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S034■うちだけは生き残りたい!「個店不沈の法」を求めて
2002/10/15(Tue)

と怪しげなことを考えている商業者もあります。
商人塾のメンバーなどは、街がダメになっても自店だけは何とかなる、ダメでも自分にはノウハウが残る、一生の財産だと割り切っている人が時々います。私は大賛成、活性化への取り組み、これくらいの気持ちでちょうど良いと思います。「みんなは」などと回りばっかり気になるようなら活性化など諦めた方がよいくらい。

 ということで「回りは沈没しても自店だけは沈まないの法」略して「個店不沈の法」みんなで考えてみましょうか(W


沈まないためには・その1

「沈まない」ことが目標になるのは、

@回りがどんどん沈んでいる
Aこのままだとうちの店も沈んでしまう

と予測されるからですね。

沈まないためには、まず、
★沈みそうもないところに移動する
ということが考えられます。「立地移動」と言うわけです。

 しかし、この時期、立地を移動すれば沈まなくて済む、と言うことはありません。第一にそういう立地はどこにもないし、第二にもし別の立地を活かした商売が出来る人なら今の立地でも何とかやれるでしょう。今の立地=商店街で沈みつつある人がよその立地でうまくいく、とはちょっと、余りにも虫のいい話です。

車社会のもの余り&店余り時代、立地の考え方は大転換が必要です。

まずは、現在の立地を前提に考える、と決意することです。
決意する、とはこのことについては今後あれこれ悩まない、ということですからね。これからは何があっても立地のせいにはしない、これが現立地で何とかする=商売の場所として現立地を選び直す、ということの意味です。

☆沈まないための第一歩、それは現在の立地を商売の場としてあらためて選択する、ということです。


 立地は変えないで、つまり「沈み行く(かもしれない)」商店街のなかで「うちだけは沈まない法」に挑戦するわけですが、さらに条件を提案します。

「店舗にお金はかけずに済ませる」
いかがですか?
現状がどんなお店でもそのままで結構、店舗にはお金はいっさいかけずに「沈まないの法」を見つけだしましょう。また、店舗にお金をかけない、と言うことはつまり、「売り場の面積は変えずにすませたい」となります。

立地は変えない、店装・売場面積も現状のままで「沈まないの法」を考えるわけですが、さらに、

「駐車場など必要ない」というのも付け加えておきましょう。

いかがですか、これで自店が沈まないで済む方法があるならやってみよう、となりますか?

そうそう、「沈まない」とは、@これからずうっと繁盛する A必要なら店舗にお金をかけられるようになる B将来が楽しみ という状況になることです。これだと沈みませんよね?

※問題に取り組むときは「白紙」で取り組んではいけません。
「したくないこと」「したいこと」ヲできるだけはっきりさせた方が考える範囲が狭くなって知恵が出やすくなります。白紙で考える、というのは自分の人生に関するものごとをちゃんと考えたことのない人の寝言(W

立地はこう考える

 いつだったか、ある商店街に隣接する工場跡にショッピングセンターが進出することになり、対策の勉強会に呼ばれました。ショッピングセンターへの車客は商店街内を通過することになる立地条件です。「通行するお客のうちいくらかは商店街にも寄ってくれるだろう」という話に私は次のようにいいました。

 「ショッピングセンターの立地はどこでも同じ、お客はショッピングセンターに行き来するのが目的、途中が田圃だろうとあなたの商店街だろうと関係ない、寄り道することは有り得ません。」でしょ?

 「自店だけ不沈の法」を実行するには、周囲のお店を意識してはいけません。上の例と一緒、田圃の真ん中に自分のお店だけがぽつんとある、と考えること。つまり、立地を「商店街」とは考えないこと。

 したがって、集客は自分でやる、ということになります。

 つまり、お客から見た「来店目的」、お客が田圃の真ん中にあるあなたのお店にわざわざやってくるだけの理由を作りあげることが必要になります。

 お客が来店するのは、店内にわざわざ来店するだけの理由が作られているからです。いつも申しあげているとおり。
商業集積に属していない単独店舗にとって立地とは、
ターゲットにするお客のからみて、

@分かりやすい場所であること
A出かけるのに苦にならないこと

の2つの条件です。

立地条件を改善するとは、上の二つの条件をお客から見て、アクセスしやすく工夫するということになります。
商店街立地の場合、アクセス道路、駐車場、街区内の周辺環境などなど、いろんな問題があると思いますが、それらはけして絶対的な条件ではありません。創意工夫すればクリアすることができる条件ばかりです。

