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S035■TMOの改革
2002/11/19(Tue)

 TMO、順調に進んでいるところでは、立ち上げが終わって既にいくつか事業が始まっています。早いところでは既に一期目の事業は終わり、二期目のメニューに入っているところもあるようです。そういうTMOはいわば順風満帆と言うことになります。

 ところで、TMO事業が完了した、あるいは軌道に乗った結果、肝心かなめの商店街の様子はどう変わったでしょうか? 全体として以前と変わらない、ところによっては以前よりも衰退が進んだ、というところだろうと観測しています。その根拠についてはおいおい述べますが、全国的に相当のエネルギーを費やしてスタートしたTMOですが、その着実な活動にも関わらず、所期の目的実現に役立っていないとは・・・。

 実はこの背景にはTMOの役割についての恐るべき誤解があるのです。
この誤解が分かれば、現在のTMOの不具合な点が一発で理解され、さらにどう改革すべきか、ということもたちどころに分かります。

TMOの目的

 『TMOマニュアルQ&A』(中小企業庁 平成12年)では、TMOは、
@中心市街地の商業亭全体を一個のショッピングモールと見立てて、総合的な計画を作り、
A計画に基づいて運営管理を行う機関
とされています。

 TMOの役割は、TMO事業(小売商業高度化事業)を推進するばかりではなく、もっと幅広く、中中心市街地の商業地全体(以下「中心商店街」と呼ぶ)の活性化を推進する、唯一の機関です。特に「ショッピングモール」というこれまでの「中活法」関係では使われたことのない概念が使われていることに注意してください。

 このサイトにいつもおいでになっている皆さんにとって、ショッピングモールという概念は珍しいものではないはずですから、ここでは説明は省略します。

 TMOは、中心商店街のショッピングモールへの転換を計画し、実現に向けた取り組みを管理していく、というのが基本的な役割です。マニュアルなどにはさらに具体的な業務が例示されていますが、それらはみな「ショッピングモールへの転換」という業務の一環だと考えてください。

 そこで問題、皆さんのまちのTMOは果たしてそのような役割を担う機関だということをしっかり理解した上で作られているでしょうか?
中心商店街はショッピングモールへの転換に計画的に取り組む、TMOはその取り組みの全体を管理運営するということですが、皆さんのTMOは実際のところ、そのような体制になっているのでしょうか?

 ショッピングモールへの転換という事業は、いわゆるTMO事業だけで実現できるものではありません。当然のことですね。モールへの転換にはテナントミックスの整備、既存個店の転換という難しい事業が含まれています。
このような困難な事業に取り組んでいく体制がTMOに整備されているでしょうか?

 ほとんどのTMOがその機能を備えていないと思います。それでは中心商店街のモールへの転換を誰が推進するのでしょうか?
推進者不在、というのがほとんどの都市の実状です。これではせっかくのTMO事業が着々と進んでも商店街の活性化は実現できません。

転換の取り組み

 結局、中心商店街活性化のもっとも基本的な取り組みは、「ショッピングモールへの転換」です。このことに全く疑問の余地はありません。

 次に、モールへの転換で大事なことは、「個店の転換」です。TMOの仕事してモールのテナントミックス(店揃え=品ぞろえ)がありますが、これは空き店舗を利用して商店街に不足している業種を誘致するということを意味するものではありません(これも大事なしごとであることはもちろんですが)。

 商店街に立地している店舗を出来るだけ多く、モールの「テナント」にふさわしい業容(ありかた)に転換させることが必要です。このことができなければ商店街が活性化する=立地するお店が繁盛する、個店の魅力の相乗効果が発揮される、ということは実現できません。

 モールへの転換という仕事の根本を受け持つTMOの役割が当初考えられていたよりもずうっと大きく、重いことが分かってきました。
特に、今すぐ着手しなければならない個店対策とモールへの転換をどう結びつけていくのか、どのような体制で取り組んでいくのか、TMOだけではなく、都市全体が今まで経験したことのない課題に直面しています。

