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S032■中心市街地活性化はみんなのお仕事

2002/09/27(Fri)

 もちろん、関係者全員の仕事ですが、どうも皆さん自分が真っ正面から受け止めなければならない仕事であるという認識はそんなに強くないようにお見受けするのは私の偏見でしょうか。

 関係各方面にとって中心市街地活性化がどれほど重要な仕事であるか、しっかり確認してみましょう。

まず、今回は「中心市地活性化」の定義から。

中心市街地活性化とは、一言で言えば、「中心市街地を産業立地として再生させる」と言うことです。法が言う「一体的推進の目標」というのはこの「事業立地としての再生」を個別都市の戦略的要件を踏まえて実現していく具体的な目標設定です。したがって、「事業立地としての可能性」を掲げていない「一体的推進の目的」は応接間の額縁のようなものですね。

 さて、中心市街地への産業立地、面的な配置ということですからこの時期、新い産業が進出してくるという可能性はありません。現在集積している産業を活性化させる、というのが無理のない堅実な方向になります。
そうしますと対象は、商店街か産地的集積か、あるいはその両者かと言うことに限られます。論議の関係でここでは産地関係は割愛して商店街オンリーで進めます。実は当社は産地活性化も得意分野なのですが(w

 中心市街地に集積している商業、中心商店街と総称しますが、これを活性化することこそ全国のあらゆる都市の中心市街地活性化の基本課題です。その方向については、経済産業省から「ショッピングモール」が示されています。ただし、この提示は不十分、現場では「ショッピングモールってはじめて聞いたけど、いったいなに?」とか言われていたりする。そこへ都市計画屋さんが出てきて「モールというのはね・・」などとやり出すとも〜最悪、集積計画が景観整備計画になってしまうので要注意です。 ショッピングモールの考え方、理論的には当社がいう「ラグジュアリィモール」のこと出なければならないのですが、果たして国が本当にそこまで考えているのか、あるいは都市計画屋さん達が国の方針をたいしているのかここはちょっと措いておきます。

 中心市街地活性化=中心商店街の活性化=ラグジュアリィモールへの転換、というのが私どもが提案している方向ですね。ご承知のとおり。
それではこの仕事は、関係各方面の皆々様にとってどのような意義を持つのか、改めて確認していただきたいと思います。

 このあたりをきちんと確認し、「立場は異なってもそれぞれの立場にとって大変重要な仕事だ」ということを共通の土俵にしないといけません。
これはきわめて大切なことです。

商店街活性化の定義

 中心市街地活性化=中心商店街活性化とは何がどうなることを指しているコトバか、確とした定義が無いことは申しあげているとおりです。業務の都合から私どもが作った定義も常連各位はご承知ですが、あらためて確認しておきましょう。

 商店街活性化とは、@そこに立地する商店群から繁盛店が続出するようになり、Aそれらの個店に新しい設備投資などが可能になる、B空き地、空き店舗などを利用した新規出店が増え、C商店街が全体として繁栄する、ということです。「活性化事業」のメニューを消化することではありませんからね。

 ちなみに個店の活性化とは、@これまでの趨勢とは比較にならない業績の好転が実現し、A設備投資の可能性が生まれる、B後継者問題が解消し、C事業の永続性が築かれる、ということになります。

 要は「繁盛」することですね。

 さて、商店街活性化、商店街に立地する商業者の仕事である、と考えるのが普通のようですが、どっこい、スレッドのタイトルにもあるとおり、これは関係者各方面それぞれ自分たちのお仕事です。

商店主にとって

まず第一番は、商店経営者の皆さん。
言うまでもなく、皆さんの目標は自店の経営業績が必要な数値をクリアする、これから将来に渡ってずうっとクリアし続けることです。

 個店経営には経営者の経営動機、従業員の期待などを始め、様々の達成しなければいかない目的があります。店舗はその活動からこれらの目的を達成し続けるために必要な「経費」を稼ぎ出すことが任務です。店舗経営の目標は、「必要な粗利を確保すること」です。

