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 『コンサルタントの眼』                      No.58 2004/02/09 (Mon)

      # コンセプチュアライザーtakeoが様々な事象を批評 #
   
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              ◆ 市街地再開発事業 ◆ (都市経営フォーラムより)
        
        
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■市街地再開発事業 
  
 六本木ヒルズ、丸の内、汐留と視察しました。
 宿泊はアークヒルズ。ここもかっては国内最大の再開発でしたね。

 再開発の基本構想で大切なことは、再開発=デスティネーション革新という
こと。
 このことはよくよく考えておかないと大変です。

 たとえば、キャナルシティ。
オープン当初から特に中心である物販機能のコンセプトがよく分かりませんで
した。
 その後、物販ゾーンは何度も手直しが行われたようですが、最近はどうなっ
ていることやら。


 再開発事業で開発される物販施設。
 その多くが立地・規模・売り場面積を武器に「らしい」テナントを誘致して
いるのではないでしょうか。
 一方、誘致されるテナント側も計画の規模やテナントミックス予定などを説
明されると心が動いてしまう。 
 集まってくるのは、この企画は集客力がある、ありそうだ、と考え集客力に
あやかりたい企業です。
 つまり、かって商店街が自然発生〜成長した過程を「計画的」に最速時間で
作ったというだけの話であり、故に人工商店街という類型がぴったりではない
でしょうか。ちなみに我が国のショッピングセンターは人工商店街である、と
いうことを発見したのは島田陽介先生です。

 島田先生についてはここ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index%3Dbooks-
jp%26field-keywords%3D%E5%B3%B6%E7%94%B0%E9%99%BD%E4%BB%8B%26bq%3D1/
ref%3Dsr%5Faps%5Fall%5Fb/249-9677134-3649906


■六本木ヒルズ

 ご承知のとおり、ここは都心型ビジネスの一大集積でありまして、その一部
にモールを開設しています。この部分のコンセプト(つまりデスティネーショ
ン)がウーム?です。
 この界隈で生活する(つまり働く、住む)人たちの生活をターゲットにして
いるのか?、物見遊山気分で出掛けてくる善男善女を狙っているのか? どう
も良く分かりません。いずれを狙ったにせようまくいかないでしょうね。

 テナントミックス・品揃え、さらにハードの店づくりについても首を傾げざ
るを得ない。おまけにゾーニング、レイアウトもとても商業集積とは思えない
不親切さ。
 ま、なにか魂胆があってのことでしょうが、物販施設はお客に認知してもら
い、愛顧されてはじめて成立する商売ですからね、「売れなくてもかまわない
」のなら話は別ですけど。

 オープン以来10ヶ月、入退店の実態など知る由もありませんが、業績は厳し
いところが多いでしょうね、きっと。
 ヴィーナスフォートみたい。
 もちろん、これはというようなブランドは<路面>で展開しています。
(ご注意:六本木ヒルズ=人工商店街というのは島田先生には責任のない・私
の愚論です)

 来訪者数と入店者数、買い上げ客数が全く無関係なのがこういう大型再開発
で開設された物販施設の運命です。もちろん、再開発が悪いのではなくて、そ
こに新しく作りあげるデスティネーションを設定する段階でそこまで思いが至
らなかったか不十分だったということになります。

 再開発の計画があるところはくれぐれもご注意。
してしまったところ、結果的に思惑通りに行かなかったところは、このあたり
をよく考えてあらためて「人工商店街」ではない「商業集積」への転換を目指
しましょう。


■丸の内 

 ここもウームですね。

 オフィス街がモールに変身した、というふれこみですが、その実出来上がっ
たのは東京新名所の一つ。

 都心に展望台が出来まして、この人出を相手にお店が立地している、やはり
規模を当て込んで出店してきた皆さんによる「人口商店街」ですね。

 何しろ、善男善女オール対応の観光名所のモールですから、店揃えが何でも
あり。しっかり客相を絞り込んでいる飲食部門とはえらい違いです。
 個店でデスティネーションありはコンランショップくらいでしょうか。でも
たかがコンランショップでのショッピングのためにわざわざここまでやってく
るかしら、というのが感想ですね。
その割りに売れているようでしたけど。