駅前立地専門のヨドバシカメラは、通行客数頼りに出店しているわけではありません。駅の乗降客にアンケート調査して立地を選んだわけでもありません。商圏(自店がマーケティング活動を展開しようと考える範囲)内のぜんざい顧客から見て、
@良く知られている場所
A出かけるのが苦にならない場所 ということで駅前立地。
わざわざ出かけるのに都合がいい=駅前です。

消費者金融が駅前にひしめき合っているのも同じ理由ですね。

お客はこう考える(1)

 沈み行く立地で沈まないためには、自分のお店はあたかも田圃の真ん中にあるかの如く考え、自店の努力でお客に来店してもらう、という仕事が必要です。といっても「自店の努力でお客に来店してもらう」というのは、立地の如何に関わらず全ての小売店に共通すること、小売店の日々の活動の目標そのものですね。

 それにしても「もの余り」、「店余り」が誰の目にも疑えなくなっている今日、あまたある類似のお店から自店を「お金を使いにわざわざ出かける」行き先として選んでもらうのは並大抵のことではないはずです。ましてあなたのお店は孤立無援・田圃の真ん中にぽつんとあるわけですから、その努力も他の立地とは比較にならない難しさがあることはすぐに理解できます。

 田圃の真ん中の一軒家的店舗で繁盛する、そのためにはこれはもう、お店にあの手この手の仕掛けをする以外に方法はない。そうしておいてなんかのきっかけで一度来店したお客をしっかり「確保」することが目標になります。「お得意さん」を作っていくわけです。

 店主の気持ち的には、「出来るだけ多くの人に選ばれ、その人たちがしょっちゅう来てくれる、来るたびにあれこれ買ってくれる」というお店になりたいところです。これは絶対的に正しい願望であり、絶対に妥協してはいけない目標です。このことを忘れると、田圃のなかのお店はたちまち商店街のなかのone of themに舞い戻ることになります。

 さて、小売業永遠の目標の一つ、「出来るだけ多くの人に選ばれる」ですがこれをどう考えるか、というところから商売のありかた・行く末に雲泥の差が生まれてきます。

 「出来るだけ多くの人に選ばれたい」、小売業者なら誰もが目指すわけですが、たいていの人が取り組み方を間違っています。

 出来るだけ多くの人に来てもらうためには、いろいろなタイプのお客向きのアイテムをあれこれ揃えておくことが必要だ、というのが間違いの元です。こういう考えかたでいろいろな商品を集めると、幅が広く奥行きの淺い品ぞろえの店になってしまいます。一見、バラエティ豊かな品ぞろえのように見えるのですが、いざ、買い物をしようとすると極端に選択できるアイテムが無い。これは量販百貨店(ダイエー、イオンなど)の靴売場が典型です。100坪以上の売場ですが、ここで25a、黒、一文字、ひも付きなどと好みで見ると該当する靴は1,2足しかありません。これは一度しっかり確認してください。量販百貨店の正体が一目瞭然になります。

 100坪の売場で選択の幅が2足しかない、これが「出来るだけ多くの人に
選ばれたい」という正しい願望の実現に間違った方法を選んだ結果です。
一度行った人は「広くていろんなアイテムがあるが、自分に合うアイテムはほとんど無い」と評価することでしょう。恐ろしいことに、この評価が、全てのタイプのお客からく出されるわけです。「色々あるけど私が行くお店ではない」・・・。

 皆さんのお店もひょっとしたらこういうことになっているのではありませんか? こういう方針の品ぞろえでは「出来るだけ多くの人に選ばれたい」という願望は実現できません。

 それではどう考えれば良いのでしょうか?

「出来るだけ多くの人に選ばれたい」には訳があります。

売上げ=客数×客単価 という数式です。売上げをアップさせるには出来るだけ多くの人に買い物の場として選ばれることが必要だ、ということですね。そしていろいろな人が少しずつ住んでいるから、いろいろな人向けの商品を揃えておく、ということになります。これでは売り場がどんなに広くても足りません。前回、量販百貨店の靴売場の例で見たとおりです。
商店街に限らず、一部ブティックなどをのぞく小売店のがほとんどが「客数の神話」に惑わされ、めちゃくちゃな売場を作っているのです。
お客から見れば自分が買い物する行き先としての条件が揃っていないために足が向くことはない、客数は増えません。するとまた、品ぞろえの幅がまだ狭い、と思いこんでさらに広げることになる。売場の面積は変わりませんから品ぞろえはさらに薄くなります。いくら幅を広げても来てくれるのはおなじみさんだけですから、広げた分はほとんど回転しません。店内は失敗在庫(売れ残りではなく、仕入れの失敗)の山です。

 売上げ=客数×客単価というのは間違いではありませんが、さらに考えてみますと、客数というのは実は来店客数であり顧客名簿に記載されている数でも新規来店でもありません。
一ヶ月単位の来店客は次のような構成になっています。

