて確認しながら徐々に変わっていく、ということでないと、なかなか本物になりません。
一を聞いて十を知る、「いいこと聞いちゃった」と一足飛びに「大転換」に取り組むと「こんなハズじゃなかった」といわなければならない結果が起きたりする。

こういうことはいわば「暗黙のご了解」の領域なのですが、なかに「暗黙のご了解」をパスしている人がいることがありますので、念のために申しあげておきます。
ものの見方・考え方は、一挙に変えることは難しい。変えた、と思ったら変わっていなかった、結果、大やけどした、ということはよくある話ですからくれぐれも注意いたしましょう。

理論が変わらないと行動が変わらない。
理論の転換は「脱却」の第一歩ですが、理論は実践で少しづつ確認することが大切です。

少し場所違いのようになってきましたが。

常日頃、私が申しあげていることの基本をば。
私たちは、理論を通してしか物事を観察することが出来ません。このことを自覚していない場合、観察は先入観である<世間の常識>に基づいていることが多く、これまでの常識が通用しない状況に直面したとき、相変わらず常識に埋没していると対応を誤ります。
対応を変えるためには理論を変えることが大切です。

ここでいう「理論」とは知識一般ではなく、あなたが物事を観察し・判断する「FOR」としての知識です。

「FOR」、久しぶりで出てきましたが、我々が自分の生活・問題解決に用いている「準拠基準」となる知識の「体系」・「枠組み」のこと。フレーム オブ リファレンス。



●方 向

もし、商店街がその地域を「商業集積」として認識し、その活性化を目指す=将来にわたり・地域社会において・商業集積としての機能を分担していくことを決意しているのであれば。

進むべき方向は、ただ一つ。
自然発生〜自然成長というこれまでの路線からきっぱり離れ、「商業集積」へ生まれ変わっていく以外に選択肢は無いと思います。
(と、私は自分自身の理論に基づいて考えていますが、理論が変わると物事は違って見える、違う意見をお持ちの方、提出していただけると幸いです)

商店街、自然発生的集合から計画的集積へ、これが活性化の正しい?方向だと思います。

付記:商店街に立地する個々の店舗についてはこの限りではありません。個店は、どこにあってもその立地を「単独立地=フリースタンディング」とみなして自店の営業構造=デスティネーションを作ることが出来ます。今日、空洞化著しい商店街立地において繁盛している個店は、それぞれ単独でデスティネーションを作りあげていると考えられます。



●決 意

> 商店街、自然発生的集合から計画的集積へ、これが活性化の正しい?方向だと思います。

しかし、シビアに見るならば。
『基本計画』の「一体的推進の目標」などで商業集積への転換を計画する=決意するのは、行政〜TMOという組織です。しかし、これは肝心の地域内に立地する各個店の行動に直接反映される、というレベルで決定されたものではないはずです。

話を若干戻しまして。
最低限の目標として「商店街の活性化」を掲げていない基本計画は無いはず、そうしますと、商店街立地の各個店のシャッターの内側の改革への取り組みは、中心市街地にとって不可欠の課題であることは改めて確認するまでもないことですね。
これに取り組まない限り、例え集客施策などがどんなに成功しても商業機能としての商店街の活性化は達成できません。

シャッターの内側の改革、避けていては絶対に活性化は実現できない、しかも街区内の個店群の状況は眼を覆うばかり、早急に取り組まなければならないことは明かですが、にわかには着手できないことも目に見えています。
どのような手順で進めるのか?

商店街組織〜各個店の改革への決意〜着手〜達成というシナリオをどのように描くか?ということですね。



●方 法


> 方法はもちろん「既存個店群の店づくりの転換」

問題は、「なぜスタートできないか」?

