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 『コンサルタントの眼』  No.47 2003/6/6 (Fri)

      # コンセプチュアライザーtakeoが様々な事象を批評 #
   
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        ◆ イトーヨーカ堂の「メイドインジャパン」  ◆
        
        
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イトーヨーカ堂の「メイドインジャパン」

先週土曜日の「ビジネスワールドサテライト」から

 イトーヨーカ堂が「メイドインジャパン」というこれまでの量販百貨店では考
えられない企画を展開しているというトピックです。
 横浜=スカーフ、豊岡=バッグというように、伝統的な国内の産地と組んで、
技術・素材を活かした商品をあらためて開発、「メイドインジャパン」というく
くりで展開するというもの。売場では中国製ポロシャツが1,800円のところ、
5,800円という値付けでした。
 インタビューを受けた顧客は「国内製品は素材も技術もしっかりしていて安心
して買える」という評価。産地のメーカーは、同社を中心に顧客ニーズとのキャ
ッチボールが的確、結果がすぐ出てやりがいがある、と気合いが入っていました。
 コメンテーターであるアナリストの解説では、非価格競争へのチャレンジ、売
上げアップに向けた新しい試みで注目される、従来、問屋が受け持っていた機能
が劣化、産地を源流とするチャネルが閉塞状態にあったところを川下主導で再構
築したことが高く評価される。スタート時点での顧客の支持は高いのでこれから
さらに広い層にどのように波及するか、興味深い、ということでした。

 同社の戦略がどのような視点で立てられているかはともかく、流れとしては私
が提唱する消費デフレ・国産品デフレへのチャレンジの一環と評価されます。
 経済のラグジュアリィ化の推進は、日本経済再生に向けた唯一の切り札ですか
らね。もっとどんどん吹聴して消費全体を転換させていくことが必要です。

 ただし、イトーヨーカ堂など量販百貨店がその主役を張れるかというと、これ
は業態的に無理があります。現在、注目されているのは技術と素材という「もの
作り」の側面ですが、これだけでは圧倒的に不十分です。
 ものつくりはこれは中国に必ず追随され並ばれます。予言しておきますが、中
国のメーカーは近く日本に進出、日本人を雇用してものつくりをやりますね。

 ラグジュアリィ需要の充足には、ソフトに関連する部分が多く、それはものつ
くりから流通、販売、生活局面の編集まで、ソフト無しでは実現できません。し
たがって、国産商品を中国に流し、これを移入して自社チャネルに流す、という
安直な方法では話になりません。「時間堪能」は製造段階の「技術&素材」だけ
では対応できないのです。このあたり、びっくりするような仕掛けを有田焼産地
で実験しますのでいずれ報告します。
 また、言うまでもなく、販売時点は、カスタマイズ接客(takeoが提唱する個々
のお客のニーズに即応可能な接客)、「おもてなし」が不可欠ですから、量販百
貨店の手に負える分野ではありません。フルコンタクト接客は百貨店でも無理で
しょう。
やはり、中心市街地・中心商店街を最先端とする、日本式「製・販・流」の再生
を同時多発でスタートさせる、という取り組みが各業種で必要です。

 これは本当に急を要する取り組み、こうしている間も日に日にチャネルの各段階
が衰弱の度合いが進みます。早く着手しないと出来ることも出来なくなっってしま
う。

 なんども申しあげていますが、 日本経済再生の道は、「水道哲学から時間堪能
へ」、生活のラグジュアリィ化の積極的な推進、という方向以外にありません。
りそな銀行を皮切りにまたもや銀行救済劇が始まりましたが、経済再生は目標・
戦略の抜本的な転換が絶対条件、これを抜きにした「構造改革」では改革になりま
せん。竹中さんは、銀行は不良債権が一掃されれば信用創造に積極的に打って出ら
れると主張していますが、そんなことは全く期待できません。
一体どこの誰に融資出来るというのでしょうか?
このままでは投資−収益機会がありませんから銀行に突っ込む公的資金はどれだ
けふくらんでも全て焼け石に水ということになりかねません。

 「日本はラグジュアリィを目指す」、たった一言、小泉さんが口に出して言いさ
えすれば、日本経済、たちまち再生の方向へ大きく転換出来るのですけどねぇ。

 我が国経済の10年以上にわたる低迷の原因は、元はといえば「消費の成熟」、
「デフレ」がしっかり認識できていない、というところに原因があります。(1)デ
フレだデフレだ、とはしゃぐのと (2)なぜデフレといえるか、を説明するのと、
(3)どうして起きたか、を解明するのと (4)デフレはこうして克服する という
対策を考えるのはそれぞれ違った仕事です。こういう当たり前のことさえ分かって
いない「専門家」が多すぎます。
 国の「デフレ」の定義は、「持続的な物価の下落」ということです。持続的な物
価の下落はどうして起こるのか、その理由はたちどころに3つや4つ、5つや6つ
は考えられます。下落の原因が異なればもちろん対処の方法が変わります。さらに
言えば、物価が下落することが悪いのではなく、その原因が悪いのだ、ということ
も理解できる。そうすると言われているようなインフレターゲットなどはなんの解
決策にもならないことが手に取るように分かるのです。このあたりはまた、あらた
めて論じたいと思います。

 ところで皆さん、皆さんはデフレについてきちんと認識されているんでしょうね?

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◆次号:NO.48 03年6月13日(Fri)