投稿時間:2002/04/26(Fri) 17:44
投稿者名:takeo
タイトル:事業にとって計画とは何か・序
予告した「計画論」ですが、商人塾の方では「基本方針」の講義を準備中なので、とりあえずこちらでほんのさわりだけ。
「平成の大合併」は否応なく地域の自立を強いるわけで、ぼけっとしているとこれまで以上に霞ヶ関の出張所にならざるを得ない運命が待っています。なにしろ3,000ある自治体を1,000にするらしいので、これまでよりもぐーんと眼が行き届くことになります。
眼が行き届くようになったからといってこれまで以上に面倒を見てもらえる訳ではありませんから、やはりこの機会に自立・自治をこれまで以上に強化しなければならない。このとき問題になるのが「計画立案」ということです。何しろ国も認める「歴史的転換期」です。これまで応分の能力を持っていたところも果たして新しい時代に役に立つ水準の能力なのか、点検が必要です。過信していると20世紀的地域づくりの計画などが出来上がってとんでもないことになる。
その点、現在能力に乏しい、装備しなければいけないと考えている自治体は恵まれています。至らぬ蓄積がないだけ新しいツールを受容するキャパがあるわけですから、うまく取り組めば絶好のチャンスです。この機会に21世紀型問題解決−計画立案能力を全域的に装備しましょう。
本当は「問題解決論」から入りたいところですが、長くなるのでさわりの計画立案のそのまたさわりだけ。
投稿時間:2002/04/26(Fri) 18:30
投稿者名:takeo
タイトル:1.事業が決定されるまで
当たり前のことですが、計画は事業を成し遂げるために作られます。
遡って事業は何のために行われるかといえば、所与の目的を特定の環境のなかで達成するため、ですね。以下、このスレッドは計画策定に当たる人物=プランナーを想定して彼がやるべき仕事について考える、という体裁で進めたいと思います。
大規模かつ実現に時間がかかる目的の場合、通常目的は細分化された目標として示されます。目標は一つ一つ達成されることで目的の成就に貢献します。逆に言えば目標は、特定の時空(時期と場所)における目的実現のポイントであり、これを達成することで目的の実現に大きく接近することが出来ます。目的の規模によっては目標はさらにブレイクダウンされていくわけですが、その場合、再細分化された目標にとって元の目標は「下位目的」と見なすことが出来ます。このあたりは別の機会に譲ります。
まずここで問題。
目的を実現するためには特定の時空で目標に細分化し、それらを達成することを通じて目的実現を目指すわけですが、この時、細分化した目標は果たしてその時・その場所における目的実現のための仕事のテーマとして適切だろうか?という問題です。
目的を目標に細分化するとき、適切に分解しないととんでもないことになります。目標が間違えばどんなにうまく事業を成し遂げても目的実現には近づけません。目的から環境与件をにらみながら如何に目標を引っ張り出すか、ということはプランナーの腕の見せ所の第一ステージですが、このあたりについては、計画立案段階をマスターすれば自然に身につくことでしょう。
次に細分化された目標を実際に達成していく環境及び投入可能な資源を把握します。このあたりも省略です。
プランナーが事業計画を作るとき、所与として示される「目標−環境−資源」の三者を総称して「問題状況」と呼ぶことにします。プランナーの仕事はこの問題状況を抜け出す・目的実現に向けてさらに高次のステージに向けてブレイクスルーしていく仕事=事業を計画することです。
したがって、事業計画を作るに先立って「事業の選択・決定」という仕事があります。
事業は、特定の問題状況で目的実現に向けた活動のシナリオの名前なのです。事業を決定した時点で特定の時空における目的実現のための目標の達成された状況、可変環境のなかで投入可能な資源を編成・運用してその状況を実現していくシナリオがプランナーのアタマのなかにハッキリと描かれていなければならない。
事業とは、ある目的を実現するために特定の時期・場所で達成しなければならない目標を投入可能な資源を適切に編成・運用することで達成していく・考え抜かれ、選び抜かれた仕事の名称、だということになります。
特定の時空においてある事業が実施すべき事業として選択決定されるまでには多くの前提となる作業があるということが理解差されたことと思います。
場合によっては、問題状況から事業が出てくるのではなくて、演繹されるのではなくて、何らかの外的な事情から事業着手が決定されることがあるかも知れません。実務では間々あることです。
この場合には朔及的に問題状況と事業の整合性が構成されることが必要です。良く「消化事業だ」というようないい方をする人がいますが、これは自分自身の無能さを告白しているに等しい。
問題状況の全体を把握していれば、消化事業などという発想は出てこないはずです。第一そういう事業に関わるほど余裕のある時期ではありません。
投稿時間:2002/04/30(Tue) 07:23
投稿者名:takeo
タイトル:Re: 2.事業を計画する
特定の状況において目的実現に接近するための行動が「事業」ですね。
事業を選択するということは、繰り返しになりますが、目的が分かっており目的を実現していくために達成しなければいけない目標群が分かっており、調達可能な資源・手段を組みあわせてそれ等を達成していくシナリオが作られている、ということです。事業とは特定の問題状況で現在から出発して目標達成に至る「乗り物」だと考えることも出来ます。ただし、この時点ではまだ乗り物の設計図が出来ているだけ、これを組み立て、運転してゴールを目指すことになります。この組み立てこそが計画の機能です。
事業は、シナリオに沿って組み立てられますが、シナリオが完全に出来ていれば計画はスラスラできるというものではありません。シナリオはプランナーの頭の中で可能な選択肢のうち最適な目標達成の道として考えられたものです。実際にその道をたどっていくことになると、鳥瞰的には平坦に見えた経路も実際には難しい難路があったりします。様々の条件を調達可能な手段を組みあわせ、最適手順を編集しながら乗り越えて目標達成に至る行動を描く、シナリオをスケジュール化する、これが計画の役割です。
それは単に行動をスケジュール化することではなく、スケジュール化の前に最適行動の選択の連鎖があるのだということを理解してください。
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