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各地の状況 ログ
[123] 「商人塾」は活性化成就の鍵 Date:2003-07-28 (Mon)
最近発見したこと。
「商店街活性化フォーラム」で展開しようとしていますが、TMOを立ち上げることと、TMOを運営していくことの間に、野坂昭如風に言えば ♪暗くて深い河がある♪ と言うことです。というか、河があることに関係者が気づいていない、と言うことに気付きました。

つまり、TMOがその任務を果たすためには、中心市街地活性化に関わる各組織・個々人がそれなりのスキル(問題解決に必要な能力)を持っている、と言うことが前提になります。
ところが現実には、そのようなスキルは関係者のどこを見ても誰を見ても十分持っているとはとうてい言えない状況だと言うことが分かります。

これは実は大変なこと、
1.中心市街地活性化基本計画の策定
2.TMO構想の策定
3.TMOの創設
という各段階を必要なスキル抜きでやってきた、と言うことですからね。
どこかでいちどしっかりチェックしておくことが必要です。

さて、
「深くて暗い河」を渡るにはそれなりの手練手管が必要でありまして、当社の「商人塾」は「中心市街地活性化」という河を渡るための、取り組みのスタートとなる事業です。
誤解の無いよう、商人塾はあくまでもスタートですからね。
塾で提供される知識(つまり当サイトでご披露している知識)を方法は不問、覚えさえしたらTMOが動き出す、そんなことはありません。
もちろん、TMOであろうとコンサルタントであろうと、塾を開催する代わりに当サイトの記事を閲覧して分かったつもりになる、というのは全然駄目、中心市街地活性化、TMOに関わる問題「3」を理解していないことを自白しているに等しい。

商人塾は、TMOの創設とTMOが任務を遂行するために必要な事業に取り組む、という「手段と目的」の間に横たわっている、「中心市街地活性化の関係者に活性化を推進していくために必要な能力が不足している」という 「暗くて深い」、「目には見えない」 河を渡るために一度はクリアしなければならない関門です。
前述したとおり、必要な能力は関係知識を入手すればOK、身に付くというものではありません。「商人塾」が目指すところを他の方法で達成することは出来ません。


最新の「商人塾」の企画は、
http://www.quolaid.com/seminar/seminar03.htm
にあります。

重ねてご忠告。
当社の理論に基づいて中心市街地活性化に取り組もうとする場合、「商人塾」は、必ず通過しなければならない結節点、当社が「知識を切り売りする機会」では有りませんからね。単なる知識修得の場だと考えて代替策などを考えたりしないこと。

「商人塾」はみなさんが「暗くて深い河」を渡る準備をするチャンスです。この意味が分からない人(商人塾を体験していないほとんどの人、かな?)は掲示板の方におつきあいください。

♪暗くて深い河なれど エンヤコーラ 今夜も船を出す・・・。




[122] 「商人塾」について Date:2003-07-16 (Wed)
類似の名称の事業に取り組んでいる例は各地にあります。

多くは、著名講師を塾長に、カリキュラムは「商人道」の称揚、「先進事例の視察」、「一店一品運動」、「店舗の相互診断」などで編成、中には10年以上も継続されているところもあるらしい。継続は力なりとか言いますが、商業系の事業で3年続けて成果が出ないなら、これは見直しが必要でしょう。

これらの「商人塾」事業に共通しているのは、「理論」が欠落している、と言うことです。中心商店街の天敵と目された郊外型ショッピングセンターが軒並み前年割れというこの時期、「塾」を開催するなら理論を学ばずに何をしようというのか、不思議ですね〜。

商店街が駄目になったのは「商人道」が廃れたからなのか、成功し、手本となる事例があるのか、「一店」は「一品」売れ筋を作り、それが売れればOKか、自店を人からチェックしてもらわなければいけないレベルの商業者が寄り集まって他店の診断?笑わせないでね〜(W。

と言うわけで、商人塾、やるとするなら(これはやることが活性化の絶対条件)、「理論」を体系的に修得する以外に目的は無いはずです。
とにかく、すべて、人間の問題解決的行動の基礎には意識するとしないとに関わらず、「理論」が置かれています。
商店街のみなさんも人間である以上、その経営は理論に基づいて行われている訳です。激動の時期、意識的に適切な理論を修得しようとしない人は、四海波穏やかだった時代の見よう見まねの経営手法から一歩も脱することが出来ません。
これで活性化が達成できるのなら、「基本計画」以下の取り組みは不要だと言うことになります。

という訳で、当社の「商人塾」、他の例と一緒くたにしないでくださいね。間違っても「そうだ、商人塾が必要だ、うちはもうやった、やっている」などと安心してはいけません。
当社が提唱しているのは「商人塾」ではなく、商人塾で修得しなければならない「理論」であることをくれぐれもお忘れなく。

[121] 卸団地の課題 Date:2003-07-05 (Sat)
 卸団地に対して、「活性化ビジョン」作りの提案をしたことがあります。

一般に卸団地とは、
1.都市に立地する各種の卸売業者を
2.郊外のアクセス良好な立地に集積させ
3.業務の効率化を実現する
という趣旨だと思います。高度成長期には多くの都市で市街地に散在していた卸業を組織して卸団地協同組合が開設されました。

バブル崩壊以降、組合員の業績が悪化するにつれて団地も大きな状況変化に見まわれることになりました。取引先である各地の「中心商店街」の不振は団地に参加する組合員企業を直撃し、転・廃業を余儀なくされるケースが相次いでいます。現在の情勢が続くなら組合の存続すら危うくなる、という状況のところが少なくありません。

商店街の空洞化と同じく卸団地の空洞化も大きな問題です。
卸団地は小売業者から見れば、相対的に近場で仕入先が集積されている、と言うことですから時間・コスト的に便利なところでした。ここが空洞化すると新しい取引先を作らなければならない、という仕事が出てきます。小規模なところでは仕入れコスト・時間的に対応できない、規模縮小、転・廃業やむ無しというところも出ていることでしょう。

もとはと言えば、品揃えをはじめリテイルサポートを役割=事業機会とする卸売業が環境の変化に適切に対応したリテイルサポートを提供することが出来れば、現在の流通業界(小売を含む)の現状は大幅に変わっていたはずです。
中心市街地〜商店街の現状は、当事者である商店街立地の各個店もさることながら、視野を広げれば流通業界全体の顧客ニーズの変化に対するミスマッチという大きな問題があったのです。

当社は、このような状況にある組合に対して団地ぐるみで対応を組み立てる「活性化構想」構築の取り組みを提案したことがありますが、「異業種のあつまりだから」という意味不明の理由で取り組みには至りませんでした。

今日我が国では、産地〜卸団地〜商店街と消費財のチャネルはその全ての段階が「空洞化」しています。ほとんどの国民が「自分の好みを中心に生活を楽しめる」という歴史上初めてのレベルに到達した我が国の経済、このままでは「生活の空洞化=生活を楽しむすべは知っているが、実際に楽しめる条件が無い」に陥ることは火を見るよりも明らかです。

