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各地の状況 ログ

[82] 福岡市天神地区 Date:2002-12-15 (Sun)
 ご承知のとおり、広島〜鹿児島という超広域を商圏とするらしい西日本随n一の商業ゾーンです。進行中仕事の関係でスタッフ3名でウオッチング、状況認識を共有するするためです。

 あらためて見て回るとすさまじいですねぇ。はっきり言って、これで「不況だなんて言わないで」、といいたくなるレベル。「売りたい」という意欲も技術も行動もない、三無主義がはびこる売場ばかり。今の売場の状況ではバブル最盛期でも売れません。技術的にもレベル低すぎます。

 シーズンということもあるかも知れませんが、それにしても大量陳列のオンパレードです。量産−量陳−量販というポリシーは、いわゆる「量販百貨店」と雌雄つけがたいレベル、いや、こっちの方が凄いかも。かって量販百貨店のトップと話す機会があって、品ぞろえで「生活必需商品6割、生活充実商品4割」という品ぞろえの方針を聞いてびっくりしたことがありますが、その時、「百貨店商品」、「量販店商品」というコトバがよく使われたいたのを思い出しました。百貨店と量販店、違うのは商品の「品質・価格」であり、その他、提供方法などは全く同じ、ということだったんですね。百貨店=量販百貨店(高額)ということです。

 百貨店といえば行くこと自体がお客にとってミニイベント、ショッピングの醍醐味を堪能する機会を提供するということがコンセプトのはずですが、実態はそれにほど遠い。あらためてブランドショップなどが撤退するのも当然だ、とスタッフも納得です。

 ウオッチングのテーマは、「天神地区の陶磁器売場」ということ
でしたが、これはもう百貨店1を除いて全然ダメ。この売場づくりで「売れない」という台詞は許されない、という品ぞろえ・プレゼンテーションのレベルです。いったいテレビをつければ必ず出てくる料理・グルメ番組、という状況は別の世界の話なのか、全く売場に反映されていない。もっとも、テレビの取り上げ方自体、「まいう〜」レベル、美味いか不味いか、美味い方を食べて喜ぶ、というのはうちの犬・猫だっやっています。ちなみに雑誌・文字媒体の方の「食」はチャンと「情景」をテーマにするものが出始めています。まぁ、「AIDMAの法則」ではありませんが売場を渉猟していて食事という「時」の演出について触発される、などということは望むべくもない、というところです。ブームの「食」関連がこの有様ですから後は推して知るべし。

 百貨店の前途、さらに厳しそうです。
 今どき百貨店のテナントに納まっている専門店、ブランドははっきり言って売上げが欲しくないところですね。まともに経営を考えているところは路面店に転換しています。

 陶磁器売場のウオッチングは、小売店支援を作る作業の一環です。状況を見ると展望は明るい。しっかり店づくりしていて売れないのならどうしようも有りませんが、専門店を含めて軒並み、「これで売れたら不思議」という店づくり・売場つくりばかりですあkらね、転換すれば大丈夫です。

 しっかりした陶磁器専門店、どこのまちにもひとつや二つは無いと「食」が堪能できません。天神はとてもとても状態でしたが皆さんのまちはどんな具合でしょうか。

[81] 活性化 事業の一体的推進の現状(続き) Date:2002-12-15 (Sun)
 承継

 TMOの事業は整斉と進んでいるが、肝心の商店街の取り組みは孜々として進まない。これは本当に困ったことです。いつも申しあげているように、個別TMO事業が成功=竣工したからといって商店街が活性化するわけではありません。やはり個々の店舗のシャッターの内側までお客が入り、そこで買い物が発生する、ということがこれまでの趨勢では考えられないような頻度で起こるようになることが絶対に必要です。それを見届けた第三者の空き店舗への出店が相次ぐ、ということになります。

 考えてみれば、活性化の実現を左右するこのあたりのことは『基本計画』を作る段階から理解されていたことですが、計画に個店の転換が主要な課題であることが明記され、そのための施策が講じられているところは少ない。

 もし、計画策定の時点で「個店の転換」の必要性が掲げられていたなら、当然、転換を実現するための施策が体系的に計画されたはずです。これが計画されなかったために、個店の転換についての施策が講じられていない、転換は全く手が着いていない、ということになります。このことがTMO独自の事業が進んでも商店街、個店の業績に波及することが無い、という結果を生んでいるのです。

 私が商店街に3カ年間をめどにショッピングモールへの転換似鳥組む「行動計画」作成を提唱しているのは、このままでは基本計画〜TMOの活動という取り組みが無に帰してしまう、商店街ひいては中心市街地の活性化を実現することが出来ないことが明かだからです。

 けして遠回りではありません。商店街活性化の可能性についての勉強会(強いて務めさせるのが勉強です)から再スタートする以外方法はありません。勉強しないで活性化できるなどということは、絶対にありません。

 商店街の実態を考えれば、「勉強などに意欲を持つはずがない」と判断されるところが少なくないのですが、それでもやらなければ先へは進めない、ということです。これをさぼっていては、商店街の取り組みについての会議さえ何度開催しても全くかみ合わないはずです。

 シャッターの外側の話は、内側の取り組みの覚悟が出来ればいつでも合意できます。各個店の店主の皆さんがが、もういちど知恵と汗を出そう、という気構えを持つ、それもなるべく早く、ということが全国共通の課題です。

 そのためには、何からはじめなければならないか、関係者に「中心市街地・商店街はこうすれば活性化できる」という展望を示すこと、がスタートです。

[80] 活性化 事業の一体的推進の現状 Date:2002-12-12 (Thu)
 『中活法』のスキームでは、中心市街地活性化を推進するにあたっては、「商業等の活性化のための事業」と「街区整備の事業」について一体的に推進する目標を立てて取り組むことになっています。ご承知のとおり。

 「一体的推進の目標」の立て方に問題があるところが多い、というのはこれまで何度も指摘してきたところですからここでは触れません。目標=ショッッピング(ラグジュアリィ)モールへの転換であるべき、ということだけ申し上げておきます。

 さて、一体的に推進されるべき活性化事業ですが、現状はどうなっているでしょうか。

 事業を取り組み主体別に区分すると、街区整備=行政、商業等の活性化=TMOと商業者ということになります。「商業等の活性化のための事業」は、@TMOが単独で行うもの、ATMOと商業者が共同で行うもの、B商業者が行うものに区分されます。Bはさらに、C連合組織が取り組むもの D単位組織が取り組むもの E個別商業者が取り組むもの に区分することが出来るでしょう。

