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FLASH NOTE 2001.08 保存版


F024■クリック&モルタル考   Date: 2001-08-18 (Sat)


   クリック&モルタルとは、リアルの小売業がWebショップを開設する場合に、リアルとWeb双方の企画をリンクさせるなど工夫することで来店客の交流というか顧客と多角的な接点を作り出し相乗的な効果・売上げアップを目指す戦略と言われている。当社のようにリアルでのリテイルマーケティング(小売店、特に専門店のマーケティング)を専門分野とする立場からすれば、「おい、おい、何いってんの、そんなこと当たり前じゃん」と言いたくなる話だが、webの内部では結構新鮮な話らしい。

   もちろん我が国の小売業界もそんなにマーケティングが確立されてい留訳ではない。スタート時点ではスーパーマーケットのマーケティングが小売業全般のマーケティングだと考えられていたし、その傾向は、業界の一部、すなわちGMS並びに彼らがキーテナントをつとめるショッピングセンターでは今日でも全く同じ状況である。あとは、特殊な業態別、CVSその他のFCなどが独自に開発したものがあるくらい、「小売業の一般理論」というようなものは確立されていない。このあたりの話、続ければきりがないのだが今日はテーマが違う、続きはメルマガで読んでください。

 ともかく、リアルにおけるリティルマーケティングの不備ということもあって(我が国のマーケティング専門家でリティルマーケティングを専門にしている人は大変少ない)、Webリティリングは何これ、と言うようなレベルにある。この現状をもってWebリティリングはやっぱだめ、とかいうのは、商店街の現状を見て商店街立地はやっぱだめ、という人たちと全く同等のレベルにある。批判する場合の視点が間違っているのだ。
 脱線の連続だが、Webマーケティングがダメなのは、リアルのリティルマーケティングが未発達であり、なおかつそのうえに専門家の数が限られており、とてもWebの方へ出かけていく人がいなかった、ということに起因する(のだと思う)。

   今日のテーマは、「クリック&モルタル」としているが、ここでは普通一般とはちょっとずれた使い方で「クリック&モルタル」を考えてみたい。
これから考えてみたいことは、Webショップを徹底して「リアル」のお店と引き比べて検討する、ということである。WebショップといってもWebだけでショッピングするお客が来るわけではない。Webショップのお客のほとんどがリアルのショッピングで鍛え上げられたいわば百戦錬磨のお客なのである。ということは、彼らのショッピングパターンは、リアルでの経験に支えられており、本人達が意識しているかどうかに関わらず、「リアルでの買い物行動の枠組み」が、「Webを含む買い物行動の一般的な枠組み」となっていることが推測される。このあたりの関係を探ることはシンクタンクなどの調査テーマとしては面白くかつ、意義があることだと思われる。
 ともかく、リアルの購買行動をWebショッピングに引き写して考えてみる。いわば、「クリック」ウインドショッピング〜がお店へのアクセスであり、モルタルは店内へ入った状態、と考えることにする。すなわちWebショップのアクセスから入店、回遊、商品選定、購買の過程をリアルと引き比べながら考察することで、現在のWebショップの問題点を明らかにしてみようということである。

 クリック、すなわち、マウスを握ってWebショップのポータルと対面している状態としよう。(実はここにたどり着くまでのいきさつにもリアルと類似のさまざまな情景や課題があるのだが、今日はそれらには触れない)
ここで大切なことは、ポータルが店頭までやってきたお客にどれだけ自社コンテンツを想像させ、期待させるイメージを伝えられるか、ということである。
webを見ると、なるべく多くの人に入店してもらいたいというポータルと一見客にはお構いなし、常連向けのコンテンツ表示のいずれか、というものが多いようだ。これはどちらも間違いでしょう。リアルのショーウインドは、商品ディスプレイでお客を選別している。品揃えと全く異なる嗜好の入店客ほど対応に困るものはない。当のお客だって、「しまった場違いのとこに来た!」とかなって気まずくなったりする。webの良いところはそういうことがあらかじめ起こり得ない環境である、ということだがこのあたりをしっかり弁えておかないと入り込み客と買い上げ客のギャップに悩まされることになるだろう。

   リアルのショーウインドがこのような機能を発揮するのは、あらかじめ店舗の経営計画においてこの店は「誰がなんのために来る店か」というコンセプトが確立されているからである。このことは、webというどこからでもアクセスできる、しかしクリックしないと内容が分からない、というお店の場合、特に重要である。ハッキリ期待していることがあってクリックする、デスティネーションクリックとでも言うべき概念をもってサイトづくりをもう一度チェックしていただきたい。

   うえに書いたように、我が国ではリアルの小売業のマーケティング理論が整備されていない。この段階でwebコマースを目指すなら自分自身でそのあたりについて対タイの目安を付けておくことが必要である。とりあえず、明後日から開講するweb商人塾などでリアルの小売業を取り巻く問題状況と解決の方向を確認していただきたい。  

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