従来、卸団地組合は、中小卸売業の集積による規模メリットの実現という対大手の戦略として考案された機能だと思いますが、もはや卸売りが直面している課題で規模を拡大することで解決できることは何一つありません。
卸売業の課題は、大きく変化した最終顧客のニーズへの対応に苦戦している取引先への品揃えをはじめとするリテイルサポートを再構築することですが、中小規模の卸売業者が単独で取り組みには一般的に力量が不足しています。

せっかく組合があるのですから、団地ぐるみでこの仕事に取り組むことが緊急のテーマです。
環境の変化と対応の方向と方法について、各組合員が確立する、と言うことが団地活性化には不可欠ですが、先述のように個々の組合員にそのような力量はありません。組合が中心となってjこの仕事に取り組んでいく組合員を支援するシステムを考えるべきです。







[120] 商人塾の取り組み Date:2003-06-28 (Sat)
現在進行形の取り組みは、商店街有志を中心に、組合の役員レベル、TMO、会議所、市役所の担当者が受講するという理想的な取り組みになっています。なにしろ当社の商人塾は受講した人としなかった人とでは活性化を巡るものの見方考え方が全く違ってしまう、話がかみ合わなくなってしまいます。
 関係のみなさんが一回目の商人塾で一堂に会するというのは、商人塾をスタートにする活性化への取り組みの段取りとして本当に理想的、他の市町村にとっては(武雄市を含み)うらやましい限りでしょう。

当社が提言している、中心市街地活性化の「共通の土俵づくり」が確実に始まったわけですが、これは商店街活性化−中心市街地活性化の成功のみならず、地域をあげた都市経営の新しい都市経営の試みとしても大変意義のある取り組みです。
当社も全力(というほどの力でもありませんが)を挙げてお手伝いします。

すでに三セクTMOも本格的に立ち上げられているところですから、理論の共有で文字通り鬼に金棒、全国的なモデルになる可能性が高いと思います。成功すると、成功事例視察=「広域デスティネーション」が生まれるという副産物がありますから楽しみですね。

「お、どこの話だ?」と思った人は成功事例を聞いてから「うちとは条件が違いすぎる」とため息をついたりすることがないよう、今からそれぞれの問題状況に応じた取り組みをスタートさせてください。

第一にやるべきことは、もちろん「商人塾立ち上げ」の段取り、シナリオづくりです。言うまでもなく当社はこの時点から一貫した支援をすることが成功への鍵だと考えています。商人塾の開催について地元の合意を作り上げてから、といっていたのでは出来ることも出来ないままで終わる可能性があります。

やる気のある人は立場は不問、ちょっと遠いかもしれませんが、まずは是非一度、当社をお訪ねあれ。

[118] 講習会 Date:2003-06-20 (Fri)
テーマ:「中心商店街活性化の最終方針」
18日、午後7時〜10時。受講者約30名。
前にも書いたように今回の講習会は実施に先立って商店街のお店を各戸訪問、参加を勧誘しました。

商店街で様々な事業に取り組んでいながらほとんど成果が上がらないのは、@事業の最終目的=商店街活性化がきちんと定義され、A個別事業は最終目的達成のための総合的な取り組みの一環として位置づけられ、B実施に当たっては目標が設定され、C終了後は目標を基準に事業を評価する という計画的な取り組みが行われていないからです。

イベント、研修、環境整備などなど取り組まれる事業はすべてバラバラ、散発的であり、関連性が無い。こんな取り組みでは何年、何十年やっても活性化できるはずがありません。

各種の事業を一体的・段階的・計画的に推進して実現する目標、商店街をショッピングモールに転換する、という最終目標が明確に立てられていないと、それぞれの事業は孤立することになり、成果をあげることができません。

講習会では以上に加えて、リーダーの役割が大きく変わったことを力説、理論武装の重要性を説明しました。「ラグジュアリィ」という方向と「個店の店づくりの転換」という方法について、どれだけ理解されたか、確認したいと思います。

特に次代を担う若い人たちは協力して今回の講習会を契機に「商人塾」の開催に向けて努力する事が必要です。みなさんの将来を直接左右する大事な事業ですから、そのつもりで万難を排して実現すること。


[117] 活性化への取り組み Date:2003-06-18 (Wed)
モールぐるみの経営革新への取り組み

テナント(組合員)に対するヒアリングの最中です。
取り組み課題・支援内容を決定し、企業・組合・当社の担当者によるチームを結成して取り組むための準備です。

ヒアリングの態様は問題意識により、トップ単独、経営陣、社員ぐるみと様々です。

現在の業績よりもこれから取り組むべき課題が明確になっているところとそうでないところの差が大きい。この時期、経営課題が明確になっているということは、経営努力の商店が定まっているということですから、エネルギーが違います。

ヒアリングで私が申し上げたことは、「土俵の再構築」ということです。トップと従業員、企業と取引先など、「最終顧客の満足の実現を通じて目的を達成する」立場を共有する人たちがそのことを再確認し、目的を共有して協働する、ということ。
ポジションや所属を越えた「チーム」を結成して課題に取り組むことが「共通の土俵」づくり。

「ショッピングモールへの転換」を目指す中心市街地活性化の取り組みにも通じるアプローチです。

[116] 講習会への出席勧誘 Date:2003-06-15 (Sun)
総会時期が終わり本格的な事業の時期を迎えました。

モールぐるみの経営革新、商人塾〜行動計画つくり、本格的な取り組みへの合意形成 とちょうど段階別の事業の支援が始まっています。

昨土曜日は、近場で行動計画つくりを提案する講習会について、該当街区のお店約60店を個別に訪問、挨拶と参加の呼びかけを行いました。その前に組合と会議所からの呼びかけも行われており、私が回って一応「とどめ」、できるだけ多くの参加者を確保しようという魂胆です。

スケジュール的に可能な場合は講習会に先立って、講師自身が出席を呼びかけて商店街を一巡する、というのは結構珍しい手法でしょうね。私は日ごろ「プロ」であるべきと主張していますから、プロの講習会にふさわしい出席者数を確保しなくちゃ、ということになります。出席者が多いとそれだけで雰囲気が盛り上がります。常習的に参加者が少ないところなどはなおさらです。
何しろ「やる気のあるものだけ」ということでは商店街活性化は実現できないのですから。

これは当社にも事情がありまして、中心市街地活性化を一枚看板にしている以上、「お近くじゃどんどん活性化してるんですか」とか聞かれたときにうつむきたくはないですからね(W

もちろん、一巡の結果はこれから作成するテキストにしっかり反映させます。

[115] 「閉まるなシャッター」 商店街ルポの総括 Date:2003-06-09 (Mon)
 下欄で論評してきた商店街ルポ「開けシャッター」(西日本新聞 5月26日〜6月5日にかけて計9回連載)を総括したいと思います。
連載の趣旨は、九州各地から元気のある商店街の取り組みを報告する、ということで終わってみますと各県から一例宛、合計9回、9事例という枠組みでした。

取り上げられた事例を類型でみますと、
1.商業集積としての新しい機能の創出を目指したもの
都城市 オーバルパティオ 商店街有志による小規模集積の開設
宮崎市 ギャザー 有志によるショッピングモールの開設・運営
熊本市 上之裏どおり 有志によるアーケード隣接地区の活性化