 区分ごとの進展状況はというと、これは簡単、番号若い順に整斉と進んでいますね。番号が大きいほど事業が進まない。
行政が担当する事業分野は、かねて計画していた事業の再掲という事情などもあり、着実に進みます。道路、区画整理、再開発など。
 TMOが単独で取り組む事業、施設の取得なども行政との連携で大体順調に進みます。(今後の運営は別問題)

 問題はそれから先の事業ですね。
『基本計画』〜『TMO構想』は、「これを実現すれば中心市街地が活性化される」というシナリオに基づいたものではありませんから、商店街組織の取り組みがなかなか思うように動き出さない。
それもTMO+連合組織という事業主体のレベルまでは個別商店主の合意も得られやすく、まだ実現のめどがありますが、組合単独の事業となると難しくなりそうです。補助事業ならまだしも、実際に組合が自前で活動する、という計画はなかなか進みません。これまでどおりのイベントくらいならこなしていきますが・・・。

 個店の取り組みが動いているところ、これはもう暁天の星、全国的に見ても数えるくらいしか無いと思います。中心商店街という機能の役割は生活を充実させるために必要な消費財を提供することが中核です。これはもっぱら個店、シャッターの内側で行われます。

 ここがうまく機能してないために街全体が衰退している、肝心の個店活性化の取り組みが他に比べて著しく遅れている、はっきり言えば全然着手されていない、というのが大方の商店街の実態です。
 こういうことでは行政、TMOレベルの事業がどんなにスケジュール通り進展しても、活性化は実現できません。この事業は、商業者を救済するための事業ではなく、中心市街地立地の都市機能を充実させ住民の生活に貢献する・都市の活力を再生させることが目的ですから、「活性化出来ないのは商業者のせい」などと口走ってはいけませんよね。

 いつも指摘しているように、個々の商業者が中心市街地.中心商店街の活性化に関心を持つとすれば、とりあえず、それは自分の事業の立地条件がどうなるか、という一点においてのみです。立地の位置づけは「手段」、出処進退のキーワードは「自己都合」ということになります。これは自営業者としてまことに正しい態度です。
 他方、組合、TMO、会議所、行政はその目的・機能から活性化は組織目的の一部です。個々の店舗はどうであれ、全体としての商店街、中心市街地は都市機能を分担、活性化していくことが組織の任務になっています。つまり、経営者の自己都合で揺れ動く個別店舗をなだめてもすかしても街ぐるみ活性化の取り組みに参加させ、モールの一環として繁盛店への変身を目指させる・実現を支援する、ということが課題の大きな柱になります。

 やる気のあるところだけ支援する、というのが現下の中小企業施策の基本方針だということですが、これは国としては正しい方針です。しかし、自治体・都市レベルでこういう方針を採るわけにはいきません。このことはしっかり覚悟しておかないといけないと思います。「やる気のある」中小企業が地元にどれだけあるか?それだけを相手にしておけば都市経営は成り立つのか?地域経済は、雇用は、生活は、OKですか、ということです。

 自営業者で「やる気」=儲けたいと思わない人はきわめて少ないでしょうが、現下、経営の内外ともに厳しいなかで進むべき道が分からない、何から手をつけたらよいか分からない、というのが多くの地元企業の実態だとすれば、「やる気がある」=何らかの意欲的な動きを見せている、という基準で選別するなら、地域経済はたちまち縮小スパイラルです。

 国が「中小企業や商店街、やる気のあるところだけ支援する」といっているのは、あなた、地元関係各方面を叱咤しているわけですから、地域の関係者が尻馬に乗って「やる気のあるところだけ支援する」などといっていたら笑われます。組織のメンバーからは石が飛んできますね(W

 とりわけ、中心市街地−中心商店街については『基本計画』〜TMOというスキームをつくり都市経営上の重要プロジェクトに指定しているわけですから、商店街の個々のメンバーがどうであろうと活性化しなければならない。その意義についてはここではこれ以上説明しません。

 条件厳しいなかで、関係各方面の合意を取り付けつつ、意欲・技術・展望、三無主義に陥っているかのような商店街の皆さんにもういちど奮起してもらい、モールへの転換という大事業を推進すること、この仕事、面白がって取り組まないと先へ進めることが出来ません。

 脱線ししてしまいましたので、仕切なおします。
 

[79] 地元企画型「核」の齟齬 Date:2002-12-11 (Wed)
 この欄ではエスプラッツについて検討したばかりですが、似たような事例は各地にあるのでしょうね。

http://www.kisnet.or.jp/nippou/nippou.phtml?y=2002&m
=02&date=02-22-2002&number=1

(以下の文は上記事例とは関係ありません)

 エスプラッツのように行政が撤退して閉鎖に至るもややむなしというケースはまだ少ないようですが、これから関係者のなかには佐賀市の撤退手際はうらやましい、と考えている人もいるかも知れませんね。

 「核」事業から撤退するということは、当該都市の「中心市街地活性化基本計画」を見直す、という作業をともなうべきです。「核」施設を撤収・閉鎖した後の中心市街地とりわけ商業集積=商店街の活性化について新しいビジョンを示すのが、核つきの基本計画を作成した行政の役目でしょう。

 各街区自体のビジョンを商業者に作れという声があるのは、活性化事業あるいは中心市街地を商業者の既得権と認識している証拠ですが、これはとんでもないことです。中心市街地活性化−中心商店街活性化は商店街−個店−商店主の救済策だ、などとお門違いの発想で取り組むと必ず・全部失敗します。これまでも何度も言ってきましたが、あらためて声を大にして言っておきたいと思います。
 商店街及び個店を外部の力で救済することは絶対に不可能です。このことに疑義を挟む余地は皆無です。

 中心市街地活性化、どこの都市でも「基本計画」で中心市街地を区画し、その活性化を計画したのは行政です。都市経営の任に当たる行政がその計画において中心市街地を定め、その活性化に取り組む」といった以上、何がなんでも取り組んでもらわなければならない。中心市街地の活性化は、掛け値なし、正真正銘、都市経営、さらには我が国中小企業振興政策上、他に代替策のない課題です。(詳しくは関連頁参照のこと)

 個店は自店の都合で廃業できますし、廃業が相次げば組合は解散することになる。まもなくそういう例が増えてくることでしょう。このままで推移すれば、その時残るのは行政が作った立派な計画だけ、ということになりますね。確実に。