これまでの常識にとどまっていたのでは時代の変化に対応できない、自分が変わる以外に対応の方法はない、ということは十分承知しているものの、その知識が自分自身の行動を律する「FOR」というレベルで採用されていない、ということ。
「話としては分かるけど・・・」というわけです。

「話としては分かる」から「この視点で頑張ってみる」への移行が問題。



繁盛実顕

実験ではなく「実顕」ですからね。
実顕=実際に顕現すること(たぶん、私の造語)。
顕現=はっきりと姿が現れること・物事をはっきり現すこと。

新しい理論・方向・方法を目指すには、実際に提案する方向・方法で繁盛店を作り出し、活性化への有力な選択肢であることを証明しなければならない。

そのためには、先行して実践、繁盛店への変身に成功する店舗が出てくることが望ましい。それも短期間、出来るだけいろんな業種で、という難しい条件が付きます。

でも、商店街の現状を考えてみれば、この条件はあたり前のことです。この条件をクリアできてはじめて「これが商店街活性化の方法だ」と主張できることになります。


(撤回します

> 実顕=実際に顕現すること(たぶん、私の造語)。
と思いましたが、念のため、ネット検索した見ましたら、なんと似たようなコトバが・・・。
http://www.lcv.ne.jp/~shtakeda/bbs/page043.html

「ライフスタイルを実践している場」が「実顕地」と名付けられているようです。
そう言うわけで、「たぶん、私の造語」という個所は撤回します。)




●昔・立地、今・業容


考えてみますと。

その昔、商店街に人があふれていた頃というのは、商店街にモノがあふれ・お店があふれていた時代でした。(もちろん、家庭にはモノが不足しておりました)
これらのお店はそれぞれの経営者が、限りある経営資源の有効活用・「出店〜経営計画」を考え抜いて出店したものでした。出店するにあたっては、当時の「店づくり」の常識(客相や品揃えの考え方)を踏まえ、問屋さんや先輩の意見などを参考に立地を選択したわけです。

商店街商売=○○業種の専門店を出店する時、一番大事なことはどこに出店すべきか? いい立地を選ぶことが最大の経営戦略でした。「小売業は立地商売」、「倉には車を付けよ」というのが商店街商売の常識、もちろん、よい立地とは店前通行量の多い場所、でした。

他方、今日、中心市街地活性化の一環として事業に参加している経営者の皆さんが直面している課題は、「現在の立地で繁盛を再生する」ということです。
商店主に負わされているこの課題については、私のように声を大にして張り上げるか、私以外にとのように黙っているかは別として(W、関係者全員に共通する期待ですね。単年度・単発事業に取り組んでいる皆さんもこの点についてはまったく同じ気持ちのはず、皆さんプレッシャー感じてませんかぁ(W

さて、きょうびの商店街の事業、このところ悪口を申しあげているとおりの状況です。
どういう状況か?商店街最盛期の(とまではいかなくても・ともかく)個店の繁盛を再現するには、昔まんまの環境条件の再生だ、ということで組合の活動はもっぱら来街客数(=個店から見れば店前通行量)の増大を図る事業に終始する、という状況です。

このような取り組みが、いま現在、商店街で取り組まなければならない課題に対して、如何にミスマッチか、ということはこれまでさんざん指摘してきましたので、ここではこれ以上触れませんが、組織の活動は、個店の責任である繁盛再生にむけた「お手伝い」として「昔ながらの集客事業」を展開する、「それをどう活かすかは個店の仕事」ということになっている、という基本的なあり方はもう一度確認しておきましょう。

「個店の仕事」。
問題は、店づくり(立地&業容)にミスマッチを感じて「買い物の場」を変えてしまったお客が、「集客事業」につられてあらためてもう一度来街、かってミスマッチを感じて疎遠になっていたお店の前を通るとき、もう一度この店を「買い物の場」にしてみようかな、と評価してもらうには何をしなければならないか、ということを考え・答えを出し・店づくりに実現すること、です。

この仕事がきちんと出来ていないと、集客事業の成果として来街してお客がもう一度個店〜商店街を「買い物の場」として評価し直し、買い物客として戻って来てくれるということは有り得ません。

集客事業に取り組むにあたっては、その前に「買い物の場」としての魅力(その中心はもちろん「品揃え」)を作らなければならない。
もちろん、昔はイベントだけで来街者が増え・個店の売り上げが伸びた時がありました。しかし、その期間は、お客が今までの買い物の場(=商店街)と新しい買い物の場(=郊外の集積)との間で揺れ動いていたほんの短い間でしかありませんでした。
新しい買い物行き先の比重が高まるにつれて集客事業の効果は日増しに薄れていきましたものね。ご承知のとおり。

