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先日、新年度の事業取り組みが懸案になっている組合の理事長と話しました。この時期、ほとんど毎月のように廃業、撤退表明があるとのこと。
「こんなに続くと意欲がそがれる」と理事長。
「あなたが早く方針を出さないからでしょうが」と私。
「ショッピングモールへの転換」=商店街勝ち残りの方向と方法がある、ということを組合員に周知させ、具体的な取り組みを打ち出さないと、廃業・退店はどんどん増えていきます。方針決定が遅れれば遅れるほど廃業・退店が増える、といっても過言ではない。
この時期、組合執行部がやらなければいけないことは、街の活性化に向けた方針をはっきり提示すること、活性化に必要な各店の取り組みを含めてしっかり提案し決定することです。しかし、残念ながらこういう仕事が必要である、緊急にそれを準備して組合員に提起しなければならない、ということが全く分かっていないのが組合執行部の現状でしょう。
多くの商店街で組合員と執行部の接触は総会までお預け、ということでしょうから、街によっては先が見えて決断できる人から順に廃業を決意していく、ということにならないとも限りません。
TMOもTMOです。
街の運命をになってもらわなければいけない既存店が廃業・退店に追い込まれている時期にチャレンジショップなどにうつつを抜かしている余裕は無いはずです。チャレンジショップなんかはっきり言って、ままごとのようなもの、何年続けても街の活性化にはつながりません。
こういうことは一度取り組んで見たらその結果を踏まえて継続する価値があるのかどうか、しっかり考えてさっさと結論を出すべきです。だらだら続けているとその間主観的には立派な事業をしているつもりでその実、既存店の廃業・退店を促しているようなものです。
行政、TMO、組合執行部に共通している今すぐやらなければいけない課題は、組合員に対して「街はこうして活性化を実現していく」という街ぐるみの繁盛実現の方向とそのための取り組みのシナリオを提示することです。これができないまま、昨年までと同様、あれこれの個別事業をやることは繰り返しになりますが、既存店の活性化の支援になるどころか全く逆に廃業・退店の後押しをしていることになります。
一日も早く方針を出すことが緊急の課題。いつ誰が「もうやめた」と行ってくるか分からない、というのが水面下の状況です。よくよく考え、決意しないと本当に後はありませんからね。
理事長さんには「このままではいよいよあなたの代で組合もお終いですね」といいましたら、そうはいかん、と怒っておりました。もちろん決心は出来ないわけですから、憩ったからといって何がどうなるものでもありません。
話は変わりますが、商店街組織の長は宛て職でいろんな役職につくことになっていることが多いと思います。宛て職の方は責任もなく行政などが事務局だと業務もスムースに流れて気持ちがよい、組合よりもそっちの方が面白い、分厚い壁にぶつかっている商店街の仕事には身が入らない、というのは困ります、そういう人は組合の「宛て職専門担当」になってもらって第一線はバリバリの若手に譲るべきかも知れません。
この時期、理事長と他の役職の兼務なんか出来ませんからね。このあたりは活性化に賭けている意気込みと問題理解のバロメーターかも、です。
余談になりましたが、街ぐるみ転換に向けた取り組み、一日延ばしが許される状況ではありませんからね、ホントの話。
業務の選別
恒常業務は戦略業務を駆逐する、常連の方にはおなじみの言葉です。
店主兼販売員という仕事をしていると、営業時間中は間違いなく販売員のルーティンワークが優先します。だって、お客や取引先が来たら何はさておき対応しないことには売上げが作れませんから。
他方、経営者としての仕事というのは、一言で言えば1年先以降の売上げをどうやって作るか、ということを考える仕事です。
経営者としての仕事の特徴は、
@今日一所懸命やったからといって明日の売上げが好転することはない。
A今日やらなかったからと言って明日の売上げが激減することはない。
という性格を持っています。ただし、
Bやっておかないと1年先の商売のめどは全く立たない。
ということでもあります。
また経営者の中には、1年先のことより目先の売上げだ、ということで
恒常業務の改善をもって売上げ増を実現したいという考えもあります。
業績不振のスパイラルのまっただ中にあってこういう気持ちになることは無理もないことです。
しかし、では、恒常業務をどのように改善すると業績が改善されるか、ということになると五里霧中のはずです。せいぜい、チラシを撒いてみる、ポイント○倍セールを奮発してみる、といったところでしょうか。バブル期までは店舗改装という手がありましたが、もはやそういう気概は失せています。
この時期何よりも大切なことは、大きく戦略を描き、具体化は恒常業務のなかで出来ることから積み上げていく、ということです。短期の業績が戦略的な方向付けに左右される、というのが転換期の特徴です。
まず、自分のお店はこれまで何をもって地域(顧客)に貢献してきたか、その貢献のありかたは今後もずうっと通用するのか、ということをしっかり分析・評価して、新しい永続可能な「貢献の形」を見出し、作りあげていく。恒常業務はその一環に位置付けること。そうしないと恒常業務=日々の売上げを確保していく、ということができません。
商店街組織にも同じことが言えます。
イベントやポイントカードなどのルーティンワークに頑張るのも結構ですが、「モールへの転換」を見通し、積み上げが出来る形の事業にしていかないと、年々歳々、同じことをくり返しながら成果は全く積み上がらない、「賽の河原」の石積みになってしまいます。
現下、やらなければいけない仕事は、商店街について「こうすれば将来にわたって繁栄することが出来る」という方向と方法を見出し、組合員が共有すること、これまでのような、組合=共同事業、個店の繁盛=個店の仕事という分担はもはや通用しません。
組合の役割も大きく変わらなければならない時です。
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