2.商店街単位の取り組み
臼杵市  「シンボルロード」計画に基づく街並み景観整備・店舗デザインの統一
大牟田市 百貨店退去後の建物の「核店舗」としての活用
鹿児島市 ITを活用した「ネットワーク事業」
佐世保市 イベント事業への取り組み
佐賀市  空店舗を利用した集客事業の研究
北九州市 イベントや百貨店と提携したスタンプラリー 

というように、@事業に参加した個店の活性化そのものを目的とした事業(以下、繁盛店づくりと略記)と A共同で取り組む参加者への直接的なメリットが不十分な事業(以下、おつき合い事業と略記) に区分することが出来ます。
面白い?ことに、繁盛店作りに取り組んでいるのは全て「有志グループ」、「おつき合い事業」は商店街単位の取り組み、と明確に分かれている、ということです。

 「繁盛店作り」のほうは、「繁盛したい者、この指止まれ」で始まった事業ですが「おつき合い事業」のほうは、「なるべくみんなが参加しやすい」などという条件付きで取り組まれる昔ながらの商店街単位の取り組みが多い。

 言うまでもなく、現在〜将来の経営環境で、組合はイベント、個店の活性化は個店の仕事、というような区分は許されません。あなたの街の中心商店街で、独力で活性化を実現できるお店が何店ありますか? 考えてみればすぐに分かることですね。
この時期、きちんと勉強するという作業を抜きに既存店舗が活性化できるということは有り得ません。街ぐるみ、中心商店街ぐるみで「転換」について勉強し・取り組みを計画し、実践する。転換に成功する店が生まれ・追随する店が増える、という方向以外に商店街ぐるみの活性化は絶対に実現できません。
例えば、佐世保市の場合、ちょうど居酒屋、100均、アミューズメント系など通行者数を狙って新しいアーケード業種が参入してきたわけですが、これらの参入によって、不振に悩む既存店舗に好影響がでる、などということは絶対にありません。
これからも空店舗がでてくることは、現在の状況から見て確実ですが、やがて空店舗が埋まらなくなってくることは火を見るよりも明かですね。
 その時になってイベント事業が街の「小売機能の充実」という活性化の基本中の基本についてなんの力も無いということが明らかになります。
今日、中心商店街がイベントで売上げが作れる、ということは絶対にありません。
むしろ、イベント当日は売上げが下がることも覚悟しなくてはいけない、もちろん、イベントの翌日からイベント効果で来街者が増える、などということは金輪際ありません。

 さて、本論に戻りまして「開けシャッター」ですが、商店街活性化の事業として『開けシャッター』を目指すのはあまりにも短絡した考え方です。前述のように、空店舗全部に繁盛店に入店しても既存のお店の活性化には全く関係有りませんか、いずれ余力が尽きた順に既存店は空店舗に変わっていくかも知れません。空店舗対策では街の活性化は実現できないのです。
現在の時点で空店舗対策とは、まず、これ以上ぜったいに空店舗を増やさない、ということを決意しそのための事業に取り組むことです。現在営業中のお店が繁盛店に変わっていけば、ほうっておいても空店舗を利用した出店者がでてきますが、その逆は有り得ません。

 そういうことで、この時期、商店街をチェックしたかったら「閉まるなシャッター」既存個店の繁盛店への転換を通じて街の活性化を実現する、という方針を掲げているところを発見することが大切です。
さしあたり、次の商店街はおすすめです。問題は山積していますがそれらの問題を含めて参考になると思います。

http://www.matsubara-mall.jp/

ちなみにこの商店街では多くの店舗が閉店時間中もシャッターを下ろさず、深夜までショーウインドの照明をつけています。「閉まるなシャッター」を「閉めないシャッター」で実践していますね。

(この記事は改善します)

[114] 逆境をバネに 北九州市黒崎商店街 開けシャッター(最終回) Date:2003-06-05 (Thu)
「商店街ルポ・開けシャッター」、最終回は北九州市八幡西区JR黒崎駅前の商店街です。

つい先日3セク経営の黒崎ターミナルビルが民事再生法の適用を申請しました。

http://www.com-city.tv/  com-city話は省略しまして。

記事によれば、
商店街の皆さんが鎧武者の一群に扮してコムシティの玄関口で「元気な黒崎目指して踏ん張れ コムシティ、エイエイオー」と気勢を上げた,ということです。

コムシティの破綻という状況に「このままでは黒崎の灯が消える」と、
@毎月2回武者行列などのイベント
A百貨店と商店街の回遊を促すスタンプラリー
B「納涼電車」企画への参加
などの取り組みを検討しているとのことです。

活性化に向けて住民が策定したとおりの再整備計画には、
@長崎街道を行かした道路
A市場風の街
などのアイデアが出されている。
しかし、「テーマがバラバラでは商店街全体の魅力アップは疑問」という指摘も組織の中から出てきている。
というのが記事の本筋のようです。
で、担当記者さんは一体なにを取り上げたかったのかというと・・・?

結局、「逆境のなかで「コムシティがんばれ」と連帯のエールを送った」ということでしょうか。しかし、これのどこが「逆境をバネに」なのか、う〜む、分かりませんねぇ。

黒崎商店街の取り組みですが、この街もまた自分たちのお店を改革する取り組みについてきちんと問題意識をもっているようには見えません。これは記者の力量とは関係ないと思います。実際に、個々のお店の活性化と街の活性化に同時並行で取り組む、それ以外に活性化の方法はない、と認識しているならこの記事に取り上げられているようなレベルの活動・活性化策は出てきませんからね。

これまでこのシリーズで取り上げられた他の商店街と同じように、シャッターの内側の問題をシャッターの外側で解決しようとしている事例です。もちろん、これは絶対に成功しません。常連の皆さんには言うまでもないことですが。

記事のまとめ
「大型施設の破綻をきっかけに、大きく連帯の輪を広げようとする黒崎商店街連合会。厳しい道のりだが、各地の商店街と同じく、勝ち名乗りを上げる日を信じて歩き始めたのは確かだ。(おわり)」

ということで、ホントにこの連載、上にカッコで引用した2行でお終いです。唐突なおわり方でびっくり。疑問が雲のように湧いてきます。

「勝ち名乗り」? どうして勝つの?
「信じて」? 何を信じて?
「歩き始めた」 ほんとうに? どこに向かって?
「各地の商店街と同じく」? おいおい
ということで、今日のまとめについては端的に、「デタラメでしょ」ということになりますね。

昔はこういう新聞記事を読んで「活性化」という言葉と記事の内容をところどころ覚えておいて、「活性化のために何か取り組もう」「何もしないよりなんでもいいからした方が良い」などというでたらめな理屈のもと、記憶の中から「スタンプラリー」、「客寄せイベント」などの「アイデア」を思い出し、「自分の店の問題の方が優先する」という発言もないまま、みんなで取り組む、ということが多かったのは事実です。
その結果はどこの街でもご承知のとおり。

同じようなことを全国至るところで延々と続けて来たあげくに陥っているのが現在の空洞化ですからね。昔と同じような発想の販促を・昔より魅力のない商店街で・昔よりちゃちな企画内容で・取り組んだとして、いったい・何が・どうなるというのでしょうか?

