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K062■「ハウツウ」について

投稿時間:2003/08/03(Sun) 11:39
投稿者名:takeo
タイトル:
「ハウツウ」について
「ハウツウ」本への需要は引きも切らず、書店の棚には処世・能力開発から経営、利殖まで「ハウツウ」本があふれています。
この時期、ハウツウ本に頼るということは何を意味しているのか、考えてみたいと思います。

まず、そもそもハウツウとは何でしょうか?
ハウツウとは「成功体験に基づいて主張されている特定の問題への解答」です。つまり、「○○という問題には□□という対策をとるべきだ、なぜなら過去に成功しているから」というのがハウツウの基本的な性格です。

ハウツウをうまく使うためには、
1.直面している問題状況をよく知り、
2.問題状況にふさわしいハウツウを探し出し、
3.問題に適用する(加工する)
という作業が必要になります。

ここで「問題状況」という言葉を簡単に説明しておきましょう。
問題状況は、問題・主体・環境の三者から成り立っています。
それぞれを簡単に説明しておきます。

1.問題=解決しなければいけないと判断された状況=対応することで+が増えるまたは−が減ると思われる状況のこと
2.主体=問題解決に取り組む主体。問題解決に必要な条件をどのように備えているか、ということが鍵
3.環境=問題と解決主体を取り巻く環境。環境が異なると問題の現れ方、解決に必要な条件などが変わる。主体の能力の評価も変わる。

以上を踏まえて「ハウツウ」について考えてみましょう。
「ハウツウ」は
1.問題が変われば変えなければならない
2.主体の能力に対応しなければならない
3.環境が変化すれば役に立たない
という性格を持っています。

このことを忘れて、ハウツウ=特定の問題の解決について、いつの時代にも成功する方法だ、などと考えているととんでもないことになります。

「もの不足」から「もの余り」への転換期、流通しているハウツウは、もの不足時代のハウツウだということはハウツウの定義から明かです。「もの余り」への移行はあらゆる分野で試行錯誤の真っ最中、ハウツウは確立していないわけですから。

氾濫しているハウツウ本の利用について考えてみましょう。


投稿時間:2003/08/03(Sun) 19:57
投稿者名:まき
タイトル:
ハウトゥー本・・・
小規模小売店2代目28歳、経験もないし、
ハウトゥー本、大好きだったりします。

「90日で儲かる」の神田先生、「営業マンは断ることを覚えなさい」の石原先生など、
最近はふーむと唸らせられる本やメルマガが結構ありますが
なかなか自分のホームグランドで生かせていませんでした。

なるほど。こういうプロセスの考え方をして
問題解決に当たらねばいけないのですね。
問題の解決(+もしくは−の削減)といったらお客様の購買行動も
この理論に当てはまるっちゅー訳ですね。
うーむ。わかりやすい。
大変参考になりました。続きも是非教えてください。



投稿時間:2003/08/05(Tue) 08:32
投稿者名:takeo
タイトル:
ハウトゥー本が隠していること
> 最近はふーむと唸らせられる本やメルマガが結構ありますが
> なかなか自分のホームグランドで生かせていませんでした。

たとえば「販売促進」についてのハウツウ本を考えてみましょう。
一読明らかなことは、ほとんどが、推奨するハウツウが活用できる前提条件、範囲などについては説明せず、あたかも「販売促進」が必要な問題状況においては常にくだんのハウツウが役立つかのように書かれていると思います。

販売促進が必要な様々な問題状況を列挙し、それぞれの状況に対処する方法を述べていたのではハウツウにはなりません。様々な条件はかっこに入れておき、何の前提条件も示さずに「これが成功する販売促進のハウツウだ」と主張します。
これはおそらく筆者が次のいずれかの状況にあるからです。
@自分が提唱するノウハウが常に正しい販促ハウツウだと信じている。
Aハウツウがハウツウとして通用する問題状況の特殊性(範囲や前提条件)を承知しているが何らかの理由で本には載せない。

