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K081■トヨタの快進撃

投稿時間:2003/11/22(Sat) 07:02
投稿者名:takeo
タイトル:
トヨタの快進撃
根拠としては、トヨタ方式とかいう生産プロセス管理−効率化が挙げられているようですが、私は全然違うと思いますね。

生産性アップ=コスト削減の効果=原価低減ですがそれが即・利益を生み出すわけではありません。通常は、販売価格の引き下げ〜競争力アップに結びつくことでシェア拡大〜利益確保という戦略が一般的でしょう。これは、同業他社と同質微差の商品を市場に出している多くの企業が何の疑いも持たずに選択しているところです。

トヨタの場合、コスト低減を価格に反映させる必要がない、というところが快進撃の秘密。顧客を満足させているのは生産効率ではなく、販売効率でもなく、顧客自身がトヨタ車を購入し・乗り回している間の評価です。
顧客の評価は、生産効率から生み出されるわけではありません。

マス・カスタマイゼーションが当たり前になりつつある時代、それを可能にするのは生産プロセスの効率化ですが、業績確保にはそれだけでは絶対に不十分、車購入客の期待はラグジュアリィ充足にあり、それを約束するのは生産段階ではなく企画段階、トヨタの快進撃の原動力は生産効率を活かせる「企画力」にあるのです。

 メーカーの特性は、計画部門の少数の才能が組織を動かし、成果を左右する、というところにあります。
優秀な人材の育成とその活用方法がトヨタ快進撃の「秘密」でしょう。

業種や規模を限らず、トヨタの快進撃の「秘密」に学ぶことは多いでしょうね。


投稿時間:2003/11/29(Sat) 13:01
投稿者名:takeo
タイトル:
トヨタはものなど作っていない
>業種や規模を限らず、トヨタの快進撃の「秘密」に学ぶことは多いでしょうね。

トヨタが提供しているのは、「空間を移動するための空間におけるラグジュアリィ」であり、「もの」なんか全然全く提供していませんね。
「ものづくり技術&システム」が役に立つのは、このラグジュリィ空間の提供に貢献する、および貢献を通じて利益を確保する」というところにあります。

トヨタに学ぶ、というのが流行のようですが本当に学びたかったら、「ものづくり」以外のレベルでもしっかり学びましょう。

投稿時間:2003/12/15(Mon) 16:13
投稿者名:takeo
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効率は効用を代替出来ない
顧客にとって大事なこと(購買デスティネーション)は、商品が自分の生活にどう貢献してくれるか、ということ。つまり効用それも顧客個人の期待に対する効用です。

お客にとって、商品がどんなに効率的な生産工程で作られたか、ということはまったく関係ありません。顧客満足は期待して買った商品が期待した通り・ないしはそれ以上の生活堪能に貢献した、ということの結果としてもたらされるものであり、商品がどのような生産ラインで作られたか、メーカーが同業他社対比、どんなに優れた生産体制を作りあげているか、ということなど全然問題になりませんね。

トヨタの車が一番売れているということは、それが「トヨタ式生産方式?」で作られたからではなく、その仕様が標的顧客の期待にしっかり対応しているから、ということです。

こうして素直に考えてみると、トヨタの強さは工場にではなく企画室にある、ということになります。
トヨタの将来を占うには、企画系のマンパワーの確保・活用についての仕組みを見るべき、工場を見てもな〜んにも見えないと思いますね。

これはもちろんトヨタに限らず、メーカーレベルに限らず、マーケティング業全般に関わる優先順位トップの課題です。

投稿時間:2003/12/16(Tue) 06:10
投稿者名:takeo
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アフォーダンス
以前にも話題にしましたが、認知心理学者のJ.J.ギブソンという人が提唱した概念で、一言で言えば、「人間が入手・用いようとするする対象に期待する貢献」のこと。
たとえば椅子のアフォーダンスは、快適に腰掛けること。
マーケティング関係ではあまり用いられていないアプローチですが、ラグジュアリィ、ユニバーサルデザインなどと密接に関係しています。
http://www.quolaid.com/library/magbn/mg030530.htm

この概念を踏まえれば、効用とは期待への貢献度合いということになります。期待無くして効用無し。期待、とりわけ現状において未満、不足状態に置かれている「あるべき期待」を察知、提供することが出来るか否かは、グローバライゼーションの激流に棹さしていかなければならない日本企業にとって、事業機会=存在価値そのものであり、存続を左右するテーマです。

製品開発レベル、私見ではアフォーダンスの構想〜設計には、C.アレキサンダーのパターンランゲージ的なアプローチが有効です。
この話はあらためまして。


投稿時間:2003/12/16(Tue) 17:04
投稿者名:takeo
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ブランド・企画と実現力
生活必需品レベルから離陸した社会の課題は、堪能です。
今日、日本企業でトヨタには及ばないまでも「快進撃」中の企業はほとんど「堪能」ニーズへの貢献に成功している企業であると言って過言ではありません。将来を見ればなおさらです。

「自分らしい生活の堪能」とはいうものの、分業が行き渡り・それぞれの分野で高い専門知識・技術が必要となっている現代において、私たちが自分自身で自分らしさ、構想・設計・演出するのはなかなか難しいことです。ここに新しい事業機会があります。

誰もが誰かの役に立つことで自分の目標を達成するというのが分業社会の原則ですが、高度に発達した消費社会においては、それぞれが自分自身が分担する持ち場のアウトプットについて、最終消費者の「堪能」を構想・設計、提案することが求められています。

需要家は、「自分らしく」ということで漠然とした方向は考えていても具体的なアフォーダンスを細部にわたって設計・製作する暇も能力もあるとは限りません。分業担当者から「はい、あなたの欲しいのはこれでしょ」としかるべきアフォーダンスを提案されて初めて、「うん、欲しいのはこれだった」と言うことになるのはけして稀ではありません。

こう考えてみると、ブランドとは、ある特定のアフォーダンスについての保証・公約・アファーメイションだということがよく分かります。

スーパーブランドが時にデザイナーを交代させるのは、環境の変化に対応しながら、顧客の求めるアフォーダンス(期待の内容は変転・アップスケール化する)を提供し続けるためなのだということがあらためて理解されます。

トヨタの快進撃は、帰する所もちろん、提供するアフォーダンスの優秀性プラスブランド力にあります。ブランド力とは積み重ねられたアフォーダンスへの評価、現在〜将来に提供するアフォーダンスの評価如何ではたちまち失寵するという事態もあり得ます。アフォーダンスの実現を実際に支えているのは「現場」であることはいうまでもありませんが、現場で作っているのは「もの」ではありません。最初にアフォーダンスの洞察・設計ありき。この段階は、製作プロセスの合理化・効率化などとはまったく次元の異なる話です。

このように考えれば、トヨタに限らずラグジュアリィ志向企業の将来は、効率のいっそうの実現ではなく、現時点でのアフォーダンスを所与として消化、さらに転変・アップスケール化する期待への貢献、という事業機会を確保し続けることが出来るか否か、というところに着目しなければならないことが自明ですね。そうそう、コンプライアンスとかも。

一言で言えば、トヨタの将来は工場の中で決まるわけではない、ということです。あたりまえのことですけど。

ということで、トヨタ話はおしまい。





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