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FLASH NOTE 2001 保存版


F043■ 商店街の勉強会(承前) Date: 2001-12-08 (Sat)

    昨日に引き続いて商店街の勉強会について。
 そもそも「勉強」というのは、中国語の原意は文字通り「強いられて勉める」ということで、「学ぶ」という意味はないらしい。八百屋さんが「奥さん、勉強しときますよ」というのが中国での使い方に近そう。
 ともかく、強いられて(嫌々ながら)努力するのが勉強ということであり、好き嫌いは問わない、Aを成し遂げたかったら、まずBを実行しなければならない、という条件があるとき、Bに取り組むのが勉強だということになる。
 商店街のみなさんが取り組む勉強とは、もちろん「商売繁盛を実現したかったら必ずやらなければならないこと」。

    自分がの職業・プロと自負している「商店街における商業経営」について、あらためて知識・技術を身につけなければならない、つまり勉強をしなければならない、その理由を簡単に確認しておきたい。
 常連のみなさんはすでに十分ご承知のところだが、これからあなたが勉強会に誘う相手は分かっていないかも知れない。
1.商店街立地の小売業を取り巻く環境・条件が大きく様変わりしている。
2.かってのお客は今やどこか別の商業集積のお客になっている。呼び戻すにはこちらが変化しなければならない。
3.必要な変化とは、お客の買い物ーズ=期待や不満を理解しソリューションとなる店舗への転換である。
4.転換はこれまで取り組んだことのない課題であり、知識も技術もあらためて修得しなければ実践できない。

    高度成長期までの商売のノウハウは今となってはことごとく「使い物にならない」、「使ったら大やけどをする」ことばかりである。メーカーから問屋商店街まで皆さんの情報源の全てが「使い物にならない ということである。繁盛したかったらあらためて勉強する以外に方法がない。

    これまで夢にも思わなかった「店づくりの転換」という課題に街ぐるみで取り組む、という一大プロジェクトである。勉強には次のような条件が必要であり、勉強会をスタートする前に整えなければならない。
1.週1回というペースでとりあえず1年間は続ける。
2.出来るだけ多くの組合員が参加できる条件を作る。
3.勉強の内容を良く吟味する。
4.必要な予算を確保する。

    どの項目も一筋縄ではいかないが、なかでも難しいのは、2の条件作り。
 マーケティングの原則「相手の期待することの実現に貢献せよ」を踏まえれば、「欲と二人連れ」という資本主の「WAY TO GO=生き方」をもう一度思い出し、勉強の目的は、「かっての繁盛店を昔とは違う環境のなかで実現する」ことであり、勉強を通じて繁盛店が再現できる、という可能性を実感する、相手に実感させることが大切である。百聞は一見に如かず、ということわざ通り「成功事例」を見るのが一番である。時間と費用がかかるが、先進事例を視察して話を聞くのが一番早い。私が推奨するのはもちろん地元武雄市の商店街である。いずれ視察会を企画するので参加していただきたい。

    商店街のみなさんは成功事例を見ても「事例と違ってうちの場合は・・・」と自分が取り組めない理由を見つけるのが得意、事例だけではなかなか納得しないだろう。街ぐるみの取り組みへと組織していくには、実際に自分たちの街で実証して見せることが必要であり、一番の早道である。

    まずは、自分たちの組合あるいは連合組織の範囲でもよい、店づくりに意欲的なメンバーを集めてモデル的にスタートする、という形が進めやすいだろう。(つまり「商人塾」ですね)このとき大切なことは、たとえ少人数の有志で始めるにしても、必ず組織の公式事業としての位置づけを確保して取り組むこと。
 さらに、組合員全員に参加を呼びかけ、少なくとも勉強会の趣旨については全員に理解させておく、いつでも新規参加が可能であるということを周知しておくということである。組合の事業であるから勉強会の門戸は常に開かれてなければならない。公開例会などというのもあると良い。このあたりはJC関係者ならお手の物のはず。

    先行グループが取り組む店づくりの出来映えが街の将来を左右することになる。また、たとえ街ぐるみの運動に発展させられなかった場合でも取り組んだ人には必ずご利益があるべき、メンバーの店は必ず繁盛させなければならない。勉強会とはいいながら内容は「店づくりの転換」への我が店の命運を賭けた実践である。

    3の要件もなかなか難しいだろう。場合によっては2よりも難しいかも知れない。
 世上提供されている様々な『商店街活性化の戦略と実践』から吟味して選択する、ということになるのだろうが、当社の活動範囲にある街は別として(笑)、一般にはきわめて難しい選択だろう。当社以外に商店街活性化を導く理論を提供しているものが果たしているのか、私にははなはだ疑問だが、提供されている、ということで話を進めていこう。

    どのような理論に基づいて実践を組み立てるかということは、成果を左右する。これは当たり前である。したがって理論の採用にあたっては十分な吟味が必要である。
 吟味するということは、こちらが吟味できる力というか、理論をチェックする基準をを持っている、ということである。個店〜商店街の活性化のために取り組む勉強の対象となる理論には次のような条件が求められるだろう。