 中心市街地は都市の顔だそうですが、整形に失敗し見る影もなくなった中心市街地の様相がのこるとしてら、それは都市の顔というよりも都市経営のお手並み具合ということになりそうです。

 戦略ミスの帰結である「核」施設の活性化には大変な困難があり、とても一朝一夕に実現できるものではありません。核店舗についてはひとまずかっこに入れておき、あらためて核抜きの中心市街地−商店街活性化を構想すべきでしょう。核を作ってやった−破綻した、後は自分たちでやれ、ということではこれからの都市経営はなり立ちません。

 商業者が自分たちでもう一度計画を立て直す、というのも一案のようですが、もはやそういう気力は残っていないでしょうし、第一、自分たちで商店街の再生計画を立案できるくらいなら今のような状況は起きていませんって。
 脅かすつもりはありませんが、各個店はいつ廃業してもいいのですよ。したくなくても廃業せざるを得ないところもどんどん出てきます。廃業の影響は有形・無形、廃業したものにではなく残っている店舗に降りかかってきて、物心両面で商売継続の足を引っ張ることになる。

 これはいったい誰の責任ですか?というのがこのままで行けば明日の全国商店街の様相ですからね。行政にはしっかり覚悟して取り組んでいただきたい。もちろんお金を出せ、ということではありません。お金さえ出せば済む、という時代は終わりました。ちょうどお金も底を突いたところですし、関係者総出で知恵を出し、汗を流して取り組む計画つくりにもってこいの環境が生まれています。

[76] 繁盛店へのチャレンジ Date:2002-12-05 (Thu)
毎週1回水曜日19:30〜21:30というペースで順調に進んでいます。

これまで、
1.全 体:事業全体の取り組みについて
2.客 相:自店の得意客を決める
3.品揃え:品質を売るな・意味を提案せよ
4.内外装・陳列:お店はお客のためにある

が終わり、次回は

5.販 促:販売促進と購買促進を活用する

です。これで個店関係の総論は終わり、後はモールの講義と個店の転換実践です。昨日の質疑で理論ばかりではなく、モデルを作って実際の転換のフローを作って見せて、という要望を受けました。
実は総論全体を踏まえないとモデルも理解できないのです。
次回の講義が終わってから化粧品店をモデルに転換フローをつくることになりました。いずれ各店の取り組みは当社が支援しながら取り組むわけですが、その前に一度実務の流れを見ておくこともいいかもしれません。実習の顛末はこのページでお知らせします。


時間中はしょっちゅう質問が出る、受講者同士で論議する、など大変活気があります。盛り上げてくれる人がいるおかげです。

[75] 戦略の失敗を戦術で補うことは出来ない Date:2002-12-05 (Thu)
 エスプラッツの続きです。

 前述しましたように物販施設であるエスプラッツには、中心市街地・中心商店街の「核」としてのあるべき物販機能が構想されていなかった、ということです。中心市街地の商業集積が担うべき都市機能=ラグジュアリィニーズに対応する商業施設=ショッピングモールとしての再生という方向が理解されていなかった、ということになります。
 この結果、テナントミックス構成の基本となる施設のコンセプトが明確にアピールできないため、テナントミックスに失敗、各階ごとに来店目的・買い物目的が全く異なるショップが混在する雑居物販施設となってしまいました。集積効果=相乗効果とは、同じ性格の買い物ニーズに対応する商業機能(テナント)の構成で発揮されるものであり、単にショップを集めればよい=売場面積が勝負、と言うものではありません。皆さん既に十分ご承知のとおりです。

 もう一つは施設についてもしてきしなければなりません。
以前にも書いたと記憶しますが、集客施設としてみたエスプラッツのハード面は、ポスト・キャナルシティに企画された中心市街地の商業施設とは考えられない、というレベルでした(ちなみに、キャナルシティは我が国の商業ー集客施設のデザイン・機能に新しいページを開いた施設です(ただし、内容は別)。
 外観はアースカラー主体でいかにも新しい施設のようですが、それは色彩だけ。実際は大変使いにくく、極論すればハコをつくってショップを詰め込んだだけ、お客や商業をなめきったひどい設計といわざるを得ない。

 中心市街地の商業核には、ワクワク、ドキドキといった要素が不可欠ですが、絵スプラっての場合そういう要素はほとんど付加されていません。メインエントランスはどこか、エスカレーターの配置、規模、さらにはゾーニング、レイアウトなども問題だらけという有様です。設計者は商業施設設計の専門家だったのかしら、という疑問が湧きます。
 広域からのお客に何を期待しながら来店してもらうのか、ということを真剣に考えたとはとても思えないレベルです。

 施設の構造は、これからの再活用に大きく影響するのではないかと思います。よほど工夫をしないといけません。

 エスプラッツの再生には、まずは収益事業の場としての活用を考える人が出てくるかどうか、ということがあります。権利関係の調整も込み入っているらしいので展望が難しいらしい。

 それらがクリしたとして問題はここで検討した二つの戦略レベルのミスをどう解決するか、ということです。第一の商業機能としての役割分担は、なかなかスムースには行かないかも知れませんが、何とか解決のめどはあると思います。
 問題は施設の使い勝手です。テナントを白紙にして再構成を考えるとき、現在の構造をどう改善するか、ということですね。
何とか逆転してプラス要因に転じる着想が必要です。

 都市機能・商業機能賭してのコンセプトの誤りと物販施設としての施設設計の不備、この二つが相まってエスプラッツの失敗が帰結しました。中心市街地立地が悪かった、とか、三セクだったからうまくいかなかった、というような短絡的な総括とは全然関係のないところに問題が有ったのだということが理解されたことと思います。

 基本的な構想レベルのミスを開業後の工夫・戦術で補うことは出来ません。

 エスプラッツを再生するには、中心商店街全体についてショッピングモールという位置づけを行ったうえで、その核としての機能を構築することが必要です。まずは中心商店街全体のショッピングモールへの転換を計画する、モールの「キーテナント」に位置付けてあるべき機能を整備する、という本来の方向をあらためて目指すことが必要です。 実際の取り組みでは施設の構造をどれくらい改善できるか、という厄介な問題があると思います。

 とにもかくにも中心市街地は街の顔、失敗した計画もそれはそれとして街の顔であると言えないこともありません。とするなら、その再生もまた都市の顔、都市の全体としての能力の表現であるということが言えると思います。

