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S067■中心市街地活性化への七つの扉
2003/05/06(Tue)

以前、「商店街活性化の七不思議」を書きましたが、所詮は蟷螂の斧(蟷螂=とうろうはカマキリ、カマキリが人間様に向かってカマを振り上げるように、効果のない・はかない異議申し立てのこと)現場では相変わらず不思議がまかり通っているようです。

 ここでくじけちゃ・・・ということで(W
標題のとおり、今回は活性化を阻んでいると私が考える七つの堅固な扉(笑)をこじ開けるための秘策、最近の見聞を踏まえながら考えてみたいと思います。

目的・目標を確認する

いうまでもなく、仕事には目的があり、仕事は目的を達成するために取り組まれる。ところが、あまりにも「当たり前」のようになっている仕事(つまり、ルーティンワーク)などは目的は何か、ということがすっかり忘れられて、続けることが目的のようになったりする。これはある意味、良いことで仕事をするにあたって四六時中、「この仕事の目的は・・・」と確認していては時間がもったいない。目的を考える時間と仕事をする時間は区分した方がよい。あるいは組織・場合によっては、目的を考える人間と仕事をする人間を区分した方が便利なこともあります。あるいは、同じような立場の人や組織がやっていることを真似てみる、ということもある。同じ立場なんだから「その立場にとって良いことをしているんだろう」というわけです。
 こういう方法は、世の中が一定の方向に進んでいるときは、それなりに役に立ったかも知れません。しかし、経営環境が大きく変わった、と感じされる時代には、もういちど目的を確認することが必要になります。
 
 例えば、「商店街活性化事業」なども、個店が繁盛すること、という究極の目的をもういちど確認してみると、果たして、いまの事業の取り組みで繁盛店作りに役立つのかな、という疑問が生じます。環境が大きく変化する時代には、これまでのやり方に新しいノウハウを付け加える、ということでは済みません。新しい道を探ることになりますが、その作業の基準になるのが「目的」です。変化した環境で変わらぬ目的を達成するためには、新しい目標を耐えることが必要です。目標作りにはまず、あらためて目的を確認しておくことが必要です。

 中心市街地活性化の目的は、中心市街地を「活性化する」ということですね、いうまでもなく。

 それでは「活性化」とは?
これはどこにも定義されていませんが、まぁ、中心市街地がかって都市において担っていた役割を、変化した環境のなかであらためて確立すること」です。
簡単に言えば「中心市街地が都市で分担する役割の再確立」が中心市街地活性化の目的です。

 それでは中心市街地の役割とは何でしょうか?

 一言で言えば、「都市的ビジネスの集積」です。さまざまな「都市的ビジネス」が集まり、相乗的な利便性を実現し、そのことがまた新しい事業機会を提供する、というのが中心市街地でした。
そのような場所として活用してきた「繁盛する中心市街地」を、かってとは相当違う環境条件のなかで再生させる、ということが中心市街地活性化です。つまり、儲かる商売を中心市街地に集積することが活性化なんですね。

 では新しく集積するビジネスとしてはどういうものが考えられるか?

主要目標を確認する

> では新しく集積するビジネスとしてはどういうものが考えられるか?

 とりあえずはなんでもありでしょうが、やはり、中心市街地という立地の特性を活かすことができるビジネスが望ましいですね。
さまざまな交通機関を経由して人が集まることができる、というのが中心市街地の立地特性ですから、人が集まって取り組むビジネス、人を集めて取り組むビジネス、集まっている人を対象にするビジネスなどが考えられる。

 『中心市街地活性化法』では、「都市的産業」などが挙げられていますね。これについてはちょうど別スレで「大型店の残骸の活用」で論じていますから参照してみてください。ついでにアイデア書き込みお願い。

 さて、もう一つの方向としては、既存産業の活性化、ということがあります。全国の都市に共通する中心市街地既存の産業といえば「商店街」です。
商店街という小売業の集積を活性化することで中心市街地活性化を実現していく、これは全国・全都市に共通した課題です。
 