理論武装の欠如

 ここで課題はどうしても活性化事業を推進していくための理論が整備されていない、ということです。理論が欠如しているために、何をやるにしても何のための事業か、平行してまたは前後してどのような事業を行わなければならないか、などということはあまり意識されずに単発の事業を繰り返したきた、という実態はこれまでもたびたび指摘してきました。ここでも理論の欠如がTMOを中心とした新しい取り組みを阻んでいます。

 TMO、商店街組織、行政の三者があらためてショッピングモール(以下単にモール)への転換の計画〜実践についてスタートラインに着かなければなりませんが、@肝心のモールについての理解が乏しい、A既存個店の転換の必要性が十分認識されていない、Bしたがって実践の筋道が立てられない、という状態のはずです。

 商店街が今取り組まなければならないことは、モールへの転換の行動計画を作ることであり、その準備としての理論武装です。この作業にどう取り組んでいくのか、あるいは取り組みへの機運をどうやって盛り上げていくのか、今、多くの都市が直面している課題はここにあります。
現在取り組んでいる活性化事業には、商店街の活性化に向けて全体としての事業ミックスを設計し、実践していくための理論的な基盤がほとんど作られていないと思います。このことを率直に認め、理論整備・共有に向けて行動をはじめることが、この時期、何よりも大切なことです。

(くどいようでうが、理論武装を抜きにして商店街活性化が実現できる、などということは絶対にありません。このことはしっかり理解しておきましょう。)

 当サイトにお越しの皆さんは既に重々承知されていることですが、これまでのしがらみがあり、新しい路線の提案が難しい都市も多いことでしょう。提案に待ってましたと全体の動きが大きく変わるというような僥倖は有り得ないでしょう。しかし、もう躊躇する時間はほとんどありません。 このことが分かっているだけに口惜しい思いをしている人も少なくないことと思います。

理論武装の課題

 はっきり確認しなければならないことは、商店街の状況はまことにすさまじく、正しい取り組みへの着手が一日遅れれば遅れるだけ事態・問題は厳しく難しくなるということが明らかなのに対して、活性化を推進する体制が全くこの状況に対応できない、という現在の状況です。
 もはや歯に衣着せた遠回しの問題指摘では間に合いません。

 TMOあるいはそれに準じる組織(以下TMO)が、この時期に至ってもなお中心市街地活性化の的確な方針を出せないということは、明らかにTMOの意志決定システムに問題があるのではないかと疑ってみることが必要です。
 問題は、@意志決定に必要な情報が間違っている、A情報は正確だが意志決定の能力が備わっていない、B意志決定は出来るが遂行能力が欠けている のいずれかにあると思います。このうち、最大の問題はA、意志決定能力は的確に備わっているか、ということです。

 Aがしっかりしていれば、@はカバーできます。商店街を一度でも歩けば情報の確度はたちどころに確認できるはずですからね。Bについてはいろいろ問題が複雑ですが、Aがきちんとしていればとりあえず正しい方向への転換をスタートさせることは出来るはずです。
 逆に、Aの能力がしっかりしていないと、@やBがどんなに優れていてもその能力が活用されることは不可能です。

 こうしてみると、中心市街地活性化の取り組みが上手くいかない原因としては、意志決定という部分に問題が集中しているのではないかということが浮かび上がってきます。もっと端的に言えば、意志決定過程、特にその叩き台つくり段階の企画・業務を担当するTMOをはじめ関係機関の事務レベルの責任者の態度・能力が問われているということです。

 ここでいう能力とは、一般的な能力がどうか、頭がいいとか悪いとかということではもちろんありません。当事者が中心市街地活性化を推進していく責任者として適切な情報処理のフレームを持っているかどうか、ということです。これは中活法のスキームを把握している、という「タウンマネジャー」レベルの能力では不十分、スキームを運用していく環境についての理論(中心商店街の現状〜活性化を説明する)を装備していることが必須条件です。中活法のスキームだけでは活性化の方針は出せない、背景知識が必要であるということは当サイトへおいでの皆さんには十分理解されていることと思います。事務再度のトップがこのような認識を持ち、かつ、適切な理論・知識を持っているか否か、ということが大きな問題だということが鮮明になっているわけです。