 佐賀市中心商店街の最近の衰退ぶりにはさらに拍車がかかっているようです。目と鼻の先に建設中の佐賀ショッピングセンターのオープンも間近になってきましたが、今ひとつ取り組みが見えてきません。これまでの取り組みがほとんど実っていないため、活動に疲れた、という気配もあります。

 しかし、手をこまねいていてはやがて再生不能地点を通り過ぎてしまいます。まずは県振連の研究会で提起された方向での行動計画つくりにむけた取り組みからスタートすべきです。
県下一円のお客をワクワクドキドキさせる街として再生してもらいたいと思います。

 エスプラッツの分析を通じて分かったことは、中心市街地・中心商店街の活性化という仕事はきわめて専門性の高い仕事である、ということではないでしょうか。中心市街地の商業集積が分担する商業機能を明確に決定し、まず機能の全体を構想すること、機能を発揮するために必要なテナントミックス、施設整備を全体構想の構成要素として計画する、その一環として大型施設を構想するという手順が不可欠です。

 はじめに大型集積あり、という発想は必ず失敗します。
構想を誤った計画を実施したら取り返しのつかない結果が必ず生まれます。「取り返し」は不可能であり、街の活性化全体に大きなダメージを与えます。再開発、大型集積の取得などを計画しているTMOは、もういちど目的・構想レベルから再検討されることをおすすめします。郊外型SCの縮小版や物販雑居ビルでは「核」機能を果たせないだけではなく、自店の存続も出来ません。

 
 

[74] エスプラッツ評 Date:2002-12-04 (Wed)
 エスプレッツが計画通りの業績を上げられなかった理由を考えてみたいと思います。前述の通り、店が売れない理由は次の3つのいずれかです。

@お客がいない
Aお店がお客に知られていない
Bもっと上手なライバルがある

検討してみたいと思います。まず、@は後回し。

Aお店がお客に知られていない、という理由ですが、これはエスプラッツの場合,全く当てはまりません。立地は中心商店街の真ん真ん中、全県下に知れ渡った立地です。エスプラッツ自体、着工前から中心市街地活性化の切り札としてメディアでも盛んに取り上げられていました。

Bもっと上手なライバルがある
これも?です。隣接する量販百貨店ダイエーはさっさと撤退しましたから、中心市街地・商店街内に競合店は百貨店の玉屋だけ、対策の可能性は十分ありました。郊外型SCについては、中心商店街立地とは無関係の業態だというのが当社の主張ですね。ここでは考察の対象にしません。

 それでは大本命、@を検討してみましょう。
お客がいなければ売上げは作れません。当たり前のことです。
お客がいない、というのは考えればすぐ分かるように、その内容が二つに分かれています。物理的にお客(人)がいない、ことと、お店が作りあげている「来店目的」を支持するお客がいない=お客がいるはずなのに来店しない、の二つです。

 エスプラッツの場合、お客がいない=来ない理由は、後者でした。エスプラッツがテナント構成全体で作りあげているお客から見た「来店目的」がお客に支持されなかった、ということです。
エスプラッツのテナント構成は、1階にスーパーマーケット(以下SMと略記)とドラッグストア、2階がファッション、靴、雑貨、スポーツ用品、3階が書籍となっていました。問題大ありです。

 第一に、都心の核店舗の1階メインの売場がSMというのが間違いです。ラグジュアリィニーズに対応しなければ活路は有り得ない中心市街地の核店舗の核売場に「主婦相が家庭内献立の材料を調達にくる」SMを配置したのではテナントミックスの相乗効果で来店目的を作りあげる=「商業集積」になりません。SMの客層は中心市街に居住する中高年主婦主体になります。

 2階はヤングファッションとヤングファミリィ向けスポーツ用品ですが、個々のお店を見ると区外型SCテナントというレベルのお店でした。特にスポーツ用品は郊外SCと真っ向勝負という業態です。1階とは全く関連のない構成の2階ですがその2階も「郊外のSCを横目に都心まで出かけてくる、、来なければならないほどのお店ではなかった、ということです。

 3階は書籍、県内随一の売場ということでしたが、配置が良くないですね。本屋さんのお客は独特の購買行動でなかなか他のお店への買い回りがありません。シャワー効果狙いだったのでしょうが、外れたと思います。書籍売場も3階まで吸引するのはちょっと難しい内容でした。

 テナント構成を見ていただけばすぐ分かることは、エスプラッツは「中心市街地に立地した郊外型SC」という業態でした。佐賀市周辺の郊外型SCといえば大和町のジャスコがダントツですが、これと比較すれば、テナント構成、テナント数、非物販機能、駐車台数広域からのアクセス条件等々、重要な要素のほとんどで明らかに劣っています。これらは中心市街地という立地の特性上、やむを得ないところです賀、問題は別のところにあります。

 それは、そもそも中心市街地に量販百貨店を核にサブテナント多数を配置する郊外型SCの縮小タイプを作ってしまった、ということです。
 http://www.quolaid.com/city/city114.htm
で分析しているように、郊外型SC自体がきわめて厳しい経営環境に陥っている時期に、中心市街地に機能的に見劣りのするSCまがいを作って広域からお客が来店するはずがありません。

 私どもは、中心市街地立地の商業集積は、ラクジュアリィニーズをターゲットにした「ラグジュアリィモール」へと自ら転換していく以外に生き残る方法はないことを明らかにしています。
エスプラッツは、佐賀市中心商店街の核として、ラグジュアリィショップコンプレックスとしてこうせいされていたなら、広域のお客に支持されると同時に中心商店街の新しい核として、全体のラグジュアリィモール化を牽引する、文字通り中心市街地活性化の起爆力として機能したはずです。

 これはけして後知恵ではありません。当社は平成6年に既に武雄市中心商店街活性化構想において、活性化の方向としてラグジュアリィモール(当時はアップスケールモール)への転換を提唱しています。
 
 エスプラッツの敗退の要因は、三セクだったからでも立地が悪かったからでもありません。中心市街地立地に広域から集客できる業態、商業集積類型を構想する段階での専門的な能力に問題があった、ということです。
 エスプラッツの再建は大変厳しいようですが、この間、中心商店街の衰退はさらにひどくなっているようです。中心市街地活性化の成否を握る核として是非もういちど活用していただきたいものです。その際は、ラグジュアリィニーズ対応という、郊外SCとは明確に異なるコンセプトで広域からお客を集める「お客のいる」集積を実現していただきたいものです。