  中心市街地活性化の目的:産業立地としての活性化
           目標:都市によって異なるが共通することは商店街の活性化

ということで問題意識を共有しておきましょう。

 商店街活性化とは商店街がどうなることを意味するのか、当社は独自に定義を提案しています。分からない人は「商店街活性の定義」で検索してください。

 ちなみに中心市街地の活性化の中心課題が中心市街地に立地する商業の活性化だということは、当社のどくだんではありません。これが「中心市街地活性化法」の問題意識そのままであることは、同法による施策のメニューを見れば一目瞭然です。

 中心市街地「活性化」のためなら何をしてもよい、ということではありません。「商業機能の再生」という目標ははずれないようにすること。
 中心商店街の空洞化・荒廃を放置したままで中心市街地が活性化出来る、というのはとんでもない間違いです。


 中心市街地活性化の目的及び目標についてしっかり理解し・ぶれないこと。間違っても「都市観光」とかを主要目標にしないことが大切です。
これが「活性化への七つの扉」の第一です

方向と方法

以下では中心市街地に立地する商業(以下、「中心商店街」)に絞って考えたいと思います。その理由については、これまで何度となく説明してきましたので、ここでは省略します。ただし、重要なことですからしっかり確信が持てない人は検索を使ってチェックしてください。

 中心市街活性化の目標を中心商店街の活性化としたとたん、やらなければならないことは、都市・広域商圏において中心商店街が担う商業機能を決定する、ということです。

 これまでの中心市街地活性化に関する論議では、このことがほとんど論議されていません。
当社は地域の生活を支えるインフラである商業機能を消費購買行動の側から見て3つに分類していることはご承知のとおりですが、皆さんの都市におPK得る中心市街地活性化の論議において、このような「小売商業集積としての機能分担」が問題にされたことは無かったのではないかと思います。

 漠然と「買い回り商店街」あるいは「地域中心商店街」、「広域商店街」などという「定義」がされているかも知れませんが、この程度の定義では郊外型ショッピングセンターと区別が付きません。区別がつかないということは、無意識のうちに郊外型ショッピングセンターがやっている商売にはるかに劣る質と規模で追随している、ということです。

 中心商店街が広域においてどのような商業機能をになうのか、これを決めることが「中心市街地活性化基本計画」の肝心要の役割ですが、残念ながらそういうレベルの基本計画は本当に少ないと思います。
ということは、多くの都市では基本計画に挙げられている全ての事業を100%完遂しても中心商店街は活性化できない、ということを意味します・・・・。

 中心商店街が担う小売商業機能を決定する、活性化実現の取り組みの方向を定めたら、その実現にどのような方法で取り組むのか、ということを決める作業が待っています。

既存商店群の活性化

商店街活性化=広域で分担する商業機能を決定し、機能を整備すること。それも「買い回り型商店街」などというレベルではなく、郊外型ショッピングセンターとの関係をはっきり認識したレベルで、存在理由=デスティネーションを設定し、充実させていくことが中心市街地活性化の最大の課題です。

 問題を別の角度から見れば、商店街活性化とは、現在立地している個店群をどうするか、ということになります。このことは実務ではいろいろ複雑な段階にありますが、まず、基本的にはこれらの個店群が活性化することが必要です。そっくり入れ替えるというわけには行きません。入れ替えたくても候補者が皆無ですからね。
 余談ですが、中心商店街の大型商業施設(抜け殻・新設を問わず)に共通して予想される課題は「テナント募集難」ということです。

 中心商店街の活性化は、街区がになう商業機能=デスティネーションを定め、既存個店群の自助努力を中心に実現していく、ということになります。
中心商店街活性化の方法は、商業集積としてのデスティネーションを定め、それぞれ活性化が必要な個店群の自助努力をその方向フォーカスさせることで実現していく、ということになります。

※まとめ:あるべき活性化の方向と方法
@方 向:商業集積として担う役割を定義する=デスティネーションを定めること。このとき郊外型ショッピングセンターとの関係をきちんと意識しておくこと(競合か棲み分けか)。

