ホーム資料庫経営フォーラム 保存版


経営フォーラム  保存版  

K107■ラグジュアリィリテイラー2005/02/11(Fri)

●ラグジュアリィリテイラー

へんな言葉ですが。

ラグジュアリィニーズに対応しようとする小売店は、まさしく。

「これまでの常識はこれからの非常識」という言葉を地で行くことになります。

目下、商人塾修了記念イベントに取り組んでいる事例をご紹介します。
http://15kai.quolaid.com/imari/cgi/wforum/wforum.cgi

ややもするとこれまでのノウハウに流れそうになるところを、「新しい原則」に立ち戻り、一から考えていくことで新しいノウハウを作り出そうという試みが、フツーの商店街の皆さんの手で取り組まれています。

●新しいノウハウ

ラグジュアリィ=必需品にその人の好みが付加されたもの、というのが原義、ここから「自分の好みで作りあげる生活・生活局面」という意味に広げたのは当社のオリジナルです。

私たちには、自分が自分の好み・考えを基準にそれにこだわって作りあげ・楽しみたい生活があります。
その生活の時間及び空間を自分らしく演出して堪能する、ということですね。

必要な「商品」とはこの生活を作りあげるために必要な部材・部品ですから、お客の生活にとてどんな商品が適切かということは、その商品単品では決められず、お客の生活に対する期待や、局面で一緒に使われる部材・部品とのコーディネーションが極めて大切になる。

商品の吟味も従来とはひと味もふた味も違ってくるし、お店に対する要望も自ずとシビアになってくる。
商品の吟味と同時にお店、接客・雰囲気などもしっかり「らしさ」が要求される。

これはもちろん、慣行的な小売業がこれまで経験したことのない要求ですから、これまでの経験で対応する、と言うわけにはいきません。
あらためて「ラグジュアリィニーズ」を踏まえながら、「店づくり」について仮説を立て、実行し、結果を評価して先に進む、というプロセスをじっくりたどっていくことになります。

上で紹介している商人塾修了記念イベント、イベントの目的からアンケート調査のあり方まで、慣行的なノウハウと一切決別、新しい仮説に基づいて構築しようとしています。
ここからあたらしい時代に即したさまざまなノウハウが生み出されてくることでしょう。
●革新

経済発展の原動力として革新=新結合を唱えたのは、ご承知のとおり、シュンペーターですね。
革新、これまで当たり前・これが常識だと考えられている仕組みを「創造的破壊」をもって打破し、新しい関係を築くこと。
シュンペーターは、革新を行うのは慣行的結合にとらわれない、勇気と野心、想像力豊かな一握りの企業者の役割であるとしています。

我が経済産業省では経済活性化の方法として「経営革新」「創業」を打ち出していますが、これは歴史的に個人的な営為にゆだねられてきた革新というプロセスを政策的に推進しようということで、世界史的なチャレンジ、といえるでしょう。

ラグジュアリィリテイラーへの変身も商店街というありふれた立地ににおいて、そこに立地している「慣行的」小売業の店主さん達によって取り組まれている「経営革新」そのものです。

と考えてみますと、「革新」の考え方が変わってきます。

●「経済」の革新

もともと経済は、「もの不足」という全体像のなかにおいて認識されてきました。
「需要」といい「供給」といってもそれはもの不足という全体の中でのことであり、価格を下げればモノは売れる、ということが常識であった時代に経済はスタートしています。

今日、「ものあまり」という時代においてもこのような経済にまつわる常識は変わっておりません。
相変わらず、モノが売れないのは景気が悪いから、ということになっており
「必需品は買い換え・補充だけ」、「生活を楽しむための材料が提供されていないから消費は活発にならない」などと言うことには考えが及ばないのかも知れません。