商店街がこれからもう一度、「買い物の場」としての評価を取り戻していくためには、過去の常識・栄光にはきっぱりサヨナラして、お客に対して「こっちの買い場がいいよ〜」と「買い物の場としての魅力」をアピールできるようにならなければならない。
もちろん、これは各個店に共通する現下最大に経営課題です。

かって小売店は立地産業だと言われていました。
当時の「小売店」というのは業種ごとに一定の業容がありまして、自分が営みたい業容にふさわしい立地を選択することが繁盛の秘訣だったわけです。

いま、「立地と業容」のセットで作られた商売(=商店街商売)が成り立っているのは郊外型SCのテナントとしてですが、もちろんその業容はかっての商店街の個店の店づくりと比べると格段の進歩を遂げていることは言うまでもありません。現在の商店街のほとんどのお店、例え今風商店街=郊外型SCにテナントとして出店しても上手くいくハズがないことは、あらためて指摘する必要もないでしょう。

そこで商店街に戻りまして。
好立地とはお客から見た「買い物行き先としてOKな場所」のことですから、立地とは本当は「業容プラス立地」のことでした。
商売繁盛を実現するには立地と業容のバランスを考えなければならなかった。
かって、商店街立地の小売店の経営者はみんなこのことを知っていましたからね。

この時期、商店街という立地で繁盛を再生したいと考えるなら。
問題はそのお店はどのような「業容」を取るべきか、というところに帰結します。

「立地と業容」のバランスが取れて繁盛していた商店街。
バランスが崩れて繁盛できなくなっている、としたら・・。

立地は変えられないわけですから、「業容」を変えなければならない、というのは誰がどこから見ても当然出てくる「取り組むべき課題」です。

昔は業容を前提に立地を選択、今は立地を前提に業容を転換、これが今と昔の「個店繁盛法」の変化です。



●マルチデスティネーション

中心市街地、いうまでもなく多様な〈来街目的〉が混在しています。

ショッピング以外の目的を持った来街者の「ついで買い」というのは、商店街およびそこに立地する個店にとって、まことに有り難いこと、マルチデスティネーション=中心市街地に立地していてよかった、と思うのはこういうときでしょう。

だが、しかし!

「ついで買い」というのは、結構難しいのでありまして、情景マーケティング的には、せっかく来たのだから・あそこであれを買って帰ろう、というのが中心市街地来街者のついで買いのパターン。
けしてめくらめっぽうそこらのお店に飛び込んでショッピング、などということは無いのであります。
そういうショッピングパターンが発生するのは、すでにそのお店についてお客の頭のなかに「スグレものが入手できる」という情報が
仕込まれている場合だけです。

したがいまして。
空き店舗を利用してNPOなどが「たまり場」を作ると、たまりに来た人が帰りになんか買って帰ってくれる、たまりがどんどん増えると買い物客がどんどん増える、などということは金輪際起こらないのであります。

起こらないのでありますが、百歩譲って起こったことにして、ジュースかなんか買ってくれたとしましょうか。
それで業績不振にあえぐお店の経営を転回させる契機とかになるんですか? 

なりませんよね。

業績不振の店舗が連袂する商店街、物販以外の機能で集客して帰りになんか買ってもらお、などという発想は、ハッキリ、素人(もちろんショッピングの素人ですね)の浅知恵です。
そういうことでなにかしら、駄目な商店街に対していいことをしてあげている、な〜んて独りよがりに浸ったりしないでね〜っと(W

その程度の思いつきで解決する問題に全国の商店街が悩んでいる、というお考えのようですが、井戸のなかの蛙、という形容がピッタリ、単年度単発制で「今年はこの事業」と取り組まれた日にはまたもや1年間棒に振ることになる。

しょっちゅう言っておりますが、物販機能を充実させる、各店主が自ら取り組むほか無いこの仕事を代替できる事業はありませんからね。マルチデスティネーション=ついで買いニーズの受け皿になるのはきちんと転換に取り組んでいるところだけ、言い換えればマルチデスティネーションを当てにしなくても業績を挙げているお店だけ、ということです。


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