もちろん、読者が求めているのは具体的に自分が直面している問題の解答となるべき「ハウツウ」なのですが、
@自分が直面している問題がよく理解されていない
A問題と解答(ハウツウ)との関係が理解されていない
という理由から、ハウツウ本に手がのびます。

販促が必要な状況としては、計画通りの売り上げが達成できない、ということが考えられます。私がいつも申し上げているとおり、商品(商店)が売れない理由は三つ有ります。
@お客がいない
Aお客が知らない
Bもっとよいもの(店)がある
この三つはそれぞれ独立していますから、売れなくなった、それ、ハウツウだ、という訳にはいきません。
売れない理由が3つのうちどれに該当するのか、原因を分析してからでないと「ハウツウ」は使えないのです。

たとえば、@は詳しく言えば、自分が提供している商品がソリューションとなる問題状況にある潜在客(標的顧客)が商圏内に・計画売り上げが達成できるほど住んでいない、ということです。
このような状態の時に販促のハウツウ(これは、A商品は標的顧客のソリューションとしてぴったりだが、潜在顧客に知られていない時に告知し、来店・購買をアピールするための手法です)を駆使するのは馬鹿げています。第一に時間の無駄、第二にコストの無駄、第三に経営がどんどん悪化する方向に拍車をかけている。

ハウツウ本が推奨するハウツウを実践して成果が挙がるのは、実践する側の問題状況がハウツウ本が前提にしており、かつ、表には出していない前提条件と共通していたからですね。共通していないと全くおなじ手法を使っても全く効果が出ない、ということになりますから、ハウツウ本に手を出したくなったら、
@自分の問題状況をよく分析し、問題をしっかり確認、必要な解答についてイメージしておく。
A解答となるようなハウツウが提唱されているハウツウ本を探し出す
ということになります。

以上は一般論ですが、現在のような「転換期」にあってはさらに考えておかなければいけないことがあります。


投稿時間:2003/08/09(Sat) 21:44
投稿者名:takeo
タイトル:
ハウトゥー本選びのハウツウ(笑
> 以上は一般論ですが、現在のような「転換期」にあってはさらに考えておかなければいけないことがあります。

ハウツウ本が推奨しているハウツウが「解答」となるべき問題状況はどのように想定されているか?

現在のような「これまでの常識はこれからは非常識」と考えよ、というハウツウさえ提唱されるおりから、ナウツウ本といえども自分が本当に役に立つハウツウの提供を使命とするなら、自分が提供するハウツウがハウツウとして有効である「根拠」を示すことが必要でしょう。なにしろ、大転換期ですから成長経済時代の延長線上出よいわけがない。とすれば、ハウツウといえども、「時代はこのように変わっている」この変化に対応するハウツウがこれだ! という段取りが踏まれていることが必要になります。

この時期、ハウツウ本といえども何はさておき、「時代環境はこう変わっている、競争はこう変わる」というハウツウが前提にしている時代環境についての理論的な説明が不可欠だということになります。

ハウツウ本を選ぶなら、まず目次を開いて「ハウツウがハウツウたる根拠としての時代環境認識をどのように展開されているか?」
しっかり確認すること。
これがハウツウ本選びのハウツウ、第一条です。

言うまでもなく、「時代環境」についての言及がない本はその時点でハウツウとしては失格、読む必要は無いということになります。
もっとも、環境変化を加味して所要の読替を行えば役に立つこともありますが、こういう使い道はハウツウ本購入の動機を逸脱していますね。


投稿時間:2003/08/15(Fri) 23:35
投稿者名:吉田 つとむ
タイトル:
このタイトル、意匠登録
 たとえば、コンピューター・インターネット本などは、どれを選んでよいか迷うほどあります。

 こうした場合にどの本を選んでよいか、そのハウツウ本がないといけないかも知れません。いや、売れるかも知れません。

 そこで、この本のタイトルを意匠登録させてもらいます。

 幸い、私の場合は幸いと言うか、業界初のハウツウ本ですので、その種の選択は起きないと思いますが、時代を得ているものかどうか、機会がございましたら、ご笑覧ください。


投稿時間:2003/08/18(Mon) 22:28
投稿者名:takeo
タイトル:
吉田さんの新著
>  幸い、私の場合は幸いと言うか、業界初のハウツウ本ですので、その種の選択は起きないと思いますが、時代を得ているものかどうか、機会がございましたら、ご笑覧ください。