A方 法:個店レベルでは繁盛を再現できないレベルにある既存個店群の活性化への自助努力を結集して実現する。

第一の扉

「一体的推進の目標」を「中心商店街のショッピングモールへの転換」と明確に定めていない基本計画は、改正を検討すべき、というのが私どもの提言です。
「ショッピングモールへの転換」を掲げていない、ということは、TMOの役割=「街を一個のショッピングモールと見立てた整備・運営」ということが全く分かっていない、ということを意味します。そうすると、郊外型ショッピングセンター時代にアクセス不備な中心商店街のデスティネーション(来街目的)を作ることが出来ません。基盤整備と商業活性化事業、いくら一所懸命取り組んでも「来街目的」つくりには全く役に立ちませんから、いくら事業をやっても街はどんどん寂れていきます。

ショッピングモールを目指す、といったとたん、やらなければならない仕事が次から次へと出てきますし、それらの仕事の一つ一つがやり終えれば確実にショッピングモールの実現に向けた取り組みになるわけです。

「一体的推進の目標」=「街ぐるみショッピングモールへの転換」であり、既存個店の店づくりの転換を基本に、着実に繁盛店を作り出していくことが商店街活性化、ひいては中心市街地活性化を実現することになります。

第一の扉:「ショッピングモールへの転換」は基本計画そのものの改正を意味する、という街も多いと思いますがたかが基本計画とあなどるなかれ、正しい計画抜きで活性化が実現できる、とった高度成長期の常識は今やはっきりと非常識になっていることを理解しましょう。

 中心商店街ぐるみでの「ショッピングモールへの転換」という目標を掲げていない『基本計画』は、自らを本当に中心市街地〜中心商店街を活性化できる計画であると自信を持っているのでしょうか?
残念ながらそういう自信のある計画は全然無いだろう、と私は判断しています。

 この扉を開かないことには先に進めませんから計画の変更が必要です。
今回はこれまでの経緯を踏まえ、さらに後続の2〜7の扉を想定した計画になりますから、名実共に中心市街地の活性化を推進する計画が出来ることでしょう。

http://www.quolaid.com/city/city111.htm

第一関門の突破

これを突破しないと本格的な「中心市街地活性化への道」が開けてきません。どうしてそういえるのか?

 中心市街地活性化=中心商店街活性化を柱とする中心市街地のビジネス立地としての再生は、都市を挙げての一大プロジェクト、行政、商店街、さらには地元産業界が一体となって取り組まないと実現できません。

 「基本計画」を作成した時点では、言ってみれば行き先も定かでないまま、全国の都市が我先に走り出したようなものでした。とりあえず走り出せばまぐれででもゴールに到達できる、というようなことは絶対にない、というのが中心市街地活性化です。

 多くの都市の「基本計画」が開店休業状態に陥っているのは、「一体的推進の目標」がここで論じているレベルで決められていなかったことが原因であることは、強調しておきたいと思います。多くの仕事から成り立っている大プロジェクトを成功させるためには、目標をはっきりかかかげ、到達へのシナリオを関係者が共有することが大切です。言うまでもないことですね。

 「基本計画の改正」この作業の重要性を理解し、作業を成功させることが中心市街地活性化の最初の関門、難しそうですがこれを突破すれば後の道、扉は意外とスムースに開きそうです。

 改正の言い出しっぺは誰か?
それはもちろん、この記事を読み共感した人自身、ということになりますが、改正にこぎ着けるためには相当の工夫が必要、一挙に突破するための提案が「商人塾」です。

http://www.quolaid.com/seminar/seminar0.htm#osusume

 30時間というこれまでの商店街関係の講習会では考えられない量と質の理論修得を商店街、会議所、行政が一体となって取り組む、ということが試金石です。言うまでもなく「商人塾」の内容は当社の理論でないと意味がありません。これも要注意。

 考えてみれば『基本計画』の策定にあたっては、全く・なんの準備もしないまま、一斉にスタートしました。これで活性化が実現できるならとっくにあちこちの都市で成功事例が報告されているはずです。
成功事例がほとんど無い、ということが闇雲な事業取り組みでは活性化は実現出来ない、ということをシビアに物語っています。

 商人塾の開催、これが第一の扉を開く「鍵」、さらに言えば、この鍵はマスターキーですからね。なんとしても手に入れなくてはなりません。


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