しかし、昨日と同じ生活を維持するだけなら、昨日よりもお金は掛けたくない(昨日は新鮮だったからお金を掛けてもよかった)、というのが今の時代の消費の基準でしょう。

新しい革新は、もの不足時代のような「生産手段の新結合」ではなくて、「生活を堪能するための工夫の提案」という方向で考えなくてなくてはならない。
新製品よりも新提案であり、「ふだんの暮らしの中に堪能を」というこれまでの歴史上かってなかった新らしい課題への挑戦・ライフスタイル実現への貢献こそが「経済」の役割ですね。

そして、この新しい方向はどこか「ここではないどこか」から始まり、やがてあなたのお店に伝わってくる、という慣行的なものではありません。
皆さんのお店のありかた、店づくりこそが新しい経済を作っていく着実な一歩になっていきます。

需要も供給もそのあり方は我々が決定していかなければならない。
「もの余り時代」、もの不足時代の慣行を維持しようとすれば、確実に経済は跛行することになり、やがて「先進国」と称された地域から順に衰退していくことになりかねません。


●革新の特徴

> 皆さんのお店のありかた、店づくりこそが新しい経済を作っていく着実な一歩になっていきます。

このことが意味していることは、これまでの革新は文字通り一握りの革新者、企業者によって実現されて来たのに対して、目下亜kだいとなっている革新は、全国至るところの小売店・専門店の店頭において、その土地、顧客対象ならではの「店づくりの転換」という形で取り組まれなければならない、ということです。

専門店の店づくりというレベルで革新が成立するとは、これまで誰も考えなかったことだと思います。しかし、財貨の普及から財貨を使った自分らしい生活の堪能へ、経済が貢献すべき課題が大きく変わったしまった今日、新しい方向に向けて舵を取る以外に専門店に関わる人々の明日はありません。もちろん、このことは専門店を最終消費者との窓口とする消費財産業界全体にとっても言えることです。

問題は、これまで一握りの起業者の役割とされてきた「革新」という仕事を小売店・専門店の店主という皆さんの手で成し遂げることが出来るのか?、どうすれば専門店の革新は可能か?
ということですね。


●小売業の改革

我が国における新しい小売業の出現=革新は、そのほとんどが欧米において成功した革新の輸入であり、けして真の革新ではありませんでした。日本型GMSのように瓢箪から駒的例外はありますが。

しかし、米国で開発されたスーパーマーケット業態の輸入・日本における展開への挑戦などは、やはり大きなリスクをもった一種の「革新」だったと言えないこともありません。

この革新を担ったのは、当時、商店街で活躍していた若い経営者達でした。彼らが慣行的な商店街商売から抜け出し、業態・スーパーマーケット作りにトライ、商店街商売から脱却しました。

次の「革新」は、郊外への脱出。
先発したスーパーマーケット、ビッグストア業態の「規模」に対応するということで、「共同店舗方式」が生み出され、商店街立地の有志がこの方向へ転進していきました。また、郊外立地の開発に伴い、単独またはしょっぴなぐせんたーへの出店という形で行われました。ただし、後者は脱・立地、商売の中味は店前通行量依存という商店街商売のままでした。

現在商店街に立地しているお店の多くは、この二次にわたった脱・商店街の動きに応じなかったお店及びその後に出店してきた人たちの集合体です。

●時間堪能型リテイラー

ポスト工業社会は時間堪能型社会である、というのはtakeoめの妄念ですが(笑)
狩猟社会、農耕社会、工業社会・・・、これまでは「欲しいものを得る」=手段を得ることが課題だったのに対してポスト工業社会は、「有り余っている手段を使ってどのような時間を演出・過ごすのか」ということが大多数の国民レベルで課題になる社会です。
もちろんこれは座して待てばそういう社会が到来する、ということではなく、これまでの社会がそうであったように、一人一人の人間の営為の総体として新しい社会が形作られていくわけですが。

来るべき社会はどのような社会になるのか?
それは今現在の我々一人一人が何を求めて行動するかということに大きく依存しています。

時間堪能型社会への道をリードしていくのは、商業・サービス業ですね。歴史上はじめて商業・サービス業が社会・生活のあり方を主導というか、形づくる役割を担う時代の到来です。
もちろん、これもまた座して実現できることではありません。