 前回書いたように、中心市街地から量販百貨店等が撤退した後の建物を再び物販施設として活用する、という施策が作られています。施策を活用して活性化を牽引する核つくりを意図されているTMOもあることでしょう。その場合、新設する集積のコンセプトは必ずラグジュアリィニーズ対応のこれまであまり例のない集積つくりに挑戦することが条件になります。

 もちろん、核設置と平行あるいは先行して商店街立地の既存個店群のラグジュアリィモールへの転換を推進することがより重要であることはいうまでもありません。

 考えてみれば、郊外型SCとやらはたかだかかって商店街に立地していたSM、量販百貨店を核にその集客力を頼りにするテナントをくっつけた人工商店街、本来の意味のSCとは似て非なる存在です。お客の個性化・多様化が進展する一方の今日、時が経つにつれてSCを支持する「お客がいなくなっている」のも無理はありません。

 エスプラッツのオープンの時点では、まだしも、エスプラッツが明かなコンセプトミスで敗退を余儀なくされた今日、こういう時期に中心商店街に人工商店街を作るというような愚策は絶対に避けましょう。繰り返しておきますが、人工商店街とは量販百貨店が核を務める似非SCのことです。
 

  


[73] エスプラッツ敗退の根本要因 Date:2002-12-03 (Tue)
 いうまでもなく、エスプラッツは商業集積、端的に言って売れてナンボという施設です。結果良ければ全てよし、物販施設として計画通りの業績を上げることができれていればなんの問題もありませんでした。それでは計画通りの売上げが達成できなかったのはどうしてでしょうか?

〇建物運営が三セクだったから売上げが達成されなかった?

 もちろんそんなことはありませんね。建物の所有が誰であるかということと物販機能の売上・収益とはなんの関係も有りません。
 三セクで管理が甘かった、という説もあります。もちろんこれも?ですね。
経営管理の甘さというのは三セクの定冠詞のようなものですが、それは最近始まった話ではありませんから、設立・運営を通してそれなりの対策を講じていれば問題は無かったはず、「三セクだったから」というような天rにも安易な批評は出来ません。
 もし、そういうことが指摘されるような実態があったとすればそれは三セクだから管理が甘かったのではなく、甘い管理の三セクだった、ということであり、管理者の責任が問われるべき。三セク一般にすり替えると問題が雲散霧消してしまいます。

〇立地が悪かった?

 何をおっしゃるやら。立地はもともと量販店(ダイエー)が苦戦していた立地と同じ町内、目と鼻の先ですからね。立地の現状はきちんと理解した上での出店だったんじゃないですか。それなりの企画が出来ていれば問題はなかったはずです。まして、ダイエーさんは出店と時を同じくして撤退しましたからね。ライバルもいなくなって「これで行ける」と考えた人もいたことでしょう。

〇お店が売れない理由

 皆さん既にご承知のとおり、当社が発見した「店が売れない(売れなくなる)理由はたった三つしかありません。

@お客がいない
Aお店がお客に知られていない
Bもっと上手なライバルがある
の3つですね。

 さて、エスプラッツの不振、全国に鳴り響いたTMOモデル事例の敗退の理由は、上記の売れない理由3つのうちどれに該当したのでしょうか?
 ちょっと皆さんも考えてみてください。

 もって他山の石、新設された大型空き店舗向けの支援制度を活用して量販店や百貨店撤退後の大型施設をあらためて物販施設として活用しようと計画されているTMOにはけして他人事では無いはずです。

[72] エスプラッツの閉店 Date:2002-12-02 (Mon)
 TMOスキームの先取り、モデルと喧伝された佐賀まちづくり鰍フメイン事業としてオープン以来全国から視察が訪れた佐賀市の大型商業施設エスプラッツがとうとう来年2月に閉店することになりました。オープン当初から業態内容が懸念されていたわけですが、戦略の失敗を戦術で補うことは出来ない、という言葉の通り、様々の施策のかいもなく、完全閉店に追い込まれたわけです。

 準備段階からの経緯には、全国TMOの教訓となる事柄が数え切れないくらいあると思われますが、たぶん、だれも把握していないまま、「三セクは危ない」「中心市街地はやはりダメ」といった見当違いの風評だけが広がることでしょう。関係機関のどこかがフィールドワークとして是非研究してもらいたいものです。三セクがらみではエスプラッツ以上に惨憺たる状況の施設が全国に散在しているわけですから、そちらにもたぶん参考になるのではないでしょうか。

 当サイトはこれまで中心市街地活性化、TMO関係での事例の教訓をそれなりに咀嚼して提供してきましたが、エスプラッツについては、ちょうど郷土紙佐賀新聞に連載が始まりましたので、参考にしながらこの欄で若干コメントしてみたいと思います。

[71] インターネット Date:2002-11-30 (Sat)
 当社のもう一つの事業分野、インターネット部門についてはこのサイトではほとんどご披露していませんが、今後は商店街活性化、地域振興などサイトの趣旨に関連する取り組みを取り上げていきたいと思います。

 まずはインタラクティブの理論レベルからはじめたいと思います。


[70] 繁盛店へのチャレンジ Date:2002-11-28 (Thu)
 唐津市は、行政、会議所を中心に早くから商店街活性化に取り組まれており、特に買い物バスや空き店舗事業などの先駆的な取り組みで知られています。これらの事業の成果は着実に挙がっており、特に買い物バスは事業終了と同時に委託していたバス会社が引き継ぎ,100円バスとして運営しています。

 これらの事業やカード事業をはじめソフト事業を活かした商店街〜個店の活性化への取り組みがこれからの課題だということで関係者が一致しています。

 唐津市の中心商店街は「回廊型」で、その中で買い回り型商店街と最寄り型商店がきれいにゾーニングされたユニークな形状で、買い回り型の呉服町、京町がアーケードになっており、ショッピングモールを実現するのに最適です。前述の通り、会議所、市役所とも大変積極的ですから、今回、ラストチャンスということで取り組んでいる商人塾から始まる事業のための舞台がすっかり整っているといって過言ではありません。商店街の皆さんの経営者賭しての意欲と実技が問われることになります。当社の責任も重大です。

 商人塾は三回終わりましたが、回を重ねるごとに参加者が増えて25名になりました。これまでは、環境の変化からスタート、中心市街地〜商店街〜個店という流れでカリキュラムをっつくっていたのですが、今回から「個店の繁盛」からスタート、他の課目も個店の繁盛に関連づけて説明する、という方法に変えています。