 商店街活性化というこれまでほとんど成功事例のない事業への取り組みにあたっては、それぞれの都市で自分たちの取り組みを組み立てる・推進するための「仮説=一体的推進の目標」を必要です。もちろん、目標は単なる思いつきではなく、商業理論、組織理論、都市の諸条件を踏まえて作られていることが必要です。皆さんはきっと耳にたこ状態でしょうが(W

 TMOの責任者は、自分が中核となって事業全体の目標を立て、各セクションにブレイクダウンさせていく、実践の組織化を推進するという仕事について計画し、関係者を集めて意志決定を行い、組織を動かしていく、という仕事を受け持っています。
 自分が担当している仕事がきちんと理解されているか、仕事を推進するために必要な情報・知識・技術を備えているか、ということは事業の推進にとって大変重要なことは言うまでもありません。
 ここのところに課題がある、補佐する立場の人たちを含めてキーパーソンとして当然備えておくべき能力が十分ではない、ということがあるとすれば大問題ですね。いま、ほとんどの都市で子鬼問題があるために事態の打開が進まない、活性化への事実上の取り組みがスタートしない、ということではないでしょうか。

 ここまで事業が進まない、進んでも成果が挙がらないということになれば、TMOの実務責任者が責任者として必要な能力を装備していないのではないか? 多くの都市の事業が進展しない原因はここにあるのではないか、という疑問が起きてくるのは当然です。
理論武装、まず最初に必要なのはTMOの中核をになう人たちではないでしょうか。

 問題は、この人達にそのことを自覚してもらい、理論修得の機会を共有していくことですが、私の経験ではTMOの責任者が自ら理論武装を思い立つということはなかなか難しい。TMOの責任者こそが事実上のタウンマネジャー、ショッピングモールへの転換及びその運営の責任者ということですが、果たして当事者にそのような自覚があるかといえば、これはもう全然ない、という状況ですね。

 さて、TMO体制を動かすにはどうしても避けて通ることの出来ないこの課題ですが、どのような対応が考えられるでしょうか。
もちろん、ケースバイケースであることは言うまでもありませんが、私の経験などを踏まえながら若干述べてみたいと思います。

問題の再確認

> 問題は、この人達にそのことを自覚してもらい、理論修得の機会を共有していくことですが、私の経験ではTMOの責任者が自ら理論武装を思い立つということはなかなか難しい。TMOの責任者こそが事実上のタウンマネジャー、ショッピングモールへの転換及びその運営の責任者ということですが、果たして当事者にそのような自覚があるかといえば、これはもう全然ない、という状況ですね。

タウンマネージャー、『中活法』のスキームでは2種類。
1.TMOの事業のうち、補助・支援制度の知識・技術を習得しているもの
2.中心市街地活性化関連事業のうち、再開発、高度化、イベント事業など
従来型の事業の支援経験を有するもの

 端的に言って、これらの「タウンメージャー」に期待されていることは、タウンマネージャーのアシストタントです。ショッピングモールへの転換という「一体的推進の目標」をかかげ、地元の実状に即して転換の戦略・計画を立案するプロセスをリードする、転換計画の実施を統制する、という機能は、「中活法」スキームの「タウンマネージャー」に期待することは無理です。彼らの役割はタウンマネジャーのアシスト、タウンマネジメント業務の遂行とその支援です。一部ではタウンマネージャー業務をこなしている「タウンマネージャー」があるかも知れませんが、それが効果的に機能するのはTMOトップがタウンマネジャー制度をしっかり理解している場合に限られるでしょう。

 タウンマネージャー個人が担う実務のアシストは当社のような専門コンサルタントが担当するわけですが、その前提としてはやはりなんと言っても事実上のタウンマネージャー、TMOの事務レベルのトップが自分の職責と機能、自分は何をやらなければならないのか、ということをしっかり理解しておくことが必要です。

 どうしたらタウンメージャーさん(本人は自分がタウンマネージャーだとは夢にも思っていませんからね)にこのことを自覚させることが出来るでしょうか? 中心商店街活性化、問題はとりあえず「中活法」のスキームの枠外、スキームを活用するための前提条件の整備というレベルにあるということになります。
 もちろん、この課題はこの掲示板の常連の皆さんを中心にごく少数の人たちが直面している課題、その他大勢の関係者は全然違うことを考えている、というのが現実です。