○月来店客数=得意客来店回数プラス新規客数

来店客数というのは得意客の来店回数と新規顧客獲得数を合計したものです。このことを良く理解してください。
そうすると、客数アップの方法としては、@得意客の来店頻度を高める A新規顧客を獲得する、の二つの方法しか有りません。

 このうち、我々が毎日の店づくりで顧客満足を創り出そうとする、努力して反応が得られやすいのは、得意客ですか、それとも新規顧客ですか?
自店にとっての新規顧客というのは、ほとんどが既にどこかの得意客であることが多い。今の時代にあなたの業種の買い物で行き先が全く分からない、という人はほとんどいませんからね。こういう人を狙って狭い売り場に新しい商品ラインを増やすというのは勧められません。

 次に売上げを左右するもう一つの数字、客単価を考えてみましょう。
客単価=買い上げ商品点数×平均商品単価 ですね。
客単価を上げるには、@買い上げ点数を増やす A商品単価を上げる の二つが考えられます。このうちAについてはこの時期余り一般的ではありませんから、@を目指すことになります。

 そうすると、売上げを確保するためには、得意客の来店頻度を向上させる、買い上げ点数を増やす、ということを目指します。(後ほどまた触れますがこれは新規顧客獲得にも有効な方法です。)

 専門店は「お客にしょっちゅう来てもらい、来るたびにあれこれ買ってもらう、次に買いに来る商品も決めておいてもらう」ということを実現しなければならないのです。そのためには、当店はどういうお客が何のためにやってくるところか、ということをしっかり決める、そのお客の生活・購買行動の論理で店づくりをする、ということが不可欠になります。

 お客は誰かということを決めることの大切さ、理解されましたね。 

お客を選ばないとお客に選んでもらえない

 大切なことは、商売の目的です。
これは個人的にはいろいろあるでしょうが、商売として考えれば、商売を続けていくために必要な「経費」が「粗利」でまかなえること、です。)このことはよ〜く覚えておいてくださいね。

 とりあえず、商売という事業は売買差益を得ることです。
売価−仕入れ原価=粗利ですね。この粗利が大活躍するのが企業経営です。
まず営業経費、販売にかかった費用です。もちろん、店主以下の従業員給
与も含みます。自店の元帳を見ればどんな費用がどれくらいかかっている
か、一目瞭然のはずです。

学者のなかには企業経営の目的は利益だ、と考えている人もありますが
これは全く間違いです。この話は長くなりますからいずれ機会を見て。
「利益」というのは、会計ルール上、あなたが自由に出来るお金ではありません。「経営を存続するために将来必要になる経費のうち、今期準備するもの(出来たもの)」と考えることが出来ます。利益=売れ残り在庫だったりすると大変、利益が上がれば経営はうまくいっている、と考えるのは大間違いですからね。

元に戻って。
企業活動の目的は、必要経費を「粗利」でという形で確保するです。
計算式では次の通り

粗利=売上げー仕入れ原価
  =売上げ×粗利率

したがって、必要な粗利を確保する方法は、
@売上げを確保する
A仕入れをコントロールする
B粗利率をコントロールする
のいずれかになりますね。多くの場合、この3つの方法を組みあわせて達成することになります。

ここで大事なことは、必要粗利=粗利率ではない、と言うことです。
粗利確保を販売価格のコントロールで確保する=薄利多売というのは短期間しか成立しません。特に商店街立地の専門店が狙うべき方法ではないことは言うまでもありません。アーケードに薄汚れた平台を出して売れ残りを並べても粗利確保のにはつながりません。

タイトルは「お客」ですが脱線しました。
項を変えて「お客を選択する」を書きましょう。

なぜ、お客を選ぶのか

理由第一
 
 店あまり、ということ。お客にとって、店が有り余っていると言うことは良いことのようで実際は困ったことです。
店はたくさんあるのですが、本当に自分の気に入ったお店=自分の生活を作るための材料を揃えて提供してくれるーとなるとなかなか有りません。
とりあえず間に合わせなら、タンス在庫やディスカウントで間に合わせるわけですが、これは怖い。だんだん、生活を楽しむ、という積極さが薄らいできます。今の日本は全国がそういう傾向になるといってもよいと思いますが、せっかく作りあげたラグジュアリィ社会、このままではだんだんグローバルスタンダードに落ち着いてしまいそうです。グローバルスタンダードの生活水準はもちろん、日本の水準以下ですからね。そこまで落とすと日本のとりわけ中小メーカー、問屋、中心商店街の存在理由は消滅します。