 昨日は参加者のお店を各個訪問して状況のヒアリングを行いました。当社の「売り」は、勉強会参加者の実務取り組みを実際に支援する、というところですが、その第1段階。それぞれ短い時間でしたが、意欲十分とお見受けしました。これからの取り組みが楽しみです。
これからもこの欄で報告していきたいと思います。

[69] 繁盛店へのチャレンジ Date:2002-11-21 (Thu)
 唐津市の中心商店街・呉服町商店街協同組合、計画通り11月13日開講で昨20日、第2回がを実施されました。前にも書きましたが、この取り組みは、組合理事長が「商店街活性化のラストチャンス」と位置付けて積極的に推進された結果スタートしたものです。
スタート時点で17名、以後若干増えて20名を超えました。

 これまでの商人塾は、商店街を取り巻く環境の変化など大状況からはじめていましたが、今回は、年末に向けた対策からはじめ、個店の転換を6回、モール関係2回、行動計画2回 というカリキュラム順序です。

 参加者は、昨年、私が担当した商工会議所の講習会を受講した人が多いようです。受講は積極的。講義の最中にどんどん質問が出されます。これまでは一方的な釘が多かったのですが、キャッチボールが出来るといっそう盛り上がります。

 質問は、「そういうことをすれば売り上げが落ちるのではないか」といった厳しく要点を突いたものが多かった。これは、実際に転換に取り組むとあり得ることなのですが、これまで受講者から質問されたことはありませんでした。講義のなかでやりとりが出来るというのは担当者としては大変有り難いことです。

 会場は商工会議所ですが、商店街から少し離れています。講義終了後、歩いて帰る道すがらの会話も個店の取り組みについての話になっていました。

[68] 有田焼卸団地 Date:2002-11-12 (Tue)
 ご存じの人も多いと思いますが、世界有数の「陶磁器モール」です。

http://www.arita.gr.jp/arita_top/index.html

産地を代表する商社24社25店舗が集積しています。
旬の有田焼が特別価格で提供されていますから、関心のある方にはおすすめです。
 
 団地では現在、「各地の中心市街地活性化の取り組みに対応する」事業に取り組んでいます。メインは、全国の中心商店街に立地する陶磁器専門店をはじめ陶磁器を取り扱うショップを対象に「リテイルサポートシステム」を作りあげる事業です。

 中心商店街の専門店というチャネルエンドがしっかり売ってくれないと、消費地問屋、産地商社、産地窯元というチャネル全体が落ち込みます。産地で高付加価値化、融合化、デザイン、用途何を工夫してもエンドがお客の支持を得ていない限り、お客に届くことは出来ません。

 このことは他の消費財産地、消費財チャネルにも言えることですね。中心商店街、日本経済の現在の苦境を象徴しているポジションですが同時にその再生のカギを握っている場所でもあるわけです。
産地では今年からずうっと「中心商店街」との連携を強化する仕事に取り組んで行く計画です。

 有田焼、郊外のショッピングセンターでは場違いですからね。
ラグジュアリィ狙いで新しい展開が準備されています。売上げを落とすことなく業容革新、が合い言葉です。

 卸団地=有田焼プラザは世界一の陶磁器モールです。
是非一度おたずねあれ。期待以上の内容であること間違いなし。
 

 

[67] 商店街の行動計画 Date:2002-11-08 (Fri)
 当社は商店街のショッピングモールへの転換について、3カ年程度の「行動計画」を作成、ハード&ソフト、個店&集積の取り組みを計画的に推進することを提案しています。
いくつかの組合で取り組みを検討中ですが、気になることが出ましたので。

 「行動計画」はコンサルタント丸投げあるいは自分たちで出来る範囲・考えられる範囲で作る、というのでは必ず・全部失敗します。当社が提唱している「行動計画方式」は、必ず当社の理論に基づいて、ワークショップ方式といいますか、スタディ&トライで作ることが原則です。誰かが作った計画に取り組めば活性化が実現できるとか、自分たちが考えついたことを3年間続ければモールが実現するというようなことは全くありません。

 理論・技術を勉強しながら、理論を自分たちの街の実態に応用した「行動計画」を作る。計画が出来上がった時点でいつ何をどうすればよいか、関係者にはちゃんと理解されている、必要な技術や施策などについてもめどが付いている、という状況を作りあげることが必要です。

 計画は文字で表現されますが、それは必ず実際の行動や形として具体化される、そういう質を持った計画を作らないと活性化を実現することは出来ません。

 このことは特に計画つくりの指導・支援にあたる側の関係者には十分理解していただきたいところ、計画が上手く活性化を実現できるかどうかということは、計画を実際に動かしていく・結果として集客が実現できるか否か、というところを想像してみればたちどころにチェックできることです。

[66] 商人塾の立ち上げ Date:2002-11-07 (Thu)
 中心商店街の活性化、とりわけ出来るだけ多くの個店がまとまって同一の客相をターゲットに店づくりを転換していく=ショッピングモールへの転換を目指す場合は、商業経営についての理論を修得することが不可欠になります。

 モールを目指さなくても、この時期、商店街に立地するお店を繁盛させようと思うなら、商業経営についての理論、お客の生活についての知識が必要なことはあたりまえですが、モールを目指す場合は、関係者(=TMOをはじめ、行政,商工会議所などを含む)が同じ理論に基づいてそれぞれの役割を遂行することが必要になります。

 当社が提唱する「商人塾」は理論共有の第一歩となる取り組みです。ご承知のとおり、10回コースで中心市街地活性化から個店の品ぞろえの転換、販売促進まで体系的に展開するセミナーは、国内で唯一の企画だと思います。必要性は重々分かっていながら、実際に取り組んでみるとスタートするまでなかなか大変です。

 良くあるのが、地元で話を固めてから招聘しようとされるパターン。これはほとんど失敗します。どうしてか?
推進しようとする人が、取り組みの重要性は理解しながら、セミナーの内容、実務への活かし方などについては未知数の場合がほとんどのため、「全くその気がない」人たちを説得する材料が余りにも乏しく提言に迫力がない。

 もういちど、なぜこの切迫した時期に「商人塾」という地味な取り組みからスタートしなければならないのか、よく考えていただきたい。これは商店街のための企画であると同時に自店勝ち残りのための取り組みでもあります。出来るだけ多くの参加者をもってスタートするのが良いことは分かり切っていますが、集めきれない場合はやむを得ません、少数でもスタートしなければ間に合わないかも知れません。まずは少数でも意欲的な人、何がなんでも繁盛店に作り替えなければいけない人だけでも着手すべき。スタートが遅れれば遅れるだけ課題が大きくなり、新しい課題を起こってきます。

