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FLASH NOTE 2002/02


F050■TMOで困ること  Date: 2002-02-22 (Fri)

 このところ中心市街地関係の相談をいくつか受けたが、状況は本当に深刻である。
といってもいまさら空洞化の現状とかいっそうの衰退化といった話ではない。活性化に取り組んでいく、関係者の状況認識の内容が問題状況とあまりにもミスマッチだということである。このサイトを利用されている方は良くおわかりのように、事態は、これまで点(再開発)や線(商店街)で活性化に取り組んできたが、成果が上がらないので面(中心市街地全体)で取り組む、という「規模の問題」では無いのだ。
点や線の活性化が出来なかったが面でなら活性化できる、ということならそのことを論証しなければならない。(一般に商店街活性化についての論議というのは議論を詰めていく、論証していく、という姿勢に欠けている。全ていいっぱなし、提案しっぱなしというのが多い)

 中心市街地の活性化をプロデュースする立場の人(以下タウンマネージャーと呼ぶ)、彼が実際にやらなければならないことをもう一度確認して見よう。

1.「中心市街地活性化基本計画」(以下、「基本計画」)の再検討
(1)たぶん、基本計画は彼が着任する以前に策定されていただろうから、内容をチェ  ックすることが必要である。
特に、中心市街地に立地する商業集積等を一個のショッピングモールと見なす  という一文が盛り込まれているかどうか。これが欠けているということは、基本計画全体が、中心商店街の活性化の方向についてまったく考えていないというか、方向を決めなければならないということさえ気づいていない人たちの手によって策定されている、ということを意味している。このことは本当に重大であるから良くチェックしていただきたい。
ショッピングモールについては、記載されていてもその内容を良く吟味しないとものの役に立つかどうか分からない。記載すらされていない、ということは文字通りあってはならないとんでもないことだが、なぜか結構多かったりする。これが記載されていないとタウンマネージャーの業務自体が有らぬ方向で決定されることになる。

(2)次、基本計画にはハード&ソフト、基盤整備と商業等の活性化の両面にわたる事業メニューがこれでもかといわんばかりに記載されているはずだが、問題はこれらの事業を全て、スケジュール通りに行えば、中心市街地は活性化されるだろうか、ということである。これまでの点や線でやってきた事業をについて対象範囲  が広がっただけ、ということでは心配である。
これまでの事業では、その効果よりも支援制度を活用して事業を実施した、というところに取り組み評価の基準があり、取り組んだ結果、街にどのような状況が生まれたか、ということについては必ずしも重視されて来なかった。このことも十分考えなければならない。今回の取り組みは、おそらく、中心商店街活性化にとって文字通り最後のチャンスであることは間違いない、事業は完遂したが活性化は出来なかった、では困るのだ。

(3)タウンマネージャーたるもの、計画されている全ての事業について、「この事業と商店街が実現すべき来街目的づくりとはどんな関係があるか」ということを真剣に考えなければならない。つまり、事業メニューを見たらそれをビジュアライズできる、その結果街に何が起こるかということをまざまざと瞼の裏に描くことが出来る、という能力が必要。あらかじめいっておくと、「ショッピングモール」への言及がない「基本計画」で活性化した商店街がビジュアライズ出来た人は、大変危険な先入観の持ち主である。商店街活性化の担当者には向かないかも知れない(笑)。

2.ショッピングモールのテナントミックスの整備
(1)関連図書には「空き店舗への欠業種の誘致」とか「大型店撤退後の店舗への核店  舗の導入」等が挙げられている。今どき、基本計画のスキームで活性化を考えるというくらいの規模の都市の中心市街地に誘致されたからといってホイホイ出てくるような核店舗の能力では何の力にもならないだろう。欠業種的ショップの導入もまず無理である。

(2)もっとも大事なことは、自然成長的な商店街に立地する各既存個店をショッピングモールのテナントショップに転換する、ということ。このサイトのメインの主張の一つでもあるこのことが、なぜか関連図書にはほとんど触れられていないので要注意。特別の施策で来街者が増えたとしても在来個店がこれまでの通りの業容の個店の集合主体ならお客から見向きもされないだろう。
評価されない店舗は、街が活性化されればいっそう目立つことになり、衰退が早まることは当社がこれまでにしっかり確認している。何がなんでも既存個店の活性化・転換を実現しなければならないが、これには相当の知識・技術・オルグ能力が必要であることはご想像のとおりである。
 タウンマネジャーという機能は、このような能力を持たないと勤まらないのである。あるいはこれらのスキルを自分のチームに組織することが必要である。もし、運良くそういうスキルを持った人がいれば勿怪の幸い、現在のポジションにかまわず、タウンマネージャーに任命すべきだ。

3.TMO構想と街の命運
(1)必掲事項として「中小小売商業高度化事業」の計画が挙げられているが、この必掲に影響されて高度化事業さえ挙げておけばよい、と考えるととんでもないことになる。一番大切なことは、ショッピングモールへの転換に必要な施策をもれなく掲げておくこと。基本計画〜実施計画(TMO構想)という枠組みで考えたい。
高度化事業の実施計画については実施時期に即応して別途作ることになる。
(2)これだけの内容を持たなければならないTMOが果たして商工会議所・商工会がよく対応出来るものであろうか?便宜上既存組織がTMOに就くのなら、その実際の機能は誰がどのように担当するのか、事前にはっきりさせておかなければならない。このあたりについて何も考えず、TMO=高度化事業と補助事業の受け皿といった安易な位置づけで合意形成、引き受けさせたりすると、まずその時点でショッピングモールへの転換は不可能、活性化は実現できないまま、商店街は急速に没落してしまう、ということになりかねない。

というように、各地の中心市街地活性化の担当者のみなさんが考えている枠組みと本当に活性化を実現するために必要な事業の枠組みには相当の開きがある。問題はまず、このミスマッチをどうやって解消するか、ということなのだが、問題が所在することに気づいてさえいない都市が多い、というのが中心市街地活性化事業への取り組みの実態である。
もちろん、当サイトの常連の皆さんはけしてそういうことはないだろうが、皆さんの周囲を見渡せば、結構、ここで描写したレベルの事例が多いはずである。
さて、どうすればいい?

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