 中心商店街に立地する皆さんんのお店が生き残り、勝ち残るためには、ラグジュアリィを基準にした店づくりを実現する以外に有りません。そのためには「誰が何を目的に来店するのか」というお店のテーマをしっかり決めること=客相・モデルを決めた店づくり、「この指とまれ」といえる店づくりが必要です。

理由第二

 売上げ=客数×客単価 を分析してみましょう。

客数とは、期間内の買い上げ客数ですからお得意客の場合、一人で何人分も
の客数にあたります。得意客が10人にいて月1回来店したもらえば客数100ということになります。

客単価とは客数一人あたり平均買い上げ単価です。これは商品単価だけではなく買い上げ点数に関係します。

こうしてみると売上げを確保するには、お客に何度も来店してもらいその都度いろいろ買ってもらう、ついでにこの次来店するときに買う商品も決めてもらう、ということが大切になります。

これまでの店づくりの常識=業種店発想でこの条件をクリアするのは難しい。いろんな人が住んでいるからいろんな傾向の商品を少しずつ、というパターンでは誰から見ても満足できない貧相なお店になってしまいます。

来店頻度を高める、買い上げ点数を増やす、というあるべき方向を実現するためには「商圏人口」などは無視して「標的客相」をしっかり決めて、この客相の「生活」から品ぞろえを決めていくことが大切です。

ケヤキの火鉢小売価格20万円、があったとします。
この商品はどこで扱うべきですか? たしかにラグジュアリィですが、価格が高いから、ではありません。興味のない人にとっては所得に関わらず不要なものですし、火鉢を生活に取り入れたら楽しそう、と考える人にとっては所得に関係なくたのしいのです。デフレ、不況の合唱ばかりの日本ですが「本当に欲しい商品」を「お金が無いから買えない」という人はごくごく少数です。問題は「欲しい商品」になかなか巡り会えないことのほうです。

お茶店、陶磁器店、家具店、和菓子店等々、火鉢を期間限定で品ぞろえに加えられるお店はいくらでもあります。ただし、客相をきちんと設定し客相から見て「生活に取り入れたい」となるかどうかは皆さんが設定している客相の生活から判断することになります。

客相を決める=堪能を提供するお客を選ぶことは、不沈店舗を目指す時に必ず・絶対にクリアしなければならない課題です。 

品ぞろえはこう考える (1)

「お客についてはこう考える」納得しましたか?

 専門店の経営の基礎は、「お客にしょっちゅう来てもらい、来るたびにあれこれ買ってもらう、次に買いに来る商品も決めておいてもらう」ということですから、品ぞろえも当然この方向で計画します。

 ラグジュアリィニーズは、単品豪華主義やスーパーブランドごった煮ではありません。自分のある生活シーンについて、自主的に「かくありたい」と考えるありかたを実現する・演出し堪能することがラグジュアリィです。
例えば映画の一シーンを作るように自分の生活のある局面を作りあげる、という仕事ににているニーズです。このニーズに対応する品ぞろえは、業種ではなく生活局面を作りあげる「材料」を特定のテイストで集荷して提供する、ということになります。

 このような方向を打ち出してはじめて「お客にしょっちゅう来てもらい、来るたびにあれこれ買ってもらう、次に買いに来る商品も決めておいてもらう」というお店のありかたが実現するわけです。

 品ぞろえは商業者の皆さんがもっとも苦手とされる分野ですね。
ここは念入りに考えてみたいと思いますが、それにしても質問や意見・批判などが欲しいところです。

 何事によらず、どんどん書き込んでいただくとそれだけ内容も濃くなって来ると思いますのでよろしくお願いします。

店づくりはモデルが決めて

>「お客についてはこう考える」納得しましたか?

>  専門店の経営の基礎は、「お客にしょっちゅう来てもらい、来るたびにあれこれ買ってもらう、次に買いに来る商品も決めておいてもらう」ということですから、品ぞろえも当然この方向で計画します。

 品ぞろえに限らず、経営に限らず、難しい問題を考えるときは、「白紙で考える」なんてことをしてはいけません。自分がしたいこと・したくないことをすっかり整理して目の前に置く、全ての条件をクリアする方法を考える、というのが正しい方法です。

 難しいようですが慣れると簡単、白紙で考える方がよっぽど難しい。私など回答が見つからないときはクライアントに「なんか隠しているでしょ」とカマを掛けると「実は・・」とか言われてそれをデータに加味するとたちまち解決策が出てくる、という経験を何度もしています。

 条件全部を目の前にして考え出したアイデアは、目の前の条件を全部プラスに転じてしまう凄い力を持っていることが多い。
 と言うようなことを眉に唾つけながら、でもやってみましょうね。

