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FLASH NOTE 2002/09-10 保存版


F069■改革から革新へ  Date: 2002-10-13 (Sun)

 日本経済全体の沈降は、いよいよ深まり、政府唯一の施策は「不良債権処理」ですが、現在「不良」にランク付けされている債権とはどのようなものでしょうか? いくつも疑問がありますので書いてみましょう。

1.不良債権を銀行内で処理すれば、不良債権が発生したメカニズムは改善または消滅するのか?
 不動産投資の破綻により不良債権が発生したバブル崩壊直後とは打って変わり、現在発生している「不良債権」は、「本業」の不振によるものが多い。

2.商店街をエンドとするチャネルに所属する中小企業では、売上げの激減が諸悪の根元、業容の縮小がとどまることを知らない勢いで進んでいる。資金需要はほとんどが運転資金の手当である。
不良債権の処理が終われば銀行はこの手の融資が出来るのか?

3.このような状況は、銀行にとって事業機会としては最悪である。一方で業容を縮小しながらの後ろ向き資金にどうして融資が出来るだろうか? これまでの銀行の常識では「貸し渋り」は無理もない面があるが。

4.政府は不良債権の処理をもって銀行の資産内容を改善することで貸し出しドライブを喚起しようとしているが、前述のように銀行の事業機会はきわめて少なくなっている。これは銀行にとって不良債権以上の危機の種ではないだろうか?銀行マンのモラルの低下、窓口の対応にはっきり現れている。

5.不良債権の処理は、債務企業の息の根を止めることになる。多くの場合、企業所有の不動産は処分されることになるわけだが、この時期、買い手が付くはずがない。そうするとその物件周辺の地価が低落する。
担保力が弱まり・・・、という悪循環が起こり、新しく不良債権が生まれることになる。

 と言うような「不良債権スパイラル」を生み出しているのが現在の日本経済運営でしょう。

 株式の長期低落傾向の原因は、はっきりしています。もの余り時代とは、「経済が成長できない時代」ですが、いっぽう、株式市場というのは「経済が成長する」ことを前提に成り立っている市場です。貸借対照表を思い浮かべてみましょう。
借り方には商品と不動産がありますね。この商品と不動産を対象に株式投資が行われるわけですが、貸し方と同額の簿価になっている商品と不動産がどうして投資の対象になるかといえば、B/Sの借り方のさらに左側に膨大な「潜在市場」があったからです。

 もの余り時代とは、この「潜在市場」がどんどん縮小していく時代です。これから生まれる新しいニーズは、「時間堪能」であり、これは従来の生産−流通システムもっと言えば資本主義的事業活動によって対応出来るものかどうかさえ分かりません。勢い投資は商と不動産=企業の成長可能性ではなく、マネーフロー、とりあえずこれまでいくら儲けているか、ということを基準にされるようになりつつあります。米国ウオール街で優良企業ともてはやされていた企業群の末路はこのことを証明しています。

 さて、先行きは真っ暗ですが、唯一、ラグジュアリィ・ニーズに進路を定めるお店、企業、チャネル、集積、国だけが現在の危機をプラスに転じて新しい成長を実現することができます。
日本中がこの方向に大きく進路を転換することで、これから日本の後を追随して同じようなもの余り時代を迎える世界中をマーケットにするチャンスを確保できるのです。

 中心商店街で商品が売れると言うことは、ラグジュアリィニーズへの対応が出来る、ということです。この動きがどんどん波及すれば、書台気をエンドとするチャネル全体が活性化します。地価は下げ止まり、担保力は増加、新しい前向き投資案件も生まれる、ということで日本経済は大きくプラスに転じることが可能です。
 そのためには、従来の発想に基づいた改善や改革ではなく、従来の常識や手法のとらわれない革新が必要になっています。
革新というのは難しいですからね。企業の現状、誰が見ても問題だ、と言うところを直すのが改良、現状からスタートして「ここまでなら何とかいける」という取り組みが改革です。どちらもやるだけ無駄だと達観しなければならない。
 革新は、現在〜将来の企業あるべき姿を自社が対応しようとする顧客の側から決める。この企業のあるべき姿を現在只今見ての通りというところからスタートして実現していくことが「革新」の名に値する取り組みであり、これを志向するめるお店、企業、チャネル、集積、国だけが新しい繁栄を、関係する人々の生活の安定、幸せな生活の基盤を創造し、維持することが出来る。

 ラグジュアリィ・ニーズに針路を取れ、これが我が国の現下唯一のあるべき方針ですが、残念ながらこういうことを言うのは国中で私一人である、という実状を皆さんはしっかり理解しましょうね。
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