 お店が繁盛しているということは、「経営に必要な経費を上回る粗利を挙げている」という業績が続く状態です。お店がこのような状態にあれば、維持するために必要な経費(営業経費、人材投資、将来の投資のための蓄積)をまかなうことが出来ることになります。
お店を維持するための経費に相当する粗利を営業活動から挙げることが出来なくなったお店はいずれは閉店することになります。

 売上げの全てはシャッターの内側で挙げられます。個店の業績は究極のところ個店の努力によってもたらされるものです。
それでは、個店の繁盛のためにはシャッターの内側にだけ努力を集中すればよいのかというとそうはいきません。

   第一に詳しくは別スレ「個店不沈の法」で書きますが、これからますます品ぞろえ、販促など「商業集積」の一員であるということが重要になってきます。
   第二に、個店の転換。独力でやれる人は結構ですが自分が持っていない知識・技術が必要となれば経費がかかることがあります。この時期、この経費を全て自分で負担するのは大変です。また、隣近所にも必要なことであり、出来れば組織で負担−受益したいものです。共有すると集積作りの基礎が出来ることにもなります。
   第三に、資産防衛ということ。中心市街地の土地価格は下落の一途をたどっています。これをとどめる、自己所有物件の資産価値を維持・向上するためには、当該物件が「好立地」であることを自ら立証しなければなりません。
 
 好立地の証明、これは自分では出来ません。あなたのお店の資産価値を決定するのは向こう三軒両隣のお店の繁盛具合です。だってそうでしょ。
もし新しく商店街に進出するとするなら、子歩物件のこれまでの業績よりも現に営業中の周辺の繁盛具合が大切ですね。
 この「資産防衛は他力本願」ということは、大変大事な考え方ですから
よく覚えておきましょう。地主、家主、後継者無し、やる気無しという皆さんへの殺し文句、この一言で共通の土俵が出来上がります。

商店主が街ぐるみの活性化に取り組まなければいけない理由、しっかり理解しておいてくださいよ。ここが揺らぐと後の人たちが迷います。

地主、家主の皆さんにとって

幸い自分の物件の借り手はしっかりしている、長いこと借り手がつかないと現象面では様々ですが、この人達に共通しているのは、所有不動産の資産としての価値がどんどん下落している、と言うことです。

 何とか歯止めして上昇に転じたいところですが、残念ながら自分の力ではどうにもなりません。店子さんに頑張ってもらわなければならないし、隣近所のお店にも、さらになんと言っても組合に頑張ってもらわなくちゃ、と言うことになります。「繁盛店作りに頑張ってください、出来るだけ協力しますから」という基本的なスタンスでなだめてもすかしてでも街に繁盛を創り出させることが必要です。

 今はテナントを確保している物件も、街全体の沈没が進むばかりではいつ何時郊外へ鞍替えされるか分かりません。そうするともう次のテナントは有り得ないと覚悟してください。得に100坪超と言うような店舗は要注意、何がなんでも現在のテナントさんに頑張ってもらう=繁盛するよう出来るだけ支援する、ということが必要です。組合に参加しているか否かを問わず活性化に向けて共同戦線を作りあげるべきです。

組合組織にとって

 組合は長い間曲がり角を迎えている言われてきましたが、果たして曲がり終えたのかどうか、定かでないまま今日の状況を迎えています。

 組合の目的ははっきりしています。規模的に小さく力も弱い組合員の力を結集することで規模のメリットを作りだし、組合員単独では解決が困難な課題を克服し個々の組合員の事業の改善発達に貢献することですね。

 組合発足当時のく見合いは文字通りこのような役割を果たしてきました。国の「遅れている・弱い立場の中小企業の近代化を促進する」という方針のもと、高度化事業の推進主体として作られることが多かった組合は、高度化事業という「単独の商店主ではいかんともしがたい規模の事業」に取り組み成功させてきました。ポイントカード、イベントなどのソフト事業もしかりです。