えーとですね、
アマゾンで注文しようとすると、
1.本のタイトルが長くて覚えられない。
2.吉田勉では検索不能・・・「吉田つとむ」ですね。
ということで、なかなか入手しにくかったんですよ。

なんとかアクセスできましたので、
http://images-jp.amazon.com/images/P/4313180249.09.LZZZZZZZ.jpg

早速発注しました。

入手次第拝読、こちらまたはメルマガで感想をご披露します。


投稿時間:2003/08/23(Sat) 10:42
投稿者名:takeo
タイトル:
Re: 吉田さんの新著
拝読しました。

当サイトも取り上げていただき、ありがとうございました。

政治、都市経営などの領域にとどまらず、示唆するところの多い本、本当に広い範囲についていろいろ考えさせられます。

それらについてはあらためて私なりに消化してテーマ提供、とりあえずの、「書評」は今日明日中にアップします。



投稿時間:2003/08/27(Wed) 21:09
投稿者名:吉田 つとむ
タイトル:
お時間とらせること、恐縮です
 お時間とらせること、恐縮です。

 しかし、著者は問題意識を広げていただくことに、感謝いたしております。恐縮ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。

投稿時間:2003/08/13(Wed) 14:22
投稿者名:takeo
タイトル:
ニッポン「省思考」列島
> 氾濫しているハウツウ本の利用について考えてみましょう。

ハウツウをもとめるということは、次のような条件を認めている、ということになります。

1.自分が直面している問題は世の中にあふれている問題である。
2.すでに解決策が考えられ、実行され、成功している問題である。
3.その解決策は、自分自身が実行できるものだろう。
5.解決策は「ハウツウ」として世間に流布されている。

ということは、
1.あなたが問題の性格を十分理解している。
2.解決策がしめされればその適否を見極めることができる。
といっていることになります。

では、あなたのその自信はどこから生まれたのか?

1.これまでの経験から・・・?論外、こういう人はいないでしょうね
2.何となく・・・こちらは多そうです。

「苦しいときのハウツウ頼み」ということで、自分で考える前にまずは書店に出掛け「○○に成功する法」を探す、私が日頃批判する「自分の頭で考えない」行動パターンそのものですね。書店に並ぶジャンルを問わないハウツウ本の氾濫状態は、亜熱帯化しつつあるなどといわれる日本列島が一方で住民の行動パターンとしてはさらにいっそう省思考化しつつあることの証明かもしれません。
(私は「地球温暖化」はCO2が原因だとかのハウツウ的主張を鵜呑みにしているわけではありませんから念のため)

この時期、問題、問題状況、問題の解決などなどについてよく考えてみる、さらには「方法」ということについてしっかりした考えを持っておくことが必要だと思います。


投稿時間:2003/08/14(Thu) 13:26
投稿者名:まき
タイトル:
ん〜・・・
自分の頭で考えない「省思考」行動パターン・・・
大変耳の痛い言葉です。
今まで自分で考えるという事をしてこなかったのが
悔やまれます。

アホな質問かもしれませんが現状の問題、状況、解決などを
正確に把握する能力を磨くにはどんな方法があるのでしょうか?
え?自分で考えろ!?大変失礼しました(笑)



投稿時間:2003/08/15(Fri) 10:49
投稿者名:takeo
タイトル:
自力思考
> アホな質問かもしれませんが現状の問題、状況、解決などを
> 正確に把握する能力を磨くにはどんな方法があるのでしょうか?
> え?自分で考えろ!?大変失礼しました(笑)

「すべては疑いうる」昨日の新聞報道では理論物理の世界における再審理論を覆すような事象が発見されたそうですね。

もちろん、一から十まで自力で考える、ということは不可能です。
自分にとって大切な事柄についての情報は、「なぜそういうことが言えるのか」とか「そういうことを主張するためには前提として○○という作業が必要なはず、作業は納得できる方法で済まされているか」などに留意することが必要です。