時間堪能、これを実現しない限り、人間の所有欲求と地球のキャパとの衝突を避けることは出来ません。

だからということでもないのですが、ラグジュアリィリテイラーは即・時間堪能型リテイラーであり、その文明史的役割は歴史上かってなかった重大なものである、ということを書いておきたいと思います。

関連記事:商店街活性化フォーラム
http://www.quolaid.com/cgi/j-forum/wforum2.cgi?no=1106&reno
=1073&oya=1069&mode=msgview&page=0


●時間堪能

なんとも格好の悪い言い方ですが、他に適当な言葉を思いつきません。
遊びをせんとや生まれけむ、この言葉、なにやら21世紀の人類の課題を言い当てているような気がするのは我田引水でしょうか。

20世紀風にものを集めて喜んでいると地球のキャパとぶつかることが目に見えています。
21世紀は何を持つか、ではなくてどんな時間を過ごすのか、ということが課題にならないと人類の未来は無い、というのが私めのご託宣(笑)ですが。
あまりなじみのない人は、当サイトトップから「サイト内検索」を使ってみてください。どんどん出てきます。

ちなみに、現在「勝ち組」などと素っ頓狂な呼び方をされている好調企業・産業のほとんどは、自覚の有無にかかわらず、「時間堪能」ニーズに対応しています。

IT関係のハード&ソフト、飲食、物販・・・、「勝ち組」を一括すれば「時間堪能」型。車だってアナタ、「移動時間の堪能」ウリですからね。
あなたのご商売もきっちり時間堪能・ラグジュアリィに結びつけないと明日の朝日は拝めないかも、です(笑)
うちは食品スーパー、ラグジュアリィなんて、というあなた、むかし弁当のおかずに文句を言って「ぜいたくをいうもんじゃない」とかいわれたことがある人は結構多いと思いますが、好き嫌い=ぜいたく=ラグジュアリィですからね。
食品は真っ先にラグジュアリィ関連、もちろんその前に「安全」がありますから、やりがいのあること消費財一般の比ではありません。
このあたり、しっかり考えると「食」の前途は楽しみです。
●商品集荷

例年のことながら、事業報告書執筆のシーズン。
目下、卸団地の販路開拓関係の事業報告書をまとめているところです。
卸団地活性化の課題は、組合員の販路開拓にどう取り組んでいくかということ。
立地の集約=共同施設事業として設置された卸団地ですが、郊外型商業の展開は、地場小売業を顧客とする卸団地所在規模の卸業の販路をどんどん縮減しており、団地から撤退する組合員も多くなっています。従来は「入れ替え」だったのが、いまでは「空店舗」になっています。中心商店街が空洞化すれば卸団地も空洞化するのです。

対策として考えられていることの一つが、脱業種・顧客の生活局面対応を目指して取引先である小売店ともども転換する方向です。
例を挙げれば、ブティックが固定客を対象に自店で吟味した食器を提供する、など。

ラグジュアリィショップへの転換で手間をとるのが新しく取り扱う商品群の集荷です。お客の吟味に叶う関連商品群をどこから仕入れてくるか?
取り引きの問屋さんがそういう指向をしてくれると有り難いですよね。
他方、問屋さんはこの方向で結果を出せれば、新規取引話が向こうから来ることになる。
ということで、これからは業種を問わず、問屋さんは扱い商品の多角化が課題です。

ちなみに当社は「個店の転換」の提唱し始めた頃から問屋さんの勉強会をセット、これを母体に共同卸システムの構築を画策しましたが果たせませんでした。これは現在でも課題です。

意欲的な卸業では次のような取り組みを始めています。
http://homepage.mac.com/e938/kusaba/utsuwa/utsuwa_top.htm

当社の解説
http://15kai.quolaid.com/utsuwa/utsuwa_top.htm


Copyright (C) 2005 (有)クオールエイド  All Rights Reserved