>  ラグジュアリィニーズは、単品豪華主義やスーパーブランドごった煮ではありません。自分のある生活シーンについて、自主的に「かくありたい」と考えるありかたを実現する・演出し堪能することがラグジュアリィです。
> 例えば映画の一シーンを作るように自分の生活のある局面を作りあげる、という仕事ににているニーズです。このニーズに対応する品ぞろえは、業種ではなく生活局面を作りあげる「材料」を特定のテイストで集荷して提供する、ということになります。

 あるブティックではショップのお客のモデルを決めるとき、いろいろ試行したあげく、あるテレビドラマのヒロイン行きつけのブティック、というテーマになったことがあります。初めは常連客のなかから高額客や高頻度客を宛てようとしましたがうまくいかず、ドラマの主役になったものです。

 で、お店の外装、ショーウインドのディスプレイ、店内のレイアウト、備品、もちろん品ぞろえ全てをそのヒロイン行きつけ、というコンセプトで作りあげました。ドラマは毎回ビデオでスタッフ全員一緒にチェックです。
これはいろんな面で思いがけない効果が出ました。

 意外な効果についてはいずれご紹介するとして、店づくり転換の方法としてモデルを設定・モデルに合わせて店づくりに取り組む、というのは是非挑戦してみてください。とりあえず机の上で良いですから計画してみてください。大変勉強になると思います。

 大切なことは、どうせ、○○は田舎だから、とかどうせ人口が少ないんだから、という理由で初めから無理だと決めつけないことです。どんな理由で住んでいるにせよ、住んでいるところが「買い物に不便だから、住むのによい」という理由で住んでいる人はいないはずです。どうせ・・・、と言いながら皆さんが不便を作りだし・作りだしておきながら「全然売れない、やっぱ人口がなぁ」などと不服をいってたりするとしゃれになりませんね。

>  このような方向を打ち出してはじめて「お客にしょっちゅう来てもらい、来るたびにあれこれ買ってもらう、次に買いに来る商品も決めておいてもらう」というお店のありかたが実現するわけです。

とにかくモデルを作り、モデルのライフスタイル、センスに合わせた店づくりを目指す、もちろん立地する都市の風土なども考慮するわけですが、それは最終段階の微調整です。まずはよその町からの来訪者になんでこの町にこんなお店があるの、私の町にもあったらいいのに、と言われるくらい気合いの入った店を目指すべきです。

> 品ぞろえは商業者の皆さんがもっとも苦手とされる分野ですね。
> ここは念入りに考えてみたいと思いますが、それにしても質問や意見・批判などが欲しいところです。

とりあえず、モデルの必要性について書いてみました。
品ぞろえはモデルが自分の生活の特定の局面を作りあげるために必要な材料について、モデル自身が「光だったらいいな」と考える特性を持った商品を揃えることになります。

疑問や質問、反対意見など何でもどうぞ。

ここは一応転換の実践に役立つことを目指していますので、そこのところ
よろしく活用してください。

>  何事によらず、どんどん書き込んでいただくとそれだけ内容も濃くなって来ると思いますのでよろしくお願いします。

業種的品揃えのデメリット

 業種的品ぞろえとは、一言で言えば、業種問屋からこれまでの業界常識に基づいて仕入れる方法です。仕入れというのは皆さんにとって大変やりがいのある仕事だそうですが(もっとも今となってはそうでもなくなった?)、これから当分、仕入れは辛く厳しい仕事になります。

 さて、業種的品ぞろえとは、業種問屋からうちの客層に合わせて商品を仕入れる、担当者のアドバイスを聞きながら、と言うことですね。最近ではこれは○○さんに、と特定のお客さん向けに仕入れてきたりするのも一部で流行っている。というかブティックなどでは昔からありました。

 業種仕入れの場合、仕入れが「選択の幅」を無視してしまう、問屋のアイテムからピックアップするのではなく、ラインからピックアップするためにアイテム相互の連携が薄くなる、と言うことです。幅は広いが奥行きがない=色々あるがいざ選ぼうとすると選択出来ない=買い物に行くところではない、ということになります。

 業種から業態へ
当社は「業態」という言葉をよそとはちょっと違った意味で使っていますからご注意。業態とは、「ターゲットにするお客の生活局面の論理に基づいた店づくり」を意味します。スーパーマーケットという業態は、「主婦相が献立を作る」という生活に対応する業態であり、コンビニは「今すぐ使いたい商品を今すぐ買いたい」という生活局面に対応する店づくりになっています。スーパーマーケットもコンビニも業種問屋からの仕入れではなく、自分の店のテーマに基づいて商品を集荷しています。

