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| 国土交通省が18日発表した『都道府県地価調査』によれば、「長引く景気低迷を反映し」全国平均の地価は12年連続で下落している。特に地方都市の商業地については住居地と比較しても差が幅が大きく、一向に下げ止まる気配がない。 地価を決定するのは需要と潜在需要である。需要の根拠が何であるかは別として需要が増えない限り地価が下げ止まることはない。さらに需要の根拠がたとえば「バブル」であったとしてもそこには幾ばくかの「実需」すなわちその土地を実際に活用した収益機会があり得る、という予測が必要である。 地方都市の商業地つまりは中心市街地の地価が12年に渡って下落し続けている、それも住宅地と比較した下げ幅はこちらの方が相当大きい、ということは何を意味しているのか。 第一に、中心市街地に収益機会=立地としての需要がない、ということは当然、そこに現存している様々な収益事業の収益性が悪化している、ということである。12年に渡って、ということは収益性も相当長期に渡って低迷・下落しているということ。まあ、商店阿木の空き店舗、シャッター通りと自嘲する向きもある現状を見れば、今さら持ち出すまでもない話です。 第二に、都市経営上の問題。 都市経営とは、住民福祉の維持・充実を目的に、目標は所得機会の維持拡大と生活環境の整備充実という二大基本領域について+を増やし−を減らすこと、と概括することが出来ます。この点から見ると「地価下落」はただならない問題となる。 まず直接的には、地価下落の原因である中心市街地を事業立地とする事業者の所得の減少ということ。これは給与の切り下げやリストラという「洗練」された言い方の「首切り」をもたらし、小規模事業者の廃業を余儀なくさせる。つまり地域における所得機会を著しく損なっている。 次に、中心商店街が空洞化、衰退するということは、これまで中心商店街が提供してきた商品の入手先が消滅する、ということであり、地域における生活・購買環境の整備充実という点から見ると、環境は悪化しています。 かっては地域一番点として高級上質な商品を販売していた小売店が立ちゆかなくなれば、地域の生活は郊外型店舗が提供する全国均一・金太郎飴的消費生活に甘んじざるを得なくなるわけです。 このことは同時に中心商店街を自らの製品と最終ユーザーとの出会いの場としてきた国内消費財産業のチャネルが大きく衰退しているということであり、国内の消費財産地の多くはもはや「産地」という名に値しなくなりつつある、といっても過言ではありません。 中心市街地は様々の要因の相互作用によりスパイラル的に衰退しているわけですが、これは自治体の経営資源としての税収の減少という形で都市経営を直撃するものです。 広域合併の目的が国の地方施策の方針転換であることは明か、都市は否応なく自らを自力経営することが必要になってきます。そのときまず問題になるのは、第一に経営能力の育成であり、第二に財源の確保ですが、いずれの問題もこれから中心市街地活性化にどのような問題意識を持って取り組むのか、ということで大きく左右されてしまいます。 土地価格の連続下落は、中心市街地という都市の「経営資源」の価値が下落しているということの象徴です。中心市街地の戦略的価値の下落は、都市経営の目標である所得機会の維持拡大、生活環境の整備充実の達成に大きな障害となることはいうまでもありません。 中心市街地の経営戦略上の重要性をあらためて確認し、活性化に向けた本格的な取り組みをスタートさせることは、全国の都市が共通して直面している戦略的な課題です。 各都市では平成10年度以来『中心市街地活性化基本計画』を策定し、商店街の活性化を軸に中心市街地の活性化を「推進」してきました。しかし、その取り組みの多くは従来から商店街活性化策を一冊にまとめたもの、とても12年連続の地価下落という問題の実態に対応し得るレベルの計画ではないと思います。だからこその「活性化に取り組みながら依然として地価が下げ止まらない」という現象が起きているわけです。 状況を素直に見るならば、中心市街地活性化は単に地域中小商業者の事業機会を確保するというだけではなく、都市経営上の最大といっても過言ではない課題であることが明かです。そのように理解しない限り、商店街の活性化という課題の解決自体が不可能です。 さらに、この問題にはモデルとなる事例がありませんから都市はその能力のありったけを動員して「中心市街地活性化」の実現(いうまでもなくその成否は「地価の動向」として直裁に現れる)に取り組むことが求められています。 地方分権とは都市が自らその運命を切り開いていくことを意味しています。中心市街地という事業者、インフラがもっとも集積されている地域を経営資源としていかに活用し再生させていくか、ということは広域合併を控えた各都市の大きな課題、これに取り組めない都市は広域合併後の都市間サバイバルにはじめから白旗を掲げていることになります。 中心市街地活性化、制度発足から5年が経過する中で、全国的に見ても成功事例が出てこないという現状を顧みれば、もはや取り組みを抜本的に見直すことが必要な時ではないでしょうか。 取り組みを見直すということには、当然、地域内において様々の摩擦が生じることが予想されます。現状を変えることにはエネルギーが必要ですし、出来れば昨日とおなじ環境で安穏にしていたい、という選択を好む人も少なくありません。しかし、今日、明日はそれでいけたとして、あさって以降はどうでしょうか? 来年になったら地価は下げ止まりますか?再来年はどうですか? 衷心市街地活性化への取り組み、「こうすれば活性化できる」=「地価が下げ止まる・上昇に転じる」というところまで見通しを持ったものする、抜本的なものに作り替えることが必要です。 |
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