この時期、特に、論証の変わりに肩書きや成功事例を後光にして行われる主張は要注意です。

冒頭でふれた、物理学の理論もつい先頃までは、全世界の物理学者が「これでいい」、真理に近い」と考えて行動していた理論だった訳ですからね。

必要な検討を省略、肩書き・後光に頼るのが「省思考」です。



投稿時間:2003/08/18(Mon) 12:31
投稿者名:takeo
タイトル:
「省思考」事例
たとえば、次のようなこの国の現在〜将来を左右するような問題を巡る用語、ちゃんと定義したうえで使われているでしょうか?

*商店街活性化・サイトを検索すれば当社の定義は明快です。
*構造改革・・・「規制緩和」も同様
*金融再生・・・「不良債権処理」も
*デフレ克服・・「デフレ=持続的な物価下落」の原因はいろいろ考えられるが・・・。

いずれもマスコミで取り上げられない日はないテーマばかりですが、ではそれらの言葉で表現されている問題が解決されると何がどうなるのか?となると誰もはっきり説明していませんね。

つまり、何を目指しているのか分からないまま、「対策」はどんどん打ち出されているが、目的・目標がはっきりしないので効果があったのかどうか分からない=問題把握は正しかったのかどうか、全く分からないまま、さらに対策が講じられるという状況です。

このような事態は、問題が起きている「現場」だけの責任ではなく、問題把握の方法や解決策の立案・検証などのあり方ついて研究、自他の仕事に活かすことが社会的な役割である、研究機関、研究者のみなさんの責任が大ですね。

とはいうものの、実際に問題を解決しなければいけないのは「現場」ですから、現場では必要である以上、出来る限り、自分が中心となって必要な思考を展開しなければならない、というのが現在の状況でしょう。
自力思考を中心に自分のための問題解決のスキームを作りあげる、ということが必要です。


投稿時間:2003/08/23(Sat) 13:02
投稿者名:takeo
タイトル:
「省思考」と「価値観本位」
「省思考」とは、

1.自分が直面している問題をよく考えもしないまま、自分の記憶その他のデータベースから類似事例を検索、あとはその類似事例の処方に基づいて行動する、というパターンです。

2.こんな高頻度・重要・広範囲・今時の問題はすでに誰かが明確に定義し、解決の方向・方法もおおむねセットで提供されている、関係の議論はその線に沿って行われているにちがいない、と何の根拠もなく思いこみ、

3.自分もその問題の当事者ないし関心を持つものとして議論・行動に加わる、という思考=行動パターンのことです。

つまり、現実の問題解決の方法として、学校数学の解答ハウツウとおなじ手法を採用している訳です。
ちなみに学校数学というのは、解法のデータベースが勝負、公式さえ覚えればラクショーですから、学校数学が出来る=問題解決力がある、とはなりません。「活性化ハウツウ」をいくら記憶し・使いこなしても、肝心の「目的・目標」との関連を誤解していたのではそもそもの目的・目標の達成にはつながりません。

「価値観本位」とは、

1.自分が本当にやりたいことを確認し、
2.それをやり遂げるために必要なことを調べ上げ、
3.実現する方法を考え、実行する

という行動パターンを装備することが必要です。
「価値本位の時代」は「省思考」では生きていけません。すなわち、自分が「価値」と考え・実現する・堪能する、というためには「省思考」では無理です。

「省思考」というのは、「昔正しかったこと」+「学校数学解法ハウツウ」のことですからね。昔ではなく今日ただいま、学校数学ではなく「数学」の問題解決には役に立ちません。

「価値観本位」=自力思考が原則だということを確認しておきましょう。

自力思考による問題解決=事案堪能型ライフスタイルの実現か、省思考=もの不足時代のふる〜いハウツウ・頭のなかで空回りを続けるのか、なかなか興味津々たる時代ではあります。

ということでいよいよこのサイト、「問題解決能力の開発」という人類永遠の課題について展開すべき時が間近のような・・・(W



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