 限定したお客に繰り返し来店してもらい、その都度あれこれ買っていただく、ついでにこの次の来店で買う商品も内定しておいてもらう、というあるべきラグジュアリィニーズ対応のショップの場合、この「業態店舗」の発想からしっかり学ぶことが必要です。
○○専門だから○○についてピンからキリまで揃える、というのは量販百貨店の靴売場のやり方です(ところでダイエー、ジャスコの靴売場、見てきたでしょうね?)。どの分野の専門店であれ、靴売場のマネをしちゃダメですからね。

 あれもこれも網羅したつもりで実際の売場は単に見本的な商品と価格につられて仕入れた量販品ばかり、というのでは売れるはずがありません。

 新しい品ぞろえは、モデルの生活を考えて、うちで買う商品と一緒に買った方がお客にとってリーズナブル、より満足が増す・堪能できる、という商品については業種とかを無視して提供する、と言うことです。お客の特定の生活を構想通りに演出するために必要な材料を揃えて提供する、これが本当の「品ぞろえ」ですね。選択の対象にならない商品は「品ぞろえ」には入りません。ただし、皆さんのお店が「業態」になれ、と言うことではあり真sんからね、このあたりを早合点すると大変なことになります。そういう例も見てきてますからね。

 売り上げ不振に悩んでいるお店は、自店がこおでいう「業種的品ぞろえ」だったな〜、お客から見たら品ぞろえになっていなかったな〜と痛感してください。これで売れるわけがない、と分かってもらうと後は早い(W

業態を目指す時の注意

 現在のお店=「業種店」が対応しているお客の生活を見つめ、その生活(○○すること)に必要な材料を揃えて提案する、というのが「業態」の発想です。

 このとき、大事なことは品ぞろえの中核になるであろう「業種」の品ぞろえの中身です。ここをしっかり吟味して作り直すことが、品ぞろえの業大敵拡張に優先します。現在の品ぞろえプラスライン拡張では「来店目的」がますます薄らいでしまいます。ます、「業種」部分をラグジュアリィ志向でしっかり作り直すこと。拡張については第2段階と考えましょう。

1.ラグジュアリィという視点から現在の品ぞろえを点検する。
2.お店のコンセプトをしっかり打ち出し、コンセプトを象徴するアイテム 群を導入する。(相当思い切った選定を目指すこと)

想定している「モデル」の「生活局面」への提案として過不足のないアイテムを提供する、ということが大切。
新しいアイテム群の導入は必ず挑戦します。

※ラグジュアリィは、「ライフスタイルの提案」ではありませんから、注意してください。「ライフスタイル対応」などという発想では繁盛店は作れません。理由が分からない人は質問してください。 

業態について

業態について、もう少し説明しておきましょう

> 現在のお店=「業種店」が対応しているお客の生活を見つめ、その生活(○○すること)に必要な材料を揃えて提案する、というのが「業態」の発想です。

例えば。
◎スーパーマーケット:主婦相が「家庭内食事の献立を作る」という局面にワンストップで対応する、プラス、このとき同時に済ませた方がお客にとって合理的な買い物・用事も提供する。
注@:主婦相=通常「専業主婦」の役割とされている仕事を受け持つ状況にある人のこと。主婦、女性とは限らない。
Aワンストップ:レジ通過が一度で済むこと。

※用語の定義は自分なりにしっかりつけておくことが大切です。マスコミではダイエー、ジャスコからおらが町のスーパーマーケットまで「スーパー」で片づけていますが、こういう粗雑なコトバの使い方では「戦略」などは立てられません。

◎コンビニエンスストア:「ある商品を今すぐ使いたい・今すぐ買いたい」という生活局面・客相に対応している。客相は同じだが、立地している場所で「使いたい商品」が変わる。

※業態の場合、同じコンセプトを実現しようとすると、ターゲットにする客相の生活のありかたで品ぞろえは変わる、ということに注意すること。

※生活局面:日常生活のある部分。「家庭内での食事」、「仕事」、「社交」、「家事」、「くつろぎ」など様々な区分が出来る。生活局面のうち自分らしく作りあげたい、と位置付けられた部分がラグジュアリィ。
したがって、ラグジュアリィは、○○すること、という「コト」を堪能するための「空間」と「時間」の演出が大切。商品はそのための小道具。

ホームセンター:家を維持する、という生活局面=仕事に対応。

ディスカウント系:生活局面のうち、通常「非ラグジュアリィ」にランクされている部分に対応、ただし、置き換えや補充ニーズなどについては、ラグジュアリィも対象になる。

※小規模専門店の場合、業態を実現することは難しい。
ただし、時計・眼鏡・宝石店が、3種を総合して「高齢者のアクセサリー」という方向に転換すれば、これまでの業種とも業態とも違う新しい方向ですね。

商店街立地の眼鏡屋さんは「老眼客層が眼力?を必要とする局面」に対応することを考えれば、品ぞろえから近視向けを全部外して、老眼=高齢者の読書・書き物・パソコン・ホビーなどに対応した品ぞろえになります。

店舗はこう考える(1)

 基本的にお金をかけないこと。まあ、この時期店舗改装をしようという人はいないでしょうけど。

 念のために言っておきますと、この厳しい時期にお金をかければ何とかなるという商売は、これはもう・全く・無い、と考えてください。お金をかければ売上げが上がる、ならばどんなに楽でしょう、というのが現在〜将来の環境です。お金を使わず・頭を使う、というのがあるべき姿です。待っていました〜、と言いたいところですね?