自分の店の業績を直視しながら少しは自分の頭で考えてみたらどうですか、というのがシャッターの外側の事業に終始ししている商店街の皆さんへのいつもながらの忠告です。いえ、嫌われるのは分かっているんですけどね〜。
特段、黒崎の皆さんに限って言っているわけではありませんよ。

さて、総括もないまま終わってしまった商店街ルポでしたが、せっかくですからこの欄ではもういちどきちんと総括してみたいと思います。

それにしても。
「開け、シャッター」? 
う〜ん、開きませんねぇ、この企画では。
「閉まるな、シャッター」とすれば、もっと役に立つものになったのではないでしょうか。

[113] 逆転の発想 佐賀市中心商店街  開けシャッター (8) Date:2003-06-05 (Thu)
6月4日

 今回は当社の土地鑑バリバリの佐賀市の取り組みです。

今春、佐賀市は流通マスコミの話題をさらいました。世界一の小売業、
ウオルマートの日本進出1号店が同市の中心商店街から車で10分という
立地にオープンしましたからね。
記事ではオープン直後、ジャスコの社長が視察、「良くて来た店だと
危機感をあらわにした」そうです。はぁ〜、そうなんですかぁ。

ちなみに当社のモラージュに対する論評はこちら。

http://www.quolaid.com/cgi2/sunbbs/index2.html?

http://quolaid.com/cgi/kforum/wforum.cgi?no=390&reno=no&oya
=390&mode=msgview&page=0


佐賀市中心商店街はモラージュとSCイオン大和店というそれぞれ37,000uクラスの大型SCの出店により両SCの熾烈な競争の中間に位置する、という立地条件に陥りました。

もともと佐賀県は商店街施策では先進県といわれ、国の事業メニューの
中には佐賀県由来というものも有るようです。TMOのスキームに先行して立ち上げられた三セクの「まちづくり佐賀」が手がけた商業集積「エスプラッツ」の破綻に至る経緯はご承知の方も多いと思います。

当社の見解はこちら

http://www.quolaid.com/library/flash/flash0107.htm

中心商店街の現状は、説明が難しいのですが自然発生的に「ショッピングモール」を形成している唐人町地域と旧態依然たるその他の街というように二分されます。ちなみに当社は一昨年からモールへの転換の取り組みを商店街に提言していますが、エスプラッツの後遺症もあるのかなかなかスムースに進みません。
しかし、取り組みは必ず実現するでしょう。
 
以上は前置きです。

今日の記事は、佐賀大学が空店舗を利用して「ゆっつら〜と館」という施設を開設した、ということがメイン。「店があるから人が集まるのではなく、人が集まるからみ店ができるという発想」での取り組みとのこと。推進母体として「まちづくり市民の会」が結成されており、「空店舗を低料金で借り、お年寄りのたまり場をつくりたい。囲碁・将棋、手芸なんだっていい。福岡都市圏のシルバー世代も呼び込める」「佐賀は一周遅れのトップランナーになれる」と館長さん。

増えている空店舗を利用して来街目的を多様に作っていく、記事で見る限り、まちづくりの戦略は、商店街が自然発生した(佐賀市の場合は先人が計画的に作りあげた商業ゾーンでしたが)シナリオの再現、まず人を集める・集まった人を目当てにお店が出てくる、だんだん増えて・・、ということでしょうか。

記事は、「再開発ビルが失敗し、空洞化が進む古い商業地だからこそ出来る再生の方向だ」と手放しの評価です。

私どもは「まちづくり」と「中心市街地活性化=商店街活性化」は全く異なる概念だと考えています。商店街活性化とは、商店街が新しい時代環境に於いて物販機能=買い物行き先として再生することです。それも基本的に既存個店の「現状から繁盛店への脱皮」という方法によって実現します。
そのためには、今すぐ、個店個店の商売のありかたの改革に着手しなければならない。改革への取り組み、個店にその意欲があるうちが最後の機会です。

 一方、まちづくりのほうはそれほど緊迫した情勢ではありません。
前述のような人が集まる機会、施設作りがまちすくりの基本的な方向、方向を決めて出来る範囲で出来ることから始めればよい、ということでしょうか。

ところで肝心の佐賀市中心部の商店主達の動き、記事からは全く伺うことが出来ません。商店主達は何を考え何に取り組もうとしているのか?
この話題は、連載が終わってから本欄でご紹介いたしましょう。
「一周遅れから回れ右してトップランナーへ」とは商店街のリーダーの皆さんが「モールへの転換」という方向を目指して言い始めている相言葉です。

[112] 佐世保市四ヶ町 開けシャッター (7) Date:2003-06-04 (Wed)
イベントで街が活性化した?

当社所在の武雄市から車で30分、佐世保市の中心街4ヶ町です。
直線で約1`日本一長いアーケードだそうです。年中、本当に人通りが多い。米海軍の佐世保基地があり、かっては他の街とはちょっと変わった雰囲気がありました。

 一般に商店街のアーケードには、学校の「渡り廊下」的な機能があります。A地点からB地点へ移動するときに、アーケードが利用される。こういう街では人通りは多いがお店の業績は他の街と大差がない、つまり活性化が必要だ、ということになります。 福岡で言えば新天町、川端通り、北九州の京町&魚町、熊本の下通りなどかっての大繁盛商店街にはそういう傾向がありますね。(中には「○○への近道です」などという情けない看板を出している商店街もあったりする。頼むからそういうことはしないでください。)
 このような特性を持った中心商店街には一般的な商店街とは異なり、空店舗を利用した「自然発生的」な新規出店が見られます。これはとおりの通行量を当て込んだアミューズメント、ディスカウント理美容、外食・テイクアウト、100均など最近出現した非・物販の業態が主です。
通行量はどうかすると昔よりも多いくらいですが来街者のほとんどが
通過機能としての利用ですから肝心の入店客数は激減している、ということになります。傍目には活気があるが、既存店舗の業況は他の街と大差がない、ということです。これは一般論です。

 さて、四ヶ町で取り上げられている話題は、イベント。
クリスマス時期には「きらきらフェスタ」というイルミネーションつきのイベントに取り組み、さらに札幌のYOSAKOIに連動した「YOSAKOIさせぼ祭り」をスタートさせた。
 郊外に進出したショッピングセンターの影響で中心部の売上げは140億減少、記事にはでていませんが、当時は空店舗も30店近くありなかなか埋まらない状況が続いていました。
 記事によれば現在は空店舗は数店になったとのこと。
イベントのおかげで「減少傾向が続いていた休日の通行量が01年以降上昇に転じた」。講演に来たコンサルタントは「日本一元気な商店街」と呼んだとのこと。

 イベント主導の活性化、成功という文脈のようですが、「商業集積としての充実を目指す以外に活性化を実現する方法は無い」という当社の視点では別のことが見えています。通行量を目当てに新規出店した店舗は、それぞれ自店の思惑で出店したもの、空店舗が減ったからといって商業機能が充実したわけでいはありませんから、既存個店にプラスの効果が生まれたかと言えばそれはちょっと期待できません。