> さて、TMO体制を動かすにはどうしても避けて通ることの出来ないこの課題ですが、どのような対応が考えられるでしょうか。
> もちろん、ケースバイケースであることは言うまでもありませんが、私の経験などを踏まえながら若干述べてみたいと思います。

 次回、あらためて考えてみますが、ご承知のとおりなかなか難しい問題ですが、対策が無いわけではありません。 

TMOに対する誤解

>『TMOマニュアルQ&A』(中小企業庁 平成12年)では、TMOは、
> @中心市街地の商業亭全体を一個のショッピングモールと見立てて、総合  的な計画を作り、
> A計画に基づいて運営管理を行う機関
>  とされています。

>  TMOは、中心商店街のショッピングモールへの転換を計画し、実現に向けた取り組みを管理していく、というのが基本的な役割です。マニュアルなどにはさらに具体的な業務が例示されていますが、それらはみな「ショッピングモールへの転換」という業務の一環だと考えてください。

 結局、このことが十分理解されていない、というところに商店街活性化が全く進まない理由があるのです。

 それはそうでしょう。問題を解決しようというときに「それをやっても解決につながらない」仕事をいくら念入りにやっても本来の問題は解決できません。中心商店街活性化=ショッピングモールへの転換が唯一の方向・方法だということが理解されると問題は一挙に具体的になります。現状からどうやってモールを実体化していくか?ということですね。

 ところが実際は活性化の方向・方法が全く分からない、さらに極端な場合には、中心市街地活性化には活性化を実現していく仕事全体が目指す方向・方法を定めなければ事業は出来ないのだ、ということさえ分からない、という状況のままにありながら、活性化事業に取り組んでしまう、TMO構想に掲げた事業について、をやる気になった街区から順番に消化していく、という都市もそこここに見かけられる。こういう手法は活性化には全く効果がないことは皆さんには言う必要のないことですが・・・。

 TMOはタウンマネジメント機関であり、我が国の現状ではタウンマネジメントとは「ショッピングモールへの転換」を意味します。(このとき、「ショッピングモール」とは当社が定義するラグジュアリィモールであり、モールっぽく街並みを整備する、などというごまかしではありません。)
間違っても「TMO=TMO構想に掲げる事業を推進する・あるいはそれらを企画・調整する機関」などと考えてはいけません。
もし、そういう具合に考えるとすれば、(過去にも申しあげたことですが)実際にモールへの転換という業務を推進する機能・組織を別途立ち上げることが必要です。

 TMOの機能は何か、結局、ここのところに大きな誤解が生じる条件がありました。

 TMOは「モールへの転換」の推進が組織目的なのに、認定要件がTMO事業=小売商業高度化事業構想を策定・提出した組織ということでしたから、
@自治体が基本計画を作った後、Aとりあえず商工会議所が窓口となり、B各商店街にも希望をつのって高度化事業対象プロジェクトを決定、C対象事業を組合、TMOに区分したら、TMO分は施設取得と連合組織対象のソフト事業だけ、D何だ、TMOの仕事って企画調整だけじゃん、E会議所でやれば ということになっているところが多い。三セクを立てたところは、施設取得などで相当のビッグプロジェクトを企画した場合でしょう。この場合もTMO=モール運営という位置づけはされていないはず。

 中心市街地=中心商店街活性化を推進する上でいわば鳴り物入りで登場した組織=TMOの役割について根本的に誤解が生じていうわけですから、せっかくのTMOが本来の機能をほとんど果たしていない、したがって活性化も(TMO事業の進展状況に関係なく)全く展望が見えていない、というのはある意味、当たり前のことですね。
 この誤解を訂正しTMOを本来あるべき姿に再生させる(生まれたばかりの組織を再生というのも難しい話ですが)、というのがこの掲示板に集う皆さん共通する緊急・かつ重要な課題です。 