 当社は商人塾の開催について「もと起こし」段階、一人からスタートして開催に持ち込むまでを一緒に工夫していく、という支援を行います。気軽にご相談ください。

 商人塾を選択するかどうかはともかく、勉強無くして活性化無し、というのが関係者が直面している状況だということはしっかり確認してください。勉強抜きで「核設置」、「空き店舗対策」等々で個店の業績が回復する・街全体の売上げが上向き、活気がみなぎってくる、などということは金輪際起こり得ないことです。

[65] 車の両輪 Date:2002-11-04 (Mon)
 商店街の活性化、街区、組合単位の取り組みだけでは不十分であり、立地する個店の繁盛あってこその活性化だ、という声が聞こえてくるようになりました。街ぐるみの事業と個店の取り組み、二つとも揃ってはじめて「車の両輪」であり、活性化が実現する、と言うわけです。支援制度にも「魅力ある個店づくり」をテーマにするものが用意されているようです。

 当社はこれまで個店の活性化を通じた街の活性化ということを提唱してきましたが、当社が提唱する個店の転換と、現在叫ばれている「魅力ある個店づくり」は相当の開きがありますので注意してください。

 一言で言えば、街全体で実現を目指す目標として「ショッピングモール」が掲げられているかどうか、と言うことです。当社は街が目指すあるべき商業集積として「ショッピングモール」=ラグジュアリィモールを掲げ、それを実現する方法として既存個店の「店づくりの転換」を提唱しています。内容不問で個店、個店が繁盛すればよい、と言うわけでは無いのです。

 全体のとして、目指す方向は一つ、取り組みはそれぞれの個店の自助を尊重しながら出来るところから、確実にモールを現実化していく、と言うことです。個店の活性化、個々バラバラの取り組みでは車の両輪はおろか肝心の個店の活性化さえ実現できないことが懸念されます。取り組みにあたっては十分な検討が必要です。

[64] 商店街単位の取り組み Date:2002-10-29 (Tue)
 商人塾や行動計画作り、組合単位の仕事はスタートまでが大変ですね。シナリオを考えるだけで絶望に駆られる人も少なくないと思います。他に方法はないと思いながら、うちの街では不可能だ、と確信している人が全国至るところでROMしています。けしてあなたの街だけではありません。

 そうしたなかで当社が関わっている限り動きが出てくるのは、どちらかと言えば長老からですね。昔を知っているだけにもういちど、という気概が出てくるのかも知れません。実際、もう一花咲かせるぞ、と言った人もいます。他方、若手には組合に不満先行、商店街に立地する身の不運をかみしめる人がいたりする。

 いずれにしても当社は、中心商店街に活性化のチャンスがあり、それは全国同時多発でないとものにすることが出来ない、という立場ですから、機会があれば出来るだけ多くの商店街に立ち上がっていただきたい、一組合増えればそれだけ確実に他の組合が立ち上がるきっかけになる、何としてもこの動きを顕在化しないとメーカー問屋が持ちこたえられません。

 当社の知り合いである消費財メーカー、問屋の業績悪化はすさまじい。こうなったら中小企業は東京に押し掛けるべきではないかと思いますね。金融云々と朝令暮改の政府諸侯を怒鳴り上げなくちゃ、と思います。マジ。

 年末にかけてもう2カ所、商人塾の立ち上げを目指していますが果たしてどうなるのか、皆さん動きが遅いからね〜。
ちょっと検討させて、と言ったらまず1ヶ月はほったらかし間違いなし。こういうのは絶対許さない、と言うことにして理事会資料でも何でもどんどん当社が作ってスタートまでガンガン行きます。

[63] 商人塾の打ち合わせ Date:2002-10-22 (Tue)
 以前から懸案になっていた商人塾のスタートについて打ち合わせをしました。

 「今回の取り組みがラストチャンスと考えている」と理事長さん。「こういう時代に個店の活性化を支援出来ない商店街組織では意味がない」と担当理事さん。

 11月から勉強会兼個店指導に取り組み、併せて来年3月までに「3カ年行動計画」まで作ってしまおうという企画です。これが実施できれば来年4月から行動計画第1年度をスタートさせることが出来ることになります。早速ファサード整備事業の事業計画策定、9月に仮申請、その間も個店の転換は着実に進める、というように事業が進みます。 

 参加者数が課題とのことですが参加者数に関わらず実施する、と理事長さん。商店街の維新だ、と強い決意です。
 途中から連合組織の会長さんも参加、中心商店街の他の組合にも参加を呼びかけることになりそうです。

 こういう人たちが全国・全商店街にいて当然いなければならない時期ですが、相変わらず少数派ですね。皆さんの街、いかがですか。

 皆さん既にご承知のとおり、中心商店街の活性化は日本経済の再生と同義です。商店街が活性化しないと他の産業とエンドユーザーが結びつきません。郊外のSCは中国製品ばかり売っていますからね。消費購買力は回り廻って中国に流出です。
 流れを変えるためには国産ラグジュアリィの提供口=中心商店街が頑張る以外有りません。毎度のことながら、このことを理解した人から逐次自分自身の動き方から変えていかないと、手をこまねいていては何事も成就することは出来ません。いろいろ評論する人もあるでしょうが、中心市街地の土地価格が上昇する、と言うことに反対する人はいないはず、そして市街地の地価をアップできるのは商店街活性化だけです。この一点で商売に気のは入らない人も家主・地主さんも共通の土俵に登ることになります。

 気が付いた順番、取り組まなければならない差し迫った事情がある、という順番で取り組むのが本当の商店街活性化=個店の転換です。


[62] 視察のお礼状 Date:2002-10-15 (Tue)
 先にこの欄で報告した、商人塾「あきんど北斗」のメンバーからお礼状をいただきました。
「経営者なんかやるな、革新者を目指せ」「金儲けのために禁欲しろ」といったのが印象に残ったそうです。

 考えてみれば商店経営者は大変恵まれたポジションです。
商売が繁盛すれば、お客の生活が楽しくなる。自店の土地の資産価値は上がると固定資産税で都市に貢献、業績好調でチャネル全体が潤い、トータルで日本経済が好転する。
「商店街活性化は全てを癒す」ですね。