「街を舞台に、商店街と市民が感動を共有することが大切」ということだそうです。商店街の皆さんが自分たちも市民なのに「商店街と市民」などの発想が出るのは不思議です。商店街なら相手は「お客」ではないでしょうか。

 商店街がその存在理由の強化という方向を棚上げして、市民とともにイベントで感動する、という方向を選択したとして、そこから個店の売上げアップ、街全体が商業集積として繁栄するというシナリオが描けないことは皆さんが既に経験されているところです。商店街への来街目的は買い物、買い物の目的はシャッターの内側でのみ達成可能、という大原則を考えれば、思い半ばを過ぎると言わなければなりません。


[111] 鹿児島・天文館 開けシャッター (6) Date:2003-06-03 (Tue)
5月31日掲載

 天文館通といえば、宮崎市の橘通りとならんで南九州を代表する中心商店街ですね。「天文館どっとこむ」というサイトでも有名。

http://www.tenmonkan.com/newindex/index.htm

 今回の記事は、この街が取り組んでいる「ITで集客」事業です。
「天文館ネットワーク構想」というのだそうですが、@街角情報端末による情報提供、Aポイントカード事業 さらに将来は、Bネットショッピングが出来るバーチャルモール づくりなどが事業メニューになっているそうです。
ITと商店街、一時期こぞって取り組まれましたが今では放置されているサイトが多いようです。その点、「どっとこむ」は活気があります。ただし、リアルのお店、商店街の活性化とどう結びつけていくか、ということではまだまだ工夫の余地があるようです。

 原則的なレベルとしていえば、リアルが駄目ならWebがあるさ、というわけには行きませんからね。リアルで力のある店だけがWebにも登場できる、というのがだんだん分かってきました。リアルのデスティネーションが明確でないとわざわざサイトにアクセスして確認したいこともあまり無い。もちろん、行きつけの個店の情報はほしいのですが、ほしいレベルの情報が適時適切にWebにアップできるのか・・?
 商店街とインターネットについては別の機会に論じたいと思います。

 鹿児島市ではここから約2`離れた西鹿児島駅で建設中の駅ビルへのショッピングセンターの出店(来年秋)が脅威とされている。さらに東へ約1`のウオーターフロントにも大型ショッピングセンターの進出話。「街の魅力を作らないと挟み撃ちされる」ということだそうです。
新幹線が開通すればさらに福岡市との競合も激化する・・・。
鹿児島、宮崎からは福岡にショッピングというショッピングのパターンがあるらしい。

 会議所TMOでは、「駐車場の設置や共通駐車券の発行、地元百貨店と連携した夜間営業時間の延長」などに乗り出しているそうです。「基本計画」ではどのような位置づけになっているのでしょうか。

 そう言えばこの連載では、「中心市街地活性化計画」という言葉が全く出てきませんね。「基本計画」〜TMOのスキームと商店街の取り組みが遊離しているのではないか、と危惧していましたが
その実証でなければ幸いですが・・・。

 さて、天文館通りは巨大アーケード通りです。
中心商店街のアーケードといえば、全国的にゲーセン、居酒屋、100均、ドラッグストアなど「アミューズメント」系の進出で、商店街というよりも繁華街という形容がぴったりという状況です。天文館通りのアーケードにもその傾向が見られます。
 専門店はアーケードに直角に何本も交差する通りを中心に集積しています。ショップの様子はホームページで確認してください。通りには空店舗も結構多いようです。

 一般に、中心商店街、特にアーケード内の個店は間口、奥行きともしっかり取っており、往時の隆盛が目に見えるようですが、今後はいざというときに応用が難しいですね。後継者不在というお店がどうなるのか、東京、大阪からの直営出店は政令指定都市どまり、というのが現状ですから大いに気になるところです。


※この連載、商店街の取り組みを紹介する記事に共通しているのは、「個店の魅力作り=デスティネーションの強化」という方向の話題が全くでないことですね。周辺への競合集積の進出は怖いが、自力で自店をはじめ商店街=集積のデスティネーションを何とかしようという取り組み、問題意識についての言及は全くありません。

 他方、商店街ではない事例では全て「来店目的=デスティネーション作り」がメインとなっています。ギャゼットもそうですし上之裏通りもそうでしたね。この差がシャッターが開くか閉まるかの差になってきます。シャッターを開きたかったらまずは自店を繁盛店にしてみせること。
昨日の「上之裏通り」のレストラン「壱の倉庫」が典型的な見本です。

 シャッターの内側ではなく、外側の取り組みで内側の不振を何とかしてもらいたい、この問題意識のありかたこそが商店街活性化を阻んでいる根本要因です。
 開けシャッター、というよりもシャッターの内側をどう改革するつもりですか?ということになるわけですね。

 このことは連載が終了した後であらためてゆっくり考えてみたいと思います。

[110] 熊本・上之裏通り 開けシャッター (5) Date:2003-06-03 (Tue)
5月30日

 熊本市の中心商店街上通り近辺に福岡市大名地区を思わせる新しい商業集積が自然発生している。
(「自然発生」とは個々はもちろん計画して出店しているが全体としては計画が無いまま、個々の出店の集合で集積が作られたということ)

 上通りと国道を隔てた下通り、その南端にシャワー通りが出現したのはかれこれ20年も前になりますか、パーソンズのペンシルビルの出店を契機にあれよあれよという間にファッションモールが出現しました。
シャワー通りは地元熊本市の若い商業者たちの手で作られた「破れ商店街(失礼)をショッピングモールに転換する」我が国最初の成功事例でした。結論から言えば、モールは「ブランド信仰」を脱却しきれなかった仕掛け人達の限界を反映しましたが・・・。
 ともかく、シャワー通りの成功は、南九州の若い商業者たちを奮起させました。シャワー通りからも宮崎などに進出する事例もあったようです。ギャゼットなどにも影響が有るのかも知れません。

 さて、上之裏通りは、17年前、蔵を改造した「壱之倉庫」というビアレストランの出店からスタートした。大名やシャワー通りもそうですが、中心商店街全盛時代にコバンザメ的に広がったマイナーな商店街は、それこそあっブルのはるか以前に機能喪失に陥っています。建物は古いが家賃は中心部とは比較にならない安さ。商売は立地ではない、ですtにネーションだ、と腕に覚えのある若手には何よりの条件です。
 こういう立地で成功事例がでてくるとたちまち創業者が集まってくる。個別には成否がありますが全体としては繁盛してくる。

 シャワー通りのバブル的重装備とは事情が違いますから、こちらでは建物の状態を活かしたまちづくりが進むことになります。さらにというか、見逃すことが出来ないのはここの場合、「木造寒竹を改造する名人」という工務店経営者がどんどんまちづくりを手がけていった、ということです。いろいろ参考になりますね。

 隣接する上通り、かねてから下通りに押されっぱなしでしたが、裏通りとの連携が生まれているとのこと。「上之裏通り」とは「上通り」と「裏通り」から一字ずつとって命名したのだそうです。