※以下、余談です。

 「中活法」のスキームを一覧するだけではなかなか「モールへの転換」が「一体的推進の目標」であり、TMOが行うタウンマネジメントとはモールへの転換の推進だ、という骨格が理解できないかも知れません。
(他方、「一体的推進の目標=モールへの転換」ということを念頭に置くとスキームの全体がすっきり理解できますね。)

 当社は「中活法」制定以前から「モールへの転換」を提唱しており、既に平成6年にある商店街の活性化ビジョンで現在提唱している通りの「ショッピングモールへの転換」を提案、採択されています。スキームに先行してモールへの転換という視点があったからこそ、中活法スキームの活用が他の組織に先駆けて提案出来たわけですね。

 今後、当社の周囲では当社と類似した方向を打ち出すところが増えてくるだろうという観測がありますが、それは大変結構なことです。中心商店街のモールへの転換は同時多発的に取り組まれないと間に合わないと考えていますので、雨後の竹の子のようにモールを目指す提言があった方がよい。
 ただし、注意しなければいけないのは、モールへの転換の最大の要点である「個店の転換」について、どのような具体的な支援をすることが出来るか、ということです。これからの中心市街地活性化支援の基準は「個店の転換」についてどのような具体的な取り組みを提案できるか、プロセスでどうアシストできるか、ということですから、「いいこと聞いちゃった」と思われる同業者各位は是非「個店の転換」レベルの支援ノウハウを携行して営業してください。(W

TMOの課題

『中心市街地活性化実施計画』の作成

 「中活法」のスキームとしては、
『基本計画』−『TMO構想』−『TMO計画』
という流れで理解されていることでしょうが、これでは中小商業高度化事業の実施に偏ってしまいます。「一体的推進の目標」を実現していくための取り組み全体の計画(スケジュール化)が必要です。

 当社はかねてから商店街単位での「行動3カ年計画」の作成を提唱してきましたが、これは本当はTMOによる「行動計画」の一部に位置付けられるものです。TMOが十分機能していない場合は、(緊急を要するため)商店街単位での取り組みにならざるを得ませんが、スキームから行くならばもちろんTMOの実施計画と連動させることが必要です。

 TMOの行動計画つくり、もちろん「中心市街地内の商業集積のショッピングモールへの転換」の計画であることはいうまでもありません。
この計画つくりに向けてTMO及び関係団体の意志を統一し、作成作業に入っていくことが必要ですが、まずはそのための根回し、ということがTMOを担当する皆さんの課題です。

 ここでキーマンはTMOの実務トップとなるわけですね。

TMOトップ

 各地のTMOの責任者都市の職位にある人が果たしてTMOについてどの程度の理解と任務を遂行する上での技術を持っているのか、というともちろん多様でしょうが、誤解を恐れずひとまとめにしてしていえば、職務を遂行するために必要な知識・技術はおそらく不足している、と思います。

 ショッピングモールの実現を目指す、それも既存商店街に立地する個店群の自助努力による転換を基本として、という当社の主張は絵に描いたようなきれいな主張ですが、いったん取り組みをはじめるとなかなかきれい事だけでは済みません。取り組みに意欲的な店主と中間派、取り組みに消極的なお店、と3分割されることは容易に想像できると思います。このとき、合意形成とか商店街の総意とかのお題目を唱えていたのではまず前進することができません。

 国の中小企業施策の基本は「意欲のある企業を支援する」ということです。商店街についても意欲のある商店街を対象にすることが明らかにされています。これは現場では「商店街の意欲的な部分」ということにならざるを得ません。もし、商店街が新しい取り組みについて、総意をもって取り組む(という決議をすることは当然ですが)ということをたてに、前進を躊躇するようなことがあると、せっかくの意欲的な人たちまでつぶしてしまう音になりかねません。

 この時期、行政や会議所、TMOなどは商店街の改革に取り組む意欲的な(たぶん)少数派を断固として支持することが役割ですが、そういう態度をとれるかどうか、TMOトップの姿勢に左右されることが多いようです。
TMOトップが当て職というありかたにとどまり、中活法のスキーム、とりわけショッピングモールへの転換についてしっかりした理解がないととても事業は進みません。関係者には一番頭の痛いところ、という都市もあるかも知れません。