 逆に商店経営者の皆さんがさぼっているとどうなるか、川上の努力は全て水の泡、お客の生活は昨日のまんま、土地の価格は下がりっぱなしの資産は目減りの、都市は裁量財源が日増しに縮減、メーカー、問屋の業績はふるわず、諸処で不良債権があふれ出す・・。

 商店主が頑張ると頑張らないとではこんなに差が出てくるんですね。こういう立場は小売業以外でなかなか見あたらないと思います。特に、隣のお店が頑張ってくれたら土地が値上がりする、なんてことは商店街以外ではありませんからね。

 ボランティアなんかやる必要は全然全くありません。そんなヒマがあったら商売に徹してもらった方がどんなにか顧客・地域・天下国家のためか分かりません。
 とにかく、商業者たるもの、脇目を振ることなく商売に徹するべき時です。商売が嫌いでも徹してもらわなければいけない。皆さんが儲かれば日本が立ち直る、皆さんが怠けていると日本列島ホントに沈んでしまいます。JCもゴルフもきっぱりやめて「趣味は商売、レジの音が全てを癒す」と言い切るくらいの根性が欲しい。

商業者は恵まれているということが分かりました?
絶対有利なポジションをしっかり活かしてくださいね。


 山口さん、お礼状ありがとうございました。
新しい時代の小売業者はかくあるべし、としっかり実践してください。北斗の皆さん、結構ノリが良さそうでこれからが楽しみです。親会の仕事でまたお会いしましょう。

[61] 雑 感 Date:2002-10-14 (Mon)
メルマガもすっかり不定期になり、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。本日、ラグジュアリィ・ニーズ対応型に消費産業のほとんどを転換する、消費産業の革新こそが我が国経済を再興させる唯一の方向であることを論じました。ご意見をいただければさいわいです。

 さて、今日は「気晴らし」にはとてもなりませんが愚痴など少々。

 当社が提唱するラクグジュアリィ・モール、どんどん実現していくためにはメーカー、商社、商店街と三拍子揃った取り組みが必要なことはいうまでもありません。チャネル全体の革新という大仕事、製・流・販のうち、いったいどの段階が音頭をとるのでしょうか。
 メーカーまたは商社がいわゆる「チャネルリーダー」を努めてきましたが、これはいわば成り行きで位置を占めてきただけ、これまでのチャネルリーダーが「転換」という新しい取り組みを牽引することが出来るかどうか、大変心許ないところです。

 メーカー、商社の皆さんは、チャネル全体の革新、というビッグプロジェクトが日本経済再生の鍵である、ということはもちろん、新しいマーケティングの切り口である「ラグジュアリィ・ニーズ」についてもコトバさえ聞いたことがない、というレベルにあると思います(ただし、もちろん、当社サイトの読者をのぞく)。
 ラグジュアリィをマーケティング用語として使用しているのはたぶん当社だけですから、別にこのコトバを用いなくても結構です。それぞれに「ラグジュアリィ(という言葉が表している)ニーズ」への対応が不可欠だということが理解されていれば問題はありません。

 しかし、残念ながらメーカー、商社サイドでこの言葉(が意味するニーズ)への対応に取り組んでみようとするとなかなか難しそうです。もちろん、個別のメーカーには取り組みに熱心なところも一部出てきました。しかし、残念ながら、商店街立地の専門店一店の品ぞろえをカバーするところまではなかなかいきません。コーナー展開がせいいっぱいでしょうか。やはり、各業界単位での明確な動きが始まらないとショッピングモール=ラグジュアリィモールは難しい。

 当社は昨年からことし初めにかけて関係各方面に取り組みの必要をアピールしてきましたが、なかなか理解されませんでした。一部理解はされても取り組みまでには至らない、という状況ばかり。後半にいたって意外や意外、すぐ近所から素晴らしい展望が出てきたことは有り難いこと、これから県立デザインセンターなどとの協働も視野に入ってきて楽しみです。

 全体として転換は、消費財の流通のごく一部で始まったばかりです。メーカー、商社、商店街、転換に取り組んでいるところはそれぞれ自分の守備範囲内では業績を上げているようですが、個別の成功事例から流通業界全体への普及をどうやって実現していくのか、本当に「日暮れて道通し」という感がします。

 なかなかキーパーソンが出てこない、という状況でしょうか、それともキーパーソン足るべき人材が払拭しているのでしょうか?日本全国、東京を始め津々浦々の状況はどうやら後者があたっているような気がしないでもない。これは商店街、消費財産業はもちろんのこと、日本経済の危機ですね。

 業績不振とそれに伴う資産価値の続落というダブルパンチにあえぐ商店街ですが、今ひとつ盛り返そうとする気合いに乏しいのは本当にどうしてでしょうか? 個々の経営者に危機感というか将来に対する強い不安があることは分かり切っていますが、なにくそ、という声がほとんど聞こえてきません。フローもストックもこのままでは消滅する、何とかしなくてはという共通の基盤は十分すぎるほど出来上がっています。それなのにこれを好機に活性化の取り組みを強めていこうという動きが出てきません。

 人は不安を煽られるよりも明るい展望があった方が動きやすく、また、知恵も出ることは言うまでもありません。しかし、少なくともリーダーたる人たちは、人々が不安にさいなまれている時期にいち早く新しい進路を指し示す用意が出来ないとダメです。

 自分はリーダーではない、などと引っ込み思案に駆られると大事な自分のお店はどうなりますか。

 小室直樹さんによれば資本主義勃興期の革新者達は「収益事業」以外については徹底して禁欲的だったそうです。
小売業者の皆さんは、自分のお店が繁盛することが顧客の満足を実現し、流通チャネルの全体を活性化し、ひいては日本経済再興の道を切り開いて行くことにつながっている、というたぐいまれな恵まれた状況にあることをしっかり肝に銘じるべきです。

 ボランティア、コミュニティ活動などが盛んな世の中ですが、皆さんはそういうことに時間を割ける立場ではありません。死にものぐるいで自らの商売を繁盛させることだけが本当の意味での社会貢献です。

 商店街のリーダーたる人は、商店街内の役職以外は一切返上して商店街に没頭すべき、商店街活動を自分の社会活動のone of themと考えててはいけません。重ねて申しあげますがその程度の覚悟で商店街の活性化が実現できるというご時世ではないのです。連合会、商工会議所、ライオンズ、ロータリー、JC等々、すべて商売繁盛には何の役にも立ちません。あなたはあなたのお店を光り輝かせることを通じて世の中に認められるべき、シャッターの内側をほったらかしたままで認めれられることは絶対にありませんからね(W