 裏どおりの活性化は、「自然発生」的に実現する可能性が有ります。これはある程度の規模のところでは試みられていることと思います。
問題は、新しい試みと中心商店街を結びつけることです。商店街の方が旧態依然、昔ながらの商売、活動のままでは周囲がどんなに活気づいてもその活気が伝染することはありません。
 商店街活性化、他力本願では絶対に実現できませんからね。上之裏通りについては近く下通り、シャッター通りなどもあわせてもう少し詳しく紹介できると思います。

 

 

[109] 宮崎市ギャゼット 開けシャッター (4) Date:2003-06-01 (Sun)
5月29日。

 今日取り上げられているのは、宮崎市のファッションモール「ギャゼット」。
 http://www.gazet.co.jp/index.html 

食糧倉庫だった建物を改装、1995年にオープンした。
「19才をターゲット」にファッション、雑貨、飲食40店舗で構成。
オペレーションは、運営会社ギャゼット。開発も。
テナントはモール開発計画に基づいてリクルート、公募はしていない。
流行市内外の若者を惹きつけ、オープン初年度17億円の売上げが昨年度23億円と「右肩上がり」とのこと。

この記事を読むまでぜんぜん知りませんでした。
地元でショッピングモールを目指す場合の典型的な手法でしょうね。
1.モールのコンセプトをしっかり作る
2.テナントミックスを設計する
3.ローコストで物件を確保する。
4.テナントをリクルートする。
5.客相志向のオペレーション
という段取りが取られているようです。
もちろん、大前提として商業者として成功するぞ、成算はある、という確信を持った事業家がいること。

新聞を見た限りでの問題点?は、客相設定。19才がターゲットということですが、雑誌などの流行情報をナビに右往左往することでしょうから、こちら側によほどスキルがないと置いてけぼりを喰らいそうです。

商店街ぐるみの取り組みと異なるのは、テナントリクルートのところと、もう一つは建物外への波及に乏しい、ということでしょうか。そういう意味では再開発の手法でファッションビルを作る場合と似ています。別段、街のその部分になければならない、あると街が活性化する、ということはありません。「核」=商店街全体のデスティネーションを象徴する、というような機能を果たすことは出来ません。

それにしても、シャッター通り以来、熊本以南では地元商業者による郊外型SCなにするものぞと言うようなチャレンジが目に付きます。それ以外のところはもっぱら他力本願、この違いはどこから生まれているのでしょうか。

[108] 大牟田市中心商店街 開けシャッター (3) Date:2003-05-28 (Wed)
 第3回商店街ルポ(5月28日)は福岡県大牟田市。

 中心市街地に立地する地方百貨店、松屋が昨年1月民事再生法適用を申請、市民や商店主による再建が始まっている。
「核店舗を失った街は必ず衰退する」という危機感から、市商店街連合会が窓口となって市民に出資を呼びかけ、12000人以上、1億3千万円が集ま理、これを担保に再生がスタートした。

 03年2月期の売り上げ目標は48億円(前年対比80%)と設定されたが、実績は42億円。今月から生鮮食品の宅配を始めている。
「これからが勝負」と経営に参画している商店主。

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地方百貨店のコンセプトは、「この町で一番高品質・高価格の品ぞろえ」ということでした。客相ではなく客層に対応した業態です。
地方百貨店敗退の原因は複合していますが、もともとこれは
1.商圏事情
2.問屋のバックアップ
3.お客の未熟
という店舗以外の要因で成立していた商売です。
現在、これらの条件は全て消滅していますから、基本的に業態そのものが時代にミスマッチしている、ということです。
地方百貨店は業態を転換するような大改革に取り組まないと再生は難しい。
 
 百貨店が商店街の核である、という認識は時代に遅れています。
「核店舗」とは「その集積で成り立つ小売業の性格を決める力を持っている店舗」のことです。集積の性格を1店で象徴できる」ということです。現在、地方百貨店にこういう力はありません。商店街の皆さんが地方百貨店を核と認識し、核の集客力のおこぼれをちょうだいする、という「活性化策」を考えていたら他力本願も良いところです。
お客の来街目的は個店のシャッターの内側でのみ達成されます。言い換えれば、店内に来店目的を作りあげていない店舗は周辺環境がどんなに好転してもお客から買い物行き先として認知されることはありません。
 つまり、とおりにいくら人が溢れるようになっても自店には無縁だということです。

 再生を目指す地方百貨店が立地する中心商店街の活性化、ショッピングモール(当社的にはラグジュアリィモール)を目指す以外に無い、ということでは他の中心商店街と同様ですが、条件としては大変恵まれています。

1.中心商店街活性化の方向をラグジュアリィモールへの転換に定める
2.地方百貨店をラグジュアリィモールの核として再生する
3.各個店はラグジュアリィショップへの転換で繁盛を目指す
という理想的なモール化への道が開けることになります。

 大牟田市中心商店街のルポ、商店街及び個店の取り組み状況が紹介されていないところが気になります。もし、松屋が再生されれば何とかなる、というような気持ちがあるとすればそれは大きな間違い、そういう構えでは街も松屋も沈没します。

[107] 「臼杵市中央通り商店街」 開けシャッター(2) Date:2003-05-28 (Wed)
 西日本新聞に連載中の商店街ルポ。 第2回(5月27日)は大分県臼杵市中央通り商店街です。

 中央通り商店街「シンボルロード」、2002年2月に老朽アーケードの撤去と景観整備に取り組んだ。これまでに13店舗が木造や蔵づくり風に外装を改修した。来年までにさらに10店舗以上が改修する見こみ。

 http://www.e-usuki.net/syoutengai/index.htm

和風、土蔵作りの店舗が連袂(れんべい・袂を連ねる)する町屋通りといった趣きのとおりです。

 理事長さんの談話。
「不景気で数百万円の負担は重く、改装で売上げが増えるとはかぎらない。それでも何かやってみよう、というムードが広がってきた。」

 これから。
1.商工会議所が空店舗対策に本腰を入れる
2.行政、会議所、商店街 三位一体の取り組みが始まる

という記事です。

 中心商店街活性化関係の情報でチェックしたいことは、
1.活性化実現の基本的な方向と方法が決定しているか、その中で個店の繁盛はどう位置付けられているか?
2.郊外型ショッピングセンターとの関係はどのように考えられているか?
ということです。

 こういう取材の場合、商店街関係者は上記2点についてはあらためて関係者に確認させるためにもしっかり強調しなければならないことです。発言にこれが出ていないということは、そういう問題意識が無いまま活性化に取り組んでいるのではないか? という心配が起きます。(1回目のオーバルパティオも同じ)

理事長さんの談話、本当にこの通り話されたのかどうか確認は出来ませんが、記事によるかぎり、

1.改装で売上げが上がるとは思わない
2.数百万円の負担は重い
3.それでも何かやってみようというムードが広がってきた

と云われていることになります。

 もし、本当にこういう考えで事業に取り組んで来たとしたら、これは、軌道修正が必要です。
記事で紹介されているかぎりでは、ショッピングモールという上位計画抜きでファサード事業に取り組むようなもの、お客のデスティネーションはほとんど変化していませんから、参加した個店に残るのは投資の償還と「これだけやっても駄目だった」という徒労感ということになりかねません。
ここは「改装と並行して事業に取り組み、売上げを必ず上げていく」と、大見得を切らなければいけないところです。