 ところが今や組合お得意の共同事業メニューが活性化に結びつくような環境条件は全くなくなりました。このあたりの事情については、サイトの本編をご覧下さい。

 このような時期、組合員がそれぞれ自分のお店のありかたを各個バラバラに決めて、それぞれの力の限界で努力する、と言うことならはっきり組合は不要です。組合がなければ有志が機動的な組織を作る、これを先発にまちづくりに取り組む、ということが可能になります。
行政の支援対象も組合組織に限らず、任意連携組織も認める方向ですから。

 組合という全員加盟の組織が必要なのは「ショッピングモール」という新しい商業集積を目指すことでこれまでにない繁栄を実現する方向・方法があるからです。組合が組合員の事業の繁栄に貢献する、という目的を現下の環境において実践していくとすれば、それは「ショッピングモールへの街ぐるみでの転換」と言うことにならざるを得ません。商店街という立地を媒介に成立している組合は立地の条件を変えることで組合員の活動に寄与する、というスタンスが重要ですが、集積間競争=どの集積に所属するかで繁盛への基礎条件が決まる、という時代にはこれまでの施設整備やイベントなど「共同事業の細切れ取り組み」ではなく、ショッピングモールの運営」というトータルのマネジメント業務を担うことになります。

 「一人はみんなのため、みんなは一人のため」という組合のモットーはショッピングモールのために有るようなもの、組合にとってまたとない活動の機会ですが、これをものにしていくためにはいろいろ超えるべきハードルがあることも事実です。

 いずれにしても組合は、減る一方の組合員、収入のなかでこれまでの事業を維持継続しながら、全く経験したことのない環境のなかで組合員の事業に貢献することが求められています。

 新しい役割には、個店の取り組みを補完・補強する事業ではなく、彼らを街ぐるみで転換させる、という強いリーダーシップが必要です。
活性化への道をしっかり理解し、関係者の全てを共通の土俵に乗せる、そのための仕掛けを誰がしていくのか、組合の役割はひときわ重大です。

自治体にとって

商工団体にとって

 地域の商工団体と言えばなんと言っても商工会議所、商工会です。
いずれも法律に所法、会法という法律に基づいて設立されています。ご承知のとおり。「地域経済の改善発達」を目的に、商工業者の連携による地位活性化、関係各方面に地域商工業者の意見を反映させること、国・県などの産業施策の推進を補助する等の機能を果たすことが期待されています。もちろんこれに加えて近年は各地の大きな課題である中心市街地活性化の推進に重要な役割を果たすことが期待されています。

 商工団体は、「中心市街地活性化法(以下中活法)」のスキームで中心商店街の活性化を図ろうと考えている規模の都市(すなわちほとんどの都市)においてマーケティングの専門家を擁する唯一の組織だと思います。
専門家とはもちろん経営指導員ですね。

 現下、日本経済のかって例を見ない低迷が続いています。
生産設備の海外移転などによる空洞化が進展していますが、この影響は各都市の中心商店街にはっきり現れています。中心市街地の空洞化はもちろん商店街空洞化が原因ですが、商店街の物販が不調だということは、中小企業が構成している消費財産業が消滅退き期に陥っていると言うことであり、産業の空洞化は商店街の不振と密接に関連しています。

 日本経済、とりわけ消費財業界の再生は中心商店街の活性化、物販叔母としての再生なくしてけして実現することは出来ません。
商工団体は、中心商店街活性化が自分たちの喫緊の課題であり、かつ、日本経済再生への唯一の方向・方法であることを肝に銘じて、元気のない商店街の面々を叱咤激励、立ち上がらせることが使命です。