1.現在〜近未来の我が国の消費・購買行動が説明・予測できること。
2.消費産業の動向、とりわけ小売業段階についてはその全体が把握できること。
3.個店・商店街の現状からスタートして活性化を実現するまでのシナリオを描く材料を備えていること。

    いかがだろうか。例えば「環境の変化」についても項目を羅列するだけではなくて個々の変化が消費行動に及ぼしている影響、小売業に波及していること・これからの趨勢などが明らかにされ、「対応」では文字通りそれらの環境変化をプラスとして活性化に転じていく戦略が提案されていなければならない。各種の小売業の特徴と実態についても全て把握しておかなければならない。それらを把握してはじめて「にもかかわらず、この方向にこれこれの方法で進むことで中心商店街は活性化できる」ということが主張できる。でしょ?

    間違ってもこれまで商工会議所などが開催してきた「〇〇〇商人塾」、項目ごとに特定分野の専門家や研究家などに担当させ、脈絡抜きの講義を垂れ流させるというスタイルにならないよう十分留意すること。これまでの講習会のレベルでは話にならないことはご承知のはずである。
 実現に取り組む勉強会は、環境変化の把握から個店の店づくりの転換に関するノウハウまで首尾一貫した理論体系の修得であることが必須条件である。

    上に述べた条件各項をクリアしていない「活性化の提案」は、これだけ環境が変化し、これだけ商店街が空洞化している状況にも関わらず、これらの条件を考慮しなくても個店や商店街が活性化出来るという、最初から実践・実効を全く期待していない教壇レベルか、あるいは高度化事業最盛期−郊外型SCが出現する以前の手法−、量販店のノウハウの後追い提案というレベルに止まっていると考えて間違いない。量販店が軒並み苦悶にあえぐ今日、もちろん、そのような中途半端な「理論」で活性化できることはあり得ない。佐賀市のエスプラッツがその証左である。
(ちなみにエスプラッツの失敗の原因は、計画の基本である「商業集積論」がデタラメである、ということにある。このことは近くこの欄で疑問の余地無く論証する。)

    いささか脱線したが、吟味にあたって大切なことは、「活性化とは個店や街にどのような状況が生まれることか」、「現在〜近未来の環境に於いて活性化を実現するための方向」について大筋を把握しておく、ということである。その一例として私どもの「Web商人塾」がある訳だが、ひょっとしたら他にももっと優れた道があるかも知れない。あくまでもひょっとしたら、だが(笑)。
 ときには他の理論?を推奨するメンバーもあるだろうから、その場合も勉強する内容の基準・要件を共有することでグループの共同作業で選択することが出来る。これも結構大切なことかも知れない。武雄市では「地元でこれくらいの理論があるのなら、福岡や東京にはもっとすごい理論があるだろう、そっちの話も聞いてみたい」などとこれまで一度も勉強会に参加していない連中が言い出して足を引っ張られたことがある。採用する前には何通りかの理論を検討する、コンサルタントを何人か招いて話を聞いてみると良い。コンサルタントを見分けるには、短期間に集中して何人も話を聞いてみること。これは商業集積の視察も同様である。費用はかかるだろうが、街の将来を左右するプロジェクトである、惜しんではならない。
 どんな話でも受け取る側の姿勢次第で勉強になるものだ。私なども昔はさんざん聞いて回ったもの、その経験からの提案である。

    勉強会を仕掛ける側としては、実践はともかく、「この方向で勉強すれば活性化が可能だろう」という程度の見通しは持っておかなければいけない。つまり、自分はメンバーよりも一歩先を行っている、ということが大切である。このあたりは今後ともWeb商人塾を中心に展開していくので参考にしていただきたい。

    これまでの会議所や組合主催の一過性の商人道のお説教や高度化事業の手続きの説明とは全く目的・位置づけが違う勉強会、この企画の良し悪しに中心市街地活性化の命運がかかっているということを重々確認しておいていただきたい。このことを心から納得してからでないと勉強会は役に立たない。
 
    時間とお金はたっぷりかかる。否、かけなければならない。具体的なカリキュラム等は別の機会に譲るが、週1、1年間は当たり前、これがやり遂げられると2年目、3年目と続けることができる。私どもの経験では勉強かをやめたとたんずるずると後退、やめて1年後には元の木阿弥になってしまった、という例がある。とりあえずスタート時点での時間と費用の確保はさして問題はないだろう。やる気さえあればどうにでもなることだ。 

    以上が私の考える商店街の勉強要領というか、勉強会を組織する要領である。
いろいろ述べてきたが、一番大切なことを一言でいえば、まず中心になる人物(つまりあなた自身)がその気になって踏み出すことだ。後はそれから考える。正式のスタートまでには紆余曲折があるのが普通なので、一日も早く踏み出したい。
 まずは当社にメールで問い合わせてみること。いつも申しあげているとおり、私どもはWebの趣旨に鑑み、ネットで商売する気はさらさら無い。全てフリーでいくらでも対応するので活用していただきたい。


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