 理事長さんのお話しでは、街並み景観整備に終わらず、これを契機に「何かをやってみよう」という機運が盛り上がってきているそうです。そうでなくては大金を投資した意味がありません。しかし、「何かをやってみよう」ではいけません。活性化を実現するためにやらなければならないことは決まっています。

1.活動的で生活を楽しみたいアクティブなシニア向けのラグジュアリィモール」への転換という目標を決定する
2.各個店が現在の業種・業態を基礎にラグジュアリィショップに転換していく
という方向&方法を選択し、街並み整備のスケジュールと並行して商売の中身の改革に取り組んでいくことが、せっかくのこれまでの取り組みを活かして活性化を実現する唯一の道です。

 臼杵市中央通り商店街、手順は前後しましたが、是非、ショッピングモールへ転換を選択、取り組んでいただきたいと思います。

 臼杵市の事例にかぎらず、中心商店街は、郊外型ショッピングセンターとの関係をどうするのか、個店の活性化(繁盛再現)にどう取り組むのか、この2点についてしっかり決定することが最優先課題だということをあらためて確認して下さい。

※おことわり
 商店街について新聞が取り上げる場合、どうしても商店街側の伝えたいことがそのまま記事になる、ということはなかなか期待できません。この記事も果たして商店街の皆さんの実状をそのまま伝えているのかどうか分かりませんが、中央通り商店街が活性化の実現を目指すなら、その選択肢は「なんでもいいからやってみる」ということではなく、唯一の道としてあらかじめ決定されているのだ、ということを理解していただきたいと思います。


[106] 都道府県の役割 Date:2003-05-27 (Tue)
 「中心市街地活性化法」のスキームでは、都道府県の役割がはっきりしません。「基本計画」の提出は経産局経由で本省、都道府県は確か計画者が送付されるだけだったような・・・。

中心市街地活性法」が制定されるまで、商店街活性化といえば都道府県〜都道府県レベルの指導団体〜組合という流れで取り組まれていました。商店街活性化事業関係の蓄積がもっとも多いのは都道府県ですね。それらの経験がきちんと整理され総括されているか否かはともかくとして。

 現在、「中心市街地活性化法」のスキームが期待している、TMO、行政、商店街が一致協力して商店街活性化に取り組む、という体制を作っている都市はきわめて少ないと思います。元はといえば「ショッピングモールへの転換」という基盤整備&商業活性化両事業を一体的に推進して実現する目標が明確に打ち出されていない、というところに原因があります。つまり、行政.会議所・TMO・商店街組織・個店が役割分担しながら活性化に取り組む、としながらその理由が分からない、したがってTMO組織はそんなに気合いが入っていない、事業も基本的に補助事業だけということになってしまう、そうすると補助事業の窓口&実施主体だけが活動し、他は開店休業という現状が出現するわけですね。

 もともと限られた経験しかない都市毎に単独で取り組む、というスキームが不十分なのかも知れません。もちろん実際に活性化に取り組むのは都市行政以下、地元勢でなければ出来ないことですが、だからといって自力だけで取り組むにはなんと言っても経験が不足しています。

 取り組みについての指導助言は当然あってしかるべきではないでしょうか。

 都市内部だけの努力で「ショッピングモールへの転換」という「中心市街地活性化法」のスキームに基づく取り組みが成功するのは難しそうです。TMO=街を一個のショッピングモールに見立てて整備し運営する組織、と定義すれば各都市ごとにそういうスキルを持った職能集団が忽然と姿を現す、というわけにも行きますまい。

 ご承知のとおり、国では中小企業総合事業団に「タウンマネージャー」という都市計画や商店街活性化の専門家を組織しており、要請に応じて派遣、指導助言を行うことになっています。
しかし、ほとんどの「タウンマネージャー」は、「中心市街活性化法」制定以前、「点と線」の指導実績で選択されていると思われます。それぞれ限られた領域の専門家であり、個別プロジェクトの支援には卓越したのスキルを持っていることでしょうが、「タウンマネジメント」全体について経験・ノウハウががあるかといえばこれは十分ではないと思います。
何しろタウンマネジメント自体、TMOと同時に導入された概念ですから。

 したがって、現在、タウンマネジメントといえるような経験が蓄積されているのは、これまで管内各市町村の商店街活性化事業を所管していた都道府県だと言うことになります。
管内の各市町村・商店街で取り組まれてきた活性化事業の全体をい把握し、分析評価すれば、中心市街地活性化に活用できるノウハウがたくさん有ると思います。特に失敗事例については是非活用したいものです。成功事例よりも失敗事例のほうが事例としては役に立ちますからね。「前車の轍」を踏まなければそれだけ成功の確率が高くなる(W

 いずれにしても、全国津々浦々であまり効果の期待できない事業を十年一日の如くくり返す、というのは感心できません。
年々歳々花は咲き、年々歳々人同じからず、です。時の流れは一方通行、失敗したからといってやり直しが出来る条件は中心市街地にはありません。 

 都道府県は、「TMO支援センター」とでもいうような、各市町村が取り組む中心市街地活性化、とりわけ中心商店街のモールへの転換を協力に支援する組織を作るべきだと思われます。
これまでの自分たちの経験、あるいは他地区の経験を収集・加工・分析して、とりあえず「TMOがやってはいけないこと」集を作れば大変役に立つのではないでしょうか。

 この話題はあらためて「批評と提言」欄で展開します。
また、当社は立場を弁えることなく(W、都道府県への提案を行ってみたいと思っています。

[105] 開けシャッター 都城市オーバルパティオ Date:2003-05-26 (Mon)
 今日の西日本新聞、一面に「開けシャッター 商店街ルポ」という企画が始まっています。

第1回は宮崎県都城市の「オーバルパティオ」が取り上げられました。
 http://homepage2.nifty.com/248/matinami.html
 http://www.tonio.or.jp/joho1/rt/ch21/CH0005.pdf
ちなみに都城市、私は鹿屋市への往復で通過したことがあるだけです。

 中心市街地の区画整理に伴い、商店街の有志6人が協同組合を設立、約2億円の自己負担で99年に開設した。記事によれば、組合は業績不振のテナント(組合員)に退店を勧告、2店を入れ替えたとのこと。テナントミックスからいえば当たり前のことですが、組合としては画期的なことでしょう。
この結果、全体としてのデスティネーションが強化されたか、といえばこれは大きな疑問符が付きます。
 今年4月、わずか1.2q離れた場所に大型SCが出店しました。
http://www.kyushu-jusco.co.jp/tenpomap/f04miyakono/
miyakono.html

 郊外SCとの棲み分け策、という位置づけがないパティオでは厳しい環境変化になります。パティオに限らず、中心商店街の活性化という事業には「郊外型SCとの関係をどう考えるか」ということを避けるわけにはいきません。避けるどころかはじめから問題意識すらない、というのが多くの都市の中心商店街活性化事業の現状ですが、オーバルパティオは果たしてどうなのでしょうか。記事によれば、SCオープンの影響でお客が減り始めたそうです。