 商店街担当の職員さんはたぶんこれから商店主以上に商店街にはまることが必要になってきます。「今でもそうしている」という人もあるでしょうが、「意欲のある個店、組合だけ支援する」、「頼まれれば指導する」という姿勢では職務は全うできません。

 個々の商店主、会員はいつ廃業しても脱退してもその日をもって地域商工業との関係はお終いですが、存在を前提にしていた地域や組織はじわじわと影響を受けることになります。やめたいものは仕方がない、という姿勢が許される情況ではないと思います。

 廃業者が増えて困るのは意欲的な店主、組合、会員であり、それらの存在を前提に存立してる商工団体自身です。他人事ではありませんよ。

都道府県にとって

商工三団体にとって

消費財メーカーにとって

 どこの家庭でもものが飽和状態というなかで、中国をはじめ、海外製品との競合、という厳しい状況にあります。このあたり、政府の経済対策では少しも触れられていませんが、中小企業を中心にした消費財メーカーの活性化は我が国経済の再生・将来の展望にとって大変重要な問題です。

 機能、デザイン、ライフスタイル対応などこれまでの努力をさらに強化するとともに、生産・流通コストの削減など海外を意識した経営努力に取り組んでいます。私は仕事がらこのような現場の取り組みを見聞することが多いわけですが、いつも痛感させられるのが、流通チャネルのエンドである商店街の状況です。

 郊外SCの主力チャネルは今や海外ルートであり、これは国内ブランド商品といえどもそのほとんどが海外製品であることはご承知のとおり。
国内中小メーカーは「販路」がきわめて衰弱しており、新しい取り組みに挑戦してもそれがなかなか実らない、ということが何年も続いています。
業界を問わず、新しい取り組みに必要な体力がどこまで続くか、というところまで来ていると思われます。

 国内消費財メーカーの不振は、中心商店街立地の専門店という流通エンドの不振と直接結びついています。(このことがまだ十分理解されていない、ということが中心市街地活性化の取り組みを「当事者任せ」にしている原因ですが、そのことはまたあらためて)

 グローバルスタンダード=世界標=世界のどこででも受け入れられる商品というレベルで我が国内メーカーが中国をはじめ外国と競合するというのはナンセンスです。我が国の消費生活は、生活全体が既に世界標準を超えており、生活の課題は「ラグジュアリィ堪能」と言うところにいたっていいます。このようなレベルの消費ニーズに対応する以外に国内消費産業が勝ち残る方法はありません。

 私どもは既にそういう取り組みの支援をはじめていますが、その時常に頭から離れないのは「販路」という問題です。ラグジュアリィ=コンサルティングサービス、マンパワーによる購買支援をはじめ適切なショッピング環境の提供は郊外SCには不可能です。ファッションは言うまでもなく輪島塗、有田焼等々、ラグジュアリィ対応の商品はSCでは場違いですからね。メーカーとしては新しい商品は企画するものの適切な販路が無い、という状況が続いています。

 商店街がショッピングモールに転換する、ということは国内ラグジュアリィメーカーにとってきわめて重要かつ緊急の課題です。モールへの転換の取り組みが続出し、その動きに商品を提供していく、という仕組みが作られないと国内メーカーの生き残りは難しくなります。
消費財メーカーにとって中心商店街活性化はけして他人事ではありません。自社の経営努力・勝ち残り戦略が功を奏するか否かのカギは中心商店街活性化の成否にかかっていると考えるべきです。

 「中心商店街は都市の顔」という言い方がありますが、もはやそういうレベルの問題ではない、日本経済全体の不沈に関わる大問題だということをしっかり理解した取り組みが必要であり、全国同時多発、まずは自社・
自店の取り組みからはじめて波及させていく、ということになります。

 このような時期、大手メーカーにもあらためて路面店〜中心商店街を見直そうという動きが出始めています。

 消費財メーカーにとって、チャネルの総力を挙げて中心商店街のショッピングモールへの転換を推進することが経営戦略の課題となっています。