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FLASH NOTE 2002/02


F051■中心市街地の崩壊  Date: 2002-02-23 (Sat)

 中心商店街の衰退に拍車がかかっている。

 つい先頃までは、空き店舗がない、空いてもすぐ埋まると高をくくっていた人口30万〜50万規模で独立商圏を持っていた中堅的な都市の中心商店街で空き店舗が目立ち始めた。これまでも業績不振、後継者難等で廃業する店舗が多かったのだが、全国チェーンや上位都市の専門店の進出で空洞化がくい止められていたものが最近になって出店の動きが止まってしまったためである。これら域外資本の経営ノウハウは、これまで通り、店前通行量をもって立地判断をする経営だから、機を見るに敏、店前通行量が減少に向かい出すとさっさと撤収してしまう。
 さらにこれまで中心商店街に立地する専門店を顧客にしていた有力メーカー・問屋の多くは、取引先の減少もあって自ら直営小売店を展開し始めており、その戦略は、単一業態の多地区へのばらまきよりも、複数の業種・業態を作って地方中心都市に集中して展開する、という戦略が選択されている。拠点性の高い都市の中心市街地の商業集積はますます充実し、下位都市ではいっそう空洞化が進展する、というシナリオである。九州でいえば福岡一極集中、辛うじて熊本が追随しているが果たしてこれからどうなるのか、来週は機会があるので見てきたい。

 さて、上位都市からの出店という傾向がストップすれば、もともと他力本願で維持されてきた商店街はたちまち空洞化に向けて転がり始めることになる。前述した規模の都市でそういう傾向が顕著になっており、立地崩壊とともに老舗の選択肢=いざとなったら廃業して家賃収入で悠々自適、ということが成り立たなくなった。
 今や本来の中心商店街で空き店舗が目立たないのは、政令都市の文字通り極心商店街だけ、という情況になっている。もちろんここも店舗の出入りは激しく、地場資本の店舗でも後継者がいるのは、組合青年部などの情況を見れば5割を切っているのではないかと推測される。

 このことが意味するところはなにか。
第一に、もはや、従来型の商店街、地域の商業者が中心になって地場資本中心で形成している、という商店街は急速に消滅しつつあるということである。大都市の中心商店街の命運は域外資本の経営判断にかかっており、そしてその判断は今後撤収の方向に大きく傾斜して行くであろう。このような動きがいったん始まれば、これは中心商店街の空洞化を急速に推し進めついには形骸化してしまうことになる。
第二に、この事態は不動産収入という安易な道を選んだ老舗に直接覆い被さってくる。域外資本の撤退は不動産収入の消滅を意味するが、同時にこれはは資産価値の下落をもたらすことになる。今やかっての老舗の資産の命運は、いつでも進退自由な域外資本の動向にかかっており、彼らは後続域外資本の出店の動きが止まるとともに撤退を開始することになる。不動産収入の道を選択した老舗にこのシナリオを阻む手だては全くない。
第三に、大都市においても産業構造の変動というか、これまでそれぞれの地域の人々が担い、事業機会としてきた小売・サービス部門が全国チェーンに取って代わられるということであり、このことはとりもなおさず地域経済の空洞化をもたらすことになる。

 このように、中心商店街の構成の変化が引き起こす空洞化の急激な進展は、サービス産業化が著しい我が国経済における地域経済の業績を直撃するものであり、地域は中央資本の営利収益の場として、これまで以上に中央に隷属することになっていく。
これはたちまち地域の所得水準の下落、就労機会の減少・劣悪化など、現在以上の生活条件・環境の格差をもたらすことは間違いない。
 中心市街地の活性化、当初考えられた以上の戦略課題であることがいよいよ明らかになってきたが、一方、活性化に取り組むべき主体の能力たるや全くのミスマッチ、よほどの戦略を採らないと商店街の再生は夢に終わり、都市は経済的にも文化的にも再生できないレベルにまで落ち込んでいくのではないか。

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