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正式な名称は、「中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する基本的な方針」。
「基本計画」は自治体が自由裁量で作る、というのがうたい文句ですがそこはそれ蛇の道は蛇(笑)、こういうことを決めとかないとダメよ〜ということで示されているのが「基本方針」ですね。
当社が基本計画作成を支援したところで、「基本方針」の「基本計画に記載する必要のある事項に関する指針」の各項を、文字通りまんまで作った、という例があります。いい出来映えだったと思います。いまでも付箋などいっぱいつけて商店街の皆さんが持ち歩いていますもん。
「基本方針−指針」、よくできた基本計画づくりの指南書です。
さて、「指針」にはこの欄でよく取り上げる「一体的推進」などについても考え方が示唆されているわけですが、今日取り上げるのは「4.・・・事業に関する基本的な事項」のうち、「商業等の活性化のための事業の必要性」という項目です。
指針ではここで「事業の必要性」を明らかにして、その必要性を満たす「具体的事業」を計画する、という段取りになっています。
つまり、「必要性」を受けて「具体的事業」が構想されるわけですね。
ところがこの「必要性」の分析がほとんどの基本計画に欠落している、と私は推測しています(推測が成立する理由は省略)。「どうして商業等の活性化が必要か」ということですから、「活性化が必要な理由」が述べられなければならない。
当然、「中心市街地の商店はなぜ売れないのか」ということが明らかにされなければならない。マクロ環境の変化が商店街立地に及ぼす影響や郊外型業態の動向などシャッターの外側の事情とともにシャッターの内側の問題が分析されなければならない。
この作業にまったくといって良いほど取り組まれていないのが、大方の「基本計画」のレベルです。したがって「個店の生き延びる方向」とか「個店の改革・転換」等という問題意識は出てこないし、ショッピングモールも単に街並み景観のコンセプトとしてしか受け取られない、という現状も無理はない、ということです。
中心市街に立地する個店の「活性化の必要性」には触れることなく、商店街単位かそれ以上のレベルでのソフト&ハード事業が構想されるということになります。シャッターの内側をよく分析調査すれば、商業等の活性化のためには個店の改革・転換が不可欠であることが理解されるはずなのに、当初から「個店の改革」が必要だという問題意識が欠けていたために、踏み込まれていない。
これではまるで問題はシャッターの外側に集中しており、外側さえ整備すれば個店は自ずと活性化する、といわんばかり。
ほとんどの計画がこのような水準だと思われますが、あなたの街の計画は如何でしょう?
あるいは、個店の転換が必要なことは分かり切っていたが、そこまで書くと・・・という思惑が誰かの脳裏に去来してわざと書かなかった?
そんなことはありませんよね。それならそれでまた問題です。
「あなたのお店はみんなと一緒にこの方向に変わっていけば繁盛するようになりますよ」というのが「一体的推進の目標」ですが、この目標がきちんと作られていないのは、「商業等の活性化の必要性」のうち、既存商業=商店街の現状分析(空き店舗の数、後継者の有無とかではなく)の分析が出来ていなかった、そういう問題意識が商業者代表を含めて計画作りに参加した人たちみーんなに無かった、支援するコンサルタント?も同様だった、ということですね。問題の根っこは深い(笑)。
このあたり、ご自分のまちの基本計画の当該箇所をもういちどチェックして見られたらどうでしょうか。
結局、計画づくりに先立って「地元の商店街にハッパをかけなきゃ」という問題意識がなかったと言うことでしょうね。
そこで問題
『基本計画』を作るにあたっての基本認識として、「商業者にとって事業が必要な理由」が認識されているといないとでは、あるいはその認識が基本計画に明示されているといないとでは、計画の内容に雲泥の差が生じます。
1.商業者の現状は、「活性化のための事業」の対象にしなければならない、という認識を前提に作られた計画の場合:
「商業等の活性化のための事業」の項には、商業者の現状からスタートしてあるべき商業集積=ショッピングモールに至るシナリオが描かれているはず。シナリオとまでは行かなくとも、商業者の現状を改革の対象として捉え、改革のための施策が講じられているはずですね。さて、あとは地元の力量だけで転がしていけるかということになりますが、これが難しいことはこれまで述べてきたとおりです。
2.商業者の現状について「活性化のための事業」の対象と認識されていない、言い換えれば商店街・個店の現状について、個々の商業者の経営手腕等のレベルに状況とのミスマッチはない、あるいはあっても問題にはしない、という立場で作られている計画の場合。
「商業等の活性化のための事業」には既存個店の改革は事業の対象にされていないことになります。せいぜい「個性的な店づくり」などが申し訳程度に書かれているだけであり、書いてさえおけば個々の商業者が自力で個性的な店づくりを実現できると認識しているかのような内容のことが多い。問題が個店経営にあることは百も承知のくせに、これを問題に出来ないということは、基本計画を推進しても街の活性化は実現できないと言うことを認識している、いわば確信犯ですから、自ずと計画の実践に力が入るわけがありません。会議所TMOも商店街組織も模様眺め、ということで計画を作った行政だけがやきもきするが事業は進まない、というのが多そうですね。
誰も活性化できると信じていないから誰も力が入らないわけ。
基本計画作成の時点でこういうことに気付くのは、専門家ではない皆さんにはまず無理でしょう。そのために専門家を招聘したのに・・・、という
ことですね。こういうレベルの計画はこれまでの商店街にいくらでもありました。今回こういう計画を作ったところは、何のことはない、これまでの線(商店街)レベルでの失敗を面(中心市街地全体)レベルに押し広げたことになりますね。
これは早く手を打たないと大変なことになります。このままMD絵行けば事業がスタートしないままで挫滅するか、役に立たない事業に取り組んで空洞化を促進するのか、いずれかに陥ることは確実です。
幸い、早く計画を作ったところでは策定後2年が経っています。思い切って抜本改善を考えたらいかがでしょうか。成功事例のほとんど無い現在、率先して基本計画の抜本見直し、というのは有りですよ。
基本計画の見直し
見直しとしては範囲や目標、事業メニューなどいろいろ考えられますが、何しろ計画策定から2年くらいしか経っていませんから、ちょっと悩ましいですね。でもどうせ見なすのなら早いほうが良い。
いっそのこと担当者が移動する前の方がかえってやりやすいかも知れません。大義名分はあんまり凝らずにありのままが良いでしょうね。
事業メニューレベルならば、基本計画の意義・目的が良く理解できていなかった、特に商業者は他力本願的なメニューしか出せなかった、ということにして、再編すればよいと思います。
問題は区域とか目標とかですね。早い話、首長の統治能力にまで関わってきますからね。特に地域変更はやっかいです。編入したい理由と入れなかった理由が交錯するわけですからね。
そこまでは、というときはTMO構想段階で補修する。ダメなら「モールへの転換実施計画」を新しく立案する、というのもありでしょう。しかし、区域の問題は計画変更でしか対応できません。
うーむ、です。
見直しの理由
私が承知している事例では、基本計画のうち「商業等の活性化のための事業」の項を、商工会議所が窓口になって商業者が作業部会を作ってまとめ、それをそのまま計画に掲載したものを、「商業者が自分たちの任務を理解していなかった、第三者的・受動的な態度だった」と自己批判して書き換えに取り組んだ、というところがあります。(届け出はこれから)
どうしてこういうことになったかというと、計画策定が終わった後で活性化事業の「一体的推進の目標」としての「ショッピングモールへの転換」に思い至ったからですね。
この見直しは行政、議会とも大賛成、商業者のワーキングは多少もめたのかな。でもこれで活性化への本道を歩けるわけですからめでたしめでたし。
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