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FLASH NOTE  2001 保存版   


F004■商店街を取り巻く環境の変化(2001.6.15)       

 商店街に人が来ない、というのは多くの商店街に共通する頭の痛い課題であり、同時に中心市街地の活性化などに携わっている各方面の関係者にとっても悩みの種となっている。このことについては、今後当サイトが取り組むテーマの一つとしてさまざまな角度から論じていくが、今日は、なかなか目に見えないレベルでの動きを報告しておきたい。
 
 さて、小売業とは、@消費財を A他から調達し・または自ら製造して B最終消費者に販売する、ということを業とする。どなたもご承知のとおりである。現在全国のほとんどの都市の中心商店街が不振に陥っているのは、Bの消費者ニーズと自店が提案している@との間にミスマッチ状態が生じている、ということが原因である。このことを踏まえて、関係各方面の動きを紹介したい。

 まず、いわゆる「川上」であるメーカー、問屋の動きについて。
 商店街が不振を極めている、ということはすなわちそこに立地する店舗を取り引き先にしている問屋、メーカーの業績に跳ね返ってくる。もともと、川上の商品企画自体がポスト量販店時代の消費ニーズに適応していない、ということが商店街立地の取引先の業績不振を結果している、という側面も大いにある。
 いずれにせよ、全国的に商店街が衰退していく現状は、多くの問屋、メーカーにきわめて深刻な影響を及ぼしており、設備投資をはじめ経営拡大に向けた新規投資を思い立てるような状況には無い。民間設備投資の停滞にはこのような消費の停滞が大きく影響していることはしっかり確認しておかなければならない。
 不振にあえぐメーカー、問屋の戦略転換は、第一にSPA*を目指す、第二に新しい販売ルートを開拓する、第三に業態開発による取り引き先のFC化 などが考えられる。
 いずれも私どもの知り合いで実行している戦略である。共通しているのは、既存の取り引き先との関係については、業績の良いところを残して切り捨ててゆく、ということである。
 商店街立地で自助努力により業績を維持・伸長させている店舗の課題は、メーカー・問屋の商店街離れがますます深刻化するなかで、消費ニーズに適応する品揃えを如何に維持していくか、ということである。あるいは新しく業態改革に取り組もうとする店舗にとっても問題は深刻である。
 消費ニーズに的確に対応して業績を挙げているメーカー、問屋で商店街立地に新規取り引き先開拓を照準しているところはきわめて少ない。例外的に商店街立地をねらっているメーカー、問屋もあることはあるが、それらに共通しているのは、選別の基準が厳しいということ。自社の企画コンセプトを店舗において展開する力のあることろ、ということで、とても商店街立地の一般的な店舗が基準をクリアすることは難しい。
 もはや商店街立地は川上から見放されてつつあり、依然として商店街を主力取り引き先としているメーカー、問屋は、商店街と運命をともにせざるを得ない存在と見なすことが出来る。このような川上サイドとつきあっている店舗の運命も同様である。

 次に商店街の天敵と見なされることが多い郊外型ショッピングセンターについて。
 私どもはかねてから量販店を核店舗にしている郊外型ショッピングセンター(すなわち90%以上のショッピングセンター)は、もはや社会的は役割を終えて衰退していく運命にあることを主張してきた。
 このことはいまでは多くの関係者に共通の見方となっているが、私どもがいち早く自体を予測したのは別掲の視点に基づいてのことである。
 この傾向はもはや郊外型ショッピングセンターとりわけそのデベロッパーを兼ねている量販店企業(すなわち、ダイエー、ジャスコ、イトーヨーカ堂、マイカル等々)には手の打ちようがないレベルでの環境変化である。
 デベロッパーを兼ねている量販店企業の収益は、現時点において既にテナントリースの売り上げでかろうじて維持されているという実態である。
 今後業績不振に絶えられず、退店するテナントが続出することは避けられない趨勢であり、一端空いた売り場を新しいテナントで埋めることは難しい。「歯抜け」状態が続き、広がる、という事態が目前である。
 かくて、テナントリーシングに頼る量販店企業の郊外型ショッピングセンターの将来はきわめて厳しい、とみることが出来る。残念なことに、事態の進展が自店にとってきわめて厳しいということが理解されても、これを突破していく手段、解答を見いだすことはほとんど不可能である。

 一方で地方中心都市の中心商店街には、ブランド企業のショップの新しい展開が顕著になっている。業界紙などでは希望する店舗規模を確保するため、とその出店動機を開設しているようだが、そんなことはない。こんにち、大型ショッピングセンターで希望する面積を確保できないために出店を諦める、などということは絶無といって良い。
 郊外型ショッピングセンターへの出店を拒むブランド企業の考えは、自店への来店客がSC全体のイメージ、来店目的に左右されてしまい、自店の営業戦略が必ずしも想定する顧客に支持されるレベルに達することが難しい、というこれまでの経験を踏まえた戦略転換である。
 端的にいって路面店であれば、周辺の店舗のイメージが自店への来店を阻む、ということがSCに比べれば極端に少ないのである。ということで、顧客から見た来店目的を確立している店舗ほどSCを敬遠して単独立地を志向する傾向が多くなっている。なかにはわざわざ商店街立地に限定した出店戦略を採用している企業の例もある位だ。

 このように商店街を取り巻く環境は5年くらい前と比べれば、様変わりしているといっても過言ではない。対応策の立て方次第では商店街活性化にとってプラスとなる変化も多いのだが、問題は当事者の方にある。
 十年一日のごとく、朝になったらシャッターを上げ、夜になったらシャッターを下ろす、というシャッター上下運動を経営と取り違えている店舗、それらが軒を連ねる商店街にはたとえ周辺環境がどのように変化しようともかっての繁栄が戻ることはない。このことだけははっきりしている。
*SPA:商品企画から販売までを自社リスクをもって展開するアパレル企業

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