 店舗についてはなおさらのこと。だからといって汚いまま、というわけにはいきません。

 前回、品ぞろえにモデルを決めて「らしい・品ぞろえ」ということを言いました。お店も全く同様です。モデルが自分らしく演出したい生活分野・局面の材料を吟味・入手するためにわざわざ出かけるにふさわしい、という環境を作りあげることが課題です。

 まずは外装=ファサードから。しいて日本語に直せば「接道壁面」、道路(通路)に面したお店の立ち姿のことですね。

 店舗にお金はかけない、ファサードの全面改装などということは提案しませんが、少なくともすぐに処置できるマイナスは取り除いていただきたい。蜘蛛の巣、張り紙の跡、ドアのきしみ、ガラスの汚れなどなど。
お客は皆さんのお店に「堪能」を期待して来店するわけですから、それに対応して出来るだけのことはしなくちゃ、ということです。
 もちろん造作で痛んでいるところがあればDIYなどで対応しましょう。

 とりあえずファサードは、「マイナスイメージを取り除く」と言うことでよいでしょう。

 次にショーウインド。ここはとても大切です。
ショーウインドが設けられていないお店の場合は、ドアや窓越しに見える店内の様子。ファサードがお店の立ち姿とするなら、ショーウインドはお店の顔です。ショーウインドがお店の中を表現する一枚の絵であると考えるなら、ファサードはその絵が納まっている額縁だ、という関係になります。(ちなみにこの類推で行くと商店街はずらっと絵が掛けれている画廊になぞらえることが出来ますね。)

 さっそく、ショーウインド(開放部)をチェックしてみましょう。ショーウインドがオープン(店内と区切られていない)の場合も多いと思いますが、改めて確認してみて如何ですか。対象客相にとって魅力のある雰囲気が店外に向けて放射されているでしょうか? あなたが「うちの店顔はお客にこういうイメージをもってもらいたい」と考えていることがちゃんとショーウインド、そこから見える店内に表現されていますか?
 うちは固定客ばかりとか、通りを歩いているうちの客相なんかいない、などとふてくされないこと。誰が見ているか分からない、というのがショーウインドです。路面店の場合、通過する車のなかからだって結構見られていて、これがけしてバカになりません。ラグジュアリィショップが有望なのは、ニーズに対応するお店が大変少なく、お客はそういう買い物が出来るお店を探している、と言うことなんですから。

 ショーウインドのディスプレイは、必ず、自店が今現在、力を入れて提案しているテーマを表現していることが必要です。今の時期ならこの冬を楽しく過ごすために提案していること、ですね。何を提案しているのか、ということがディスプレイを一目見たらたちどころに伝わる、見た人の頭のなかでその情景が自分の生活に置き換えられる・・・という作用を期待しているのがショーウインドです。

 きちんと役割を果たしているショーウインドはお客にとってお店の意味・価値を高め、潜在顧客に認知させ、お試し来店を強く訴求することになります。お試し来店訴求ということでは、店内の「気軽にお試しできますよ」という雰囲気も店頭で伝えたいところです。

 店舗外観と言えば、ファサードの他にも道路や街具などがあります。
これらの手入れもまめにすること。特に道路にゴミが散らかっているなどは言語道断です。一日4,5回はチェックしましょう。

 もう一つ大切なこと。
アーケード立地の場合、店頭のワゴンセールスは即刻やめること。
店頭に値下げ商品をところ狭しと並べるのはアーケードの悪い風習であり、通り全体のイメージを極端に低めるものです。これは項を設けて検討します。

 我々はモデルに対して「ラグジュアリィ・グッズ」を提案することが商売です。ラグジュアリィ、堪能、納得ということを考えれば、お店の外観、周囲、ショーウインド配下になければならないか、十分お分かりのことと思います。あなたのお客は同時にセブンイレブンなどコンビニエンスストアのお客です。コンビニエンスストアの環境を体験しながらあなたのお店にやってくるのですから、人口が少ないだのお客の趣味が洗練されていないだのというのはとんでもない勘違いです。田舎であれ、都会であれ、堪能したいというニーズに変わりはありません。お客が生活をどの程度堪能できるかは済んでいる場所が田舎か町かということではなく、本人の意欲と商業者の取り組みにかかっています。