 組合では「今は我慢の時」という認識のようですが、我慢すれば何とかなる展望があるのでしょうか?
商店街の活性化は「我慢」ではなく「攻め」の姿勢が取れないと実現できません。SCオープンなにするものぞ、今がチャンス、といい切れるだけの理論武装がないと反転攻勢は難しそうです。


 以下、パティオ事業について。

 パティオ事業は、商店街高度化事業の手法の一つ。
土地を集約して中央に中庭(パティオ)を作り、そこを取り囲んで個店を新設・配置する、というもの(事例的にはブティック、雑貨、飲食など)。
裏側に駐車場を設置するなど、経営環境の変化に配慮した比較的新しい商店街活性化手法です。

 この事業を成功させるためには、
1.パティオ全体のデスティネーションをきちんと作り、テナント各店がそれを分担すること。
2.テナントミックスはコンセプトから見て過不足がないこと(隣接商店街立地の店舗を含んでもよい)。
3.参加者がショッピングモールに関する理論・技術を修得していること。
が必須条件になります。
この時大切なことは、コンセプトがお客からみて、「全くその通り、こういうお店が欲しかった」と評価される内容の店づくりを実現せしめるレベルで作られていることです。

 パティオ事業、福岡県大川市の「ヴィラベルディ」しか見ておりませんが、
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/kanarc/okawavil.html
ヴィラベルディでは上記の3条件がクリアされていません。
私見の限り、ヴィラベルディは苦戦中、その原因は上記にある、ということになります。

 他の事例についてはほとんど情報がありませんが、上の条件のうち、特に3の「モール理論&技術の修得」についてテナント(参加)各店の経営者が一応のレベルに達していることが絶対条件です。この条件は、現在までのところ、他の事例でもほとんどクリアできていないでしょうから、失敗する可能性が大ですね。

 どうしてそういうことになるかと言えば、シャッターの内側に問題があって不振に陥っている店舗が集まり、いくら力を合わせてシャッターの外側の整備にお金をかけたところで、デスティネーション(来店目的・お店に対するお客の期待)は改善されないからです。

 特に、この事業に限らず「郊外型ショッピングセンターとの棲み分け」という視点が徹底していないと、高度化事業の竣工はぬか喜びに終わってしまいます。このことは当サイトの常連の皆さんには当たり前のことですが、実際に活性化に取り組んでいる商店街のなかには、あたかも「郊外型SCは存在しないしこれからも出てこない」あるいは「郊外型SCなんか関係ない」といわんばかりの問題意識で事業に取り組んでいる例が少なくありません。こういう姿勢では郊外型SCの有無に関係なく事業の成果=売上げアップは全く期待できません。
 実務的にもう一つ大切なことは、商店街の「ショッピングモールへの転換」という計画の一環としての取り組みであること。街ぐるみでのショッピングモールへの転換を牽引する、という位置づけでないと地方都市の中心市街地、たかだか10店舗内外のテナントミックスで永続的なデスティネーションは作れません。

 パティオ事業、検索してみると、実際に開設された例は少ないようですが、各地で構想されているようです。前述のとおり、「モールへの転換の一環」という位置づけが出来ないと成功しませんから、スタート前に十二分な準備と商店街との連携確保されていなければならない。
「基本計画」に商店街活性化の方向と方法として、「個店の転換をメイン事業とした街ぐるみのショッピングモールへの転換」が掲げられており、その推進の一環としてTMO構想で「パティオ事業」が挙げられている、ということが必要です。
 パティオ事業に先行して「個店の転換」への取り組みがスタートしていないと、パティオに参加した人は泣きを見ることになりかねません。皆さんの知り合いで推進している人がいたら、事業の段取りについてもういちど確認するよう忠告すべきです。

 前提条件が整っていれば、この手法は「商店街ぐるみでのモールへの転換」を推進する手法の一つとしていろいろと可能性があると思います。補助制度もあることですから活用に向けて当社でも成功条件を考えてみることは意義があります。

 西日本新聞の「開けシャッター」企画、しばらくつきあってみたいと思います。


[104] まちづくり研究会 Date:2003-05-25 (Sun)
 中心市街地に限らず、商店街活性化関係で「まちづくり」とひらがな標記される事業・組織の場合、内容はハード系の話であることが多い、というのは常識ですね。「街」を「まち」と書くのは都市計画事業方面から始まっており、それまでの都市計画、市街地再開発などの上位概念として出されたものですが、だからといって都市計画がソフトになったわけではありません。テーマは相変わらず、ハコもの・景観・アクセス等々の形状に関わることが多い。

 このことしっかり確認しておいてくださいね。
つい、「環境が良ければ人が集まる」、「歩きやすければ人は歩く」などという恐るべき独断がまかる通るのがひらがな表記の「まちづくり」の世界です。

 しっかり確認しておきましょう。
街に人がやってくるのは、まち並み景観が美しいから、道路が歩きやすいから、などという理由からではありません。人はそこに行けば目的が果たせるだろう、という期待を持って街にやってきます。

 中心商店街の場合、その目的はラグジュアリィな買い物です。逆に言えば中心商店街がラグジュアリィな買い物の場として整備されていなかったら、人々にとってわざわざ来街する理由が無い、ということです。
「まちづくり」論議ではこのことがきれいさっぱり抜け落ちています。これはコンサルタントといわれる人たちの場合もほとんど同様ですね。

 全国的に中心市街地活性化の目標として、観光資源の開発、街並み景観整備、交通条件の整備などが挙げられていることが多いことはご承知のとおり、このような情報が一人歩きして「まちづくり」同好会の皆さんの間で知らず知らず、「暗黙のご了解」になっています。
 当社はこのような「暗黙のご了解」とは深く見解をことにしており、「ものが売れなきゃ商店街ではない」、「街づくりはデスティネーションづくり」と主張していることもご承知のとおりです。

 活性化をめぐる事態が日増しに悪化するとき、一般市民はいざ知らず、商店街の皆さんには「まちづくり」を優先する余裕はない、ということをあらためて確認しておきたいと思います。


[103] 事業がスタートする Date:2003-05-22 (Thu)
 各団体とも総会が終わり、6月から早速活動スタートですね。
今年は選挙がらみで出足が遅れたため、総会以降にスタートをズラしたところが多かったのではないでしょうか。

 当社が支援している商店街等、6月からスタートは、モールへの転換実務からスタート準備のセミナーまで各段階にわたっています。
中心市街地活性化関係は、理論プラス経験、当社が理論レベルをどんどん開放しているのは、当社は理論を売り物にしているわけではないからです。当社は、マスカスタマイゼーション、理論を各都市の問題状況に応用して活性化へのシナリオを作成、実務を支援する、ということをビジネスにしています。したがって、理論は無償でどんどん広がっていかないと困ってしまう(W

 コンサルタントの皆さんへ
そういうわけで、理論売り物になりませんからね。またお見かけ通り、従来のノウハウとは大変なじみにくい理論ですから、実務ではそれなりに新しいノウハウが必要です。従来のノウハウと新しい理論を如何に融合させて提供できるか、ということが皆さんの腕にかかっているわけです。
頑張ってください。