 当初は界隈のオフィス勤務の皆さんのためのコンビニエンスなモールという
コンセプトだったように記憶していましたが、実態は全然ですね。


■汐 留 

 ここは一見の価値あり。
 「だんだん良くなる・・」と申しますが、目睫の間でこれだけ開発が相次ぎ
ますといやでも(W  学習効果が出てきます。
 というのは冗談、ここは大変勉強になりました。

 コンセプトがハッキリしておりまして、都心型ビジネス&居住という中心市
街地再開発のモデル事例ではないでしょうか。
 デスティネーションは、「都心立地に仕事で住む/来る」。

 物販はオフィスライフというか「おつとめ」局面対応型のショップで固めら
れています。店数はけして多くはありませんが、今後、街のコンセプトを分担
する方向をさらに追求すればしっかり居住者の支持を増やしていけると思いま
す。

 たとえばここの書店と六本木ヒルズの書店を比較してみるとコンセプト・デ
スティネーション作りの成熟度合いの違いが一目瞭然ではないでしょうか。規
模は六本木ヒルズですが、品揃えが違います。

 いまのコンセプトで各個店を磨いていけば、丸の内界隈からもショッピング
目的で来てもらえる。再開発施設における商業機能の成功事例になれますね。

 六本木ヒルズ、丸ビルは商業施設としての構造が都心型ではない。
中味を変えようとしても難しいでしょう。


■吟味が必要 

 市街地再開発。

 失敗事例を見ますと、「デスティネーションの革新」つまり、当該街区にあ
らためてわざわざ出掛けなければならない来訪目的を設定し損なった、という
ものが多いようです。

 特に商業集積を地上げして、再度商業集積を開設するという場合には、自生
的集積からの転換という問題意識が不可欠、規模を拡大して規模の魅力=集客
力という図式で取り組むとかならず失敗します。これは東京だろうとあなたの
都市だろうと全く同様です。

 物販の場合、規模で勝負できるというのは、ライリーさんの吸引力理論が通
用する時代のお話です。
 商業集積に出掛けるのは、欲しいものを買って持ち帰るためという大原則を
忘れると、いくらすばらしい空間を作り・人を集めても遊ばれるだけで売り上
げにはつながりません。

 このあたりは、我が国のデベロッパーと呼ばれる業界ではどう考えられてい
るか全く分かりませんが、やってみてから分かっても仕方が無いので計画段階
でしっかり吟味いたしましょう。
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◆quolaid.com情報◆ 

※新設※ 都市経営フォーラム http://www.quolaid.com/cgi/tkf/wforum.cgi
   中心市街地活性化をはじめ長年にわたって地域経営を支援してきた経験・
 調査研究を活用しながら、新しい都市経営のあるべき姿を考え、理論的な作
 業を提案し、実務を支援して参りたいと思います。
  まずは、当フォーラムを開設、従来の知見にとらわれず自由な考察を交流
 することからスタートします。
  都市経営というコンセプトをきちんと設定し、必要な能力(特に「人間の力
 (−以下「ヒトパワー」)」をどのように転換させ−活用するか、というもっ 
  とも基本的な課題を中心に考えていきたいと思います。
                                       (記事NO.02「問題の所在」より抜粋)
  
  ・経営フォーラム
     http://quolaid.com/cgi/kforum/wforum.cgi
  ・商店街活性化フォーラム
     http://www.quolaid.com/cgi/j-forum/wforum2.cgi 
  ・各地の状況
     http://www.quolaid.com/cgi2/kakuchi/index.html

◆次号:NO.59 2/16(mon)予定・・・
  大変ご無沙汰してしまいました。
  本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
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