店舗はこう考える(2)

店 内。

1.入り口付近
 入り口周辺はなるべく空きスペースを確保する。入店したお客はとりあえず何はともあれある程度店内に入り込みます。店内の吟味が始まるのはそれからです。したがって店内入り口付近は、素通りされることが多い場所だということになります。利用はそのつもりで。

2.通 路
 通路とは言うまでもなく、ここからあそこへ移動する「経路」です。客相を絞ったお店のばあい、その品ぞろえ・提案はお客にとって全て意味のある・楽しい提案になっているはずです。(なっていなければならない)
提案を出来るだけ多く見てもらうためには、店内でのお客の動線を「作業」型ではなく「堪能」型につくることが大切です。
 お客の動線は、お客志向の関連で配置された売場、陳列を利用して作ります。回遊というのは、品ぞろえのあれこれを堪能しながら歩き回る、と言うことであり、目的の売場に一直線にたどり着く音ではありません。それは回遊ではなく、作業動線ですね。

3.壁面・床・天井
 とにかく、お金をかけない。カラーコントロールで雰囲気を演出することが大切。お金が有り余ってきたらいろいろ楽しんでください。
カラーコントロールの次に大切なことは、清潔、整理整頓。お店のクリーンリネスの基準はセブンイレブンだと考えてしっかり取り組んでください。

4.什 器
 この時期、什器を変えるというのは出費を伴いますが、思い切って取り替えることも必要かも知れません。リースの場合は取り替え可能でしょうから、検討してみましょう。什器のポイントは、商品を引き立てる、店内の雰囲気を演出する、の2点から選択しましょう。什器選択の大切さはまだまだ認識している人が少ないようですが、大変重要。お客が来店目的アイテムに巡り会えるか否かの分かれ道は什器に負うところが大です。

店舗はこう考える(3)

店舗という「設備」で基本的なことは、二つ。

その一

 お客の方は生活に必要なアイテムを求めにくるのに対して、お店側はアイテムではなく「品ぞろえ」を売らなければならない。
特定の品種についてある価格帯の選択肢をいろいろ揃える、商圏から予想される様々な客相に合うアイテムを少しずつ在庫するという従来の業種店のありかたは、この目的から大きく外れています。端的に言ってブラウス専門店で売上げを作ろうとすれば、特定のお客を相手にしていたのでは成り立ちません。一枚買えばそのシーズンはお終いですからね。商圏内のブラウスニーズに出来るだけ幅広く対応したい、ということになります。その結果は、量販店の靴売場を縮小したような売場になってしまいます。その上、そういう品ぞろえのお店はそこら中にあるわけですからお客の要望とは全くかけ離れたところで「激しい競争」がおこなわえていることになります。
 本当に満足出来る買い物をしてもらうためには、特定の客相に照準を合わせることが大前提、シーズン中何度も来店、いろいろ買ってもらうためには、そのお客にとって「この店に買うのが楽しい、適切」と評価される商品群を揃えることが必要です。
 お店は、そのための仕掛けの集大成であるべき。
大切なことは「回遊」。実現するためのレイアウト、陳列、誘導。
お客が知らず知らずのうちに店内全体を歩いてしまう。いろいろな商品を手にとって吟味してしまう・・・。

その二

 滞在時間。

 ラグジュアリィニーズで大切なことは、AIDCAと略称される「購買決定プロセス」が堪能できることです。ラグジュアリィというライフスタイル局面は、局面自体を楽しむことはもちろん、演出するための材料を吟味し・揃えるプロセスも楽しみです。お店は、「ラグジュアリィを楽しむ場所」そのものですから、商品吟味に集中できる環境を提供することが大切です。

 店内は外部と遮断された○○ワールドを演出、提供する演出が必要になります。アーケードの場合など、店頭がオープンになっている例が少なくありませんがあまり奨められません。外部の騒々しさ、あるいは閑散とし多雰囲気、どちらにせよ店内にまともにその雰囲気が入ってきては、ラグジュアリィ吟味の邪魔になります。入りやすく・しかも一度入店すると外部の様子は伝わってこない、という条件を作ります。

 出来るだけ、椅子・テーブルなどくつろげる設備を準備すること。
これも大切なことです。「商品が減ると寂しい」というのが多くの店主さん達の習性ですが、そういう人はレイアウト・陳列にメリハリをつける意味でもセットして見たら如何でしょうか。さらに飲み物の接待なども「業種」に関わらず準備したいところです。

 来店頻度と買い上げは比例しますから、「楽しい店」「買わなくても気軽に寄